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 1. 二の腕のぶつぶつの原因は「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」によるもの? 

二の腕のぶつぶつの主な原因は、「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」によるものといわれています。毛孔性苔癬の原因や症状、できやすい部位は以下のとおりです。

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の原因

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は毛孔角化症(もうこうかくかしょう)とも呼ばれます。よく見られる疾患の一つで、両者の症状は同じです。遺伝的要因があるといわれ、アトピー性皮膚炎、季節性アレルギー性鼻炎、尋常性魚鱗癬、肥満、1型糖尿病との関連性も指摘されています。 

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、肌のターンオーバーの乱れによって角質が毛穴に詰まって引き起こされることや、ホルモン代謝の異常、ビタミンの欠乏、外的刺激などが原因ともいわれています。

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の症状

毛孔性苔癬は、毛穴の奥の毛根を包んでいる「毛包」がある場所に見られます。中心部には栓があって、小さな隆起が多発している状態です。吹き出物のようにも見え、色は皮膚と同じ色か赤色をしています。
乾燥しており、触れるとざらついているように感じられます。痛みがない場合が多いですが、乾燥しているときなどにかゆみを伴うことがあります。

できやすい部位

主に二の腕や太もも、お尻、背中などにできやすいとされていますが、顔面に見られることもあります。ただし、顔面にあらわれるのは特に子どもに多いといわれています。

また、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)・毛孔角化症(もうこうかくかしょう)は子どもの頃から発症する人もいますが、思春期で多くみられる傾向にあり、年齢とともに減少して30代以降に消えていく人が多いといわれています。

しかし個人差があり、40〜50代でも新しくできたり、治らずに残ったりする人もいます。また、健康には影響がないといわれています。

 2. そのほかに考えられる二の腕のぶつぶつの原因は? 

二の腕のぶつぶつは、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)によるもののほか、以下のような原因が考えられます。

アトピー性皮膚炎

かさぶたを伴う赤い発疹が出るアトピー性皮膚炎が原因で、二の腕にぶつぶつができることがあります。かゆみを伴う傾向にあり、症状の後期になると、かいたりこすったりすることで乾燥し、皮膚が厚くなったように見えることがあります。

毛嚢炎(もうのうえん)

毛穴の奥の毛根を包んでいる部分「毛包」の浅い層に見られる毛嚢炎(もうのうえん)も、二の腕にぶつぶつができる要因となる場合があります。

中央に膿を持った皮膚の盛り上がりが見られ、それがやがて広がって白色や赤色の発疹ができ、硬いしこりができることもあります。痛みを伴う傾向にあり、顔や首の後ろ、太もも、お尻などに見られます。
通常は黄色ブドウ球菌を原因としますが、緑膿菌やそのほかの菌が原因となることもある細菌感染症です。

マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎は、主に若年層に多い傾向にあります。吹き出物のような赤いぶつぶつをしており、白色の場合もあります。マラセチアはカビ(真菌)の一種で、毛穴で増えて毛包炎を引き起こすといわれています。

また、マラセチアは皮脂を分解してエサにしているため、皮脂分泌の多い胸や背中で増えやすい傾向にあります。さらに、高温多湿を好むことから、マラセチア毛包炎は汗をかきやすく湿度が高い夏によく見られます。

 3. 二の腕にぶつぶつができたときの対処法 

前述のとおり、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は皮膚の病気です。そのため、それらを治すには市販薬の使用や皮膚科の受診が望ましいと考えられます。

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は、角質肥厚(かくしつひこう)が関係しており、保湿と角質ケアが大事です。実際に医療の現場でも、保湿剤や角質を溶かす作用のある尿素やサリチル酸、ビタミンAなどが配合された軟膏、肌のターンオーバーを促す効果が期待できるビタミンD3配合の軟膏などが処方される傾向にあります。

また、毛孔性苔癬以外の二の腕ぶつぶつの原因となる病気もそれぞれ治療法が異なるため、まずは皮膚科で診てもらうようにしましょう。

例えば、アトピー性皮膚炎は、「スキンケア」「薬物療法」「悪化要因の対策」の3つが治療の基本となりますが、薬物療法では、ステロイド外用薬が用いられます。

毛嚢炎(もうのうえん)は、軽度であれば皮膚を清潔に保つことで自然と治りますが、赤みや痛みといった症状が気になる場合は、主に外用薬や内服薬による抗菌療法が中心となります。

マラセチア毛包炎の場合、マラセチア菌を倒すための抗真菌薬が使われ、症状が軽い場合は外用薬のみで改善しますが、症状を繰り返す場合は内服薬での治療も行われます。

市販薬の場合は病院で処方される外用薬と成分が同じであれば、ある程度の効果が期待できると考えられますが、使用上にはさまざまな注意が必要です。必ず薬剤師に相談することや、用法・容量を守ることを心がけ、皮膚に異常が出た場合には速やかに皮膚科を受診しましょう。

このほか、少しでも不安要素やほかにも気になる症状などがある場合は、医師の指導のもとに治療することを心がけましょう。

※角質肥厚...さまざまな原因によって肌のターンオーバーが乱れ、本来なら剥がれ落ちるはずの古い角質が肌に残ってしまい、角質が厚くなってしまった状態。

 4. 自宅でできる二の腕のぶつぶつのケア方法 

自宅で二の腕のぶつぶつをケアしたい場合はどのようにすれば良いのでしょうか。ここでは、自宅でできる二の腕のぶつぶつのケア方法を具体的に解説します。

角質ケア

肌のターンオーバーを整えるためにも角質ケアを行うことは大切ですが、肌に刺激を与えないようにすることが大事です。強く肌を擦ったり、塗って剥がしたりといったアイテムは、肌にとって大きな刺激になる恐れがあるので避けましょう。

角質ケアの頻度は週に1〜2回が理想で、継続して行うことが大切です。とはいえ、傷や炎症がある箇所は避けるようにしましょう。

また、ボディを洗うときにも肌への負担を避けて、古い角質や汚れを落としつつ肌にうるおいを残して洗い上げるボディソープや石けんを使用しましょう。

ボディタオルなどの使用も肌にとって刺激となる可能性があります。ボディソープや石けんを十分に泡立て、手で泡をやさしく転がすようにするなど、肌への負担を軽減しながら洗いましょう。

保湿ケア

保湿ケアアイテムは、肌が敏感な状態のときには低刺激処方のものを使うのがおすすめです。肌がそれほど敏感な状態でない場合は、古い角質をやわらかくする効果が期待できる尿素が配合された保湿ケアアイテムを使うのも一つの方法です。しかし、尿素の配合量が多いと肌にとって大きな刺激となる可能性があるため注意してください。そのほか、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が豊富に配合されたボディケアアイテムで日頃から十分に保湿をしておきましょう。

二の腕は肌を露出する季節に紫外線の影響を受けやすくなるので、美白有効成分が配合されたものを選ぶのもおすすめです。

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加えて、抗炎症成分が配合されたものを使うことも検討してみましょう。

水分の蒸散を防ぐためにも、ケアは入浴後すぐに行うのが理想ですが、冬などは就寝前に肌が乾燥していることがあります。その場合にはもう一度塗り、再度保湿することも大切です。肌に触れる際は摩擦を避けるためにゆっくりと手を動かし、やさしく肌に触れましょう。

ボディケアアイテムにはいろいろな種類がありますが、乾燥が気になる場合には、ミルクやクリーム、バームなど油分が多いものを選んでみましょう。反対に、夏など汗ばむ季節や梅雨など湿度が高い時期には油分が少なくさっぱりと使えるジェルを使うなど、季節や肌状態に応じて使いわけもおすすめです。

 5.日頃から気をつけておくべきこと 

できてしまったぶつぶつを悪化させないため、またこれから二の腕のぶつぶつができないよう予防するために、日頃から気をつけておきたいことがいくつかあります。
ここでは、8つのポイントにわけて解説します。

スキンケアを意識する

一般的には寒い時期や乾燥しやすい季節にぶつぶつが悪化しやすい傾向にありますが、夏場は二の腕を出すことが多いため、気になる方も多いと思います。

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は肌のターンオーバーの乱れによって角質が毛穴に詰まり起こることも原因であるため、季節を問わずできる可能性があります。また、二の腕だけでなく太ももやお尻、背中などにもできやすいことから、二の腕に限らず全身の角質ケアと保湿ケアを継続して行うことが大事です。

さらに、お風呂で洗う順番も大事です。身体を洗ってから髪を洗うと、シャンプーやトリートメントが背中や二の腕に残り、ぶつぶつの原因となる場合があります。そのため、入浴の際は最後に身体を洗うようにしましょう。

バランスの取れた食事を意識する

肌のターンオーバーが乱れるのは加齢だけでなく、栄養バランスの偏りも原因となる可能性があります。そのため、バランスの取れた食事を日頃から意識することが大切です。

適度な運動を取り入れる

運動不足になると血のめぐりが悪くなり、肌のターンオーバーの乱れにつながる可能性があります。そのため、日頃から適度な運動を心がけ、血行を促進させることで肌のターンオーバーも促進させましょう。

また、身体を温めて血行を促進させるためには、運動だけでなく、お風呂に入る際にしっかりと湯船に浸かり、芯から身体を温めることを習慣にすることも大切です。

睡眠の質を高める

睡眠が不足すると肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が溜まりやすくなるなど、二の腕のぶつぶつにつながる可能性があります。そのため、睡眠環境や夜の過ごし方を見直し、十分な睡眠時間を確保しつつ睡眠の質を高めましょう。

紫外線対策を徹底する

紫外線ダメージが蓄積されると、肌のターンオーバーの乱れにつながるだけでなく、シミやシワ、たるみなどの肌トラブルの引き金になる恐れがあります。

そのため、日頃から十分に紫外線対策を行うことが大切です。日やけ止めの使用はもちろん、汗をかいたときは汗を拭いてから日やけ止めを塗り直し、日傘なども併用しましょう。

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喫煙や過度な飲酒は控える

喫煙や過度の飲酒は肌のターンオーバーの乱れを引き起こす恐れがあります。さらに、肌のコラーゲンを破壊し血流を低下させることで、肌老化を加速させる可能性もあります。

また、過度な飲酒も控えましょう。週に1〜2日は休肝日をつくり、日常的なアルコール摂取量は20g(1合)未満に留めるのが理想です。

ストレスを発散する方法を見つけておく

ストレスも肌のターンオーバーが乱れる原因となるため、溜め込まないよう、日頃からストレスを発散する方法を身につけておくことが大切です。

音楽を聴く、映画鑑賞をする、本を読むなど、自分の好きなことに没頭してみたり、アロマを炊く、自然と触れ合うなど、リラックス効果が得られる方法を探してみましょう。

こすったり潰したり刺激を与えない

二の腕のぶつぶつが気になると、つい触れたくなるかもしれません。しかし、こすったり潰したりせず、できるだけ触れないように、刺激を与えないようにすることが大切です。

肌に刺激を与えてしまうと、バリア機能や保湿機能の役割を果たしている角質層や肌の保湿に欠かせない皮脂膜が剥がれてしまい、水分の蒸散やバリア機能の低下につながります。肌は乾燥を防ごうとより一層厚くなり(=角層肥厚)、それにより毛穴が塞がるため、ぶつぶつが繰り返されてしまうのです。

そのため、肌ざわりがなめらかで通気性のいい天然素材の衣服を身につけ、ボディケアの際にもやさしくなでるような力加減で行いましょう。

 6.まとめ 

二の腕にぶつぶつができる要因の一つは、毛穴に古い角質が溜まることです。日頃から角質ケアと保湿ケアを継続して行なえば、二の腕のぶつぶつを防げる可能性があります。

一方、すでに二の腕のぶつぶつができている場合は、肌が敏感な状態になっていることも考えられます。肌への刺激を避け、ボディを洗う際にも低刺激のボディソープを十分に泡立ててやさしく泡を転がすように手で洗うなど工夫しつつ、場合によっては皮膚科の受診も検討しましょう。


執筆・監修遠藤 幸子 エイジング美容研究家/美容ライター

アットコスメ公認ビューティストに認定されたのを足掛かりに、活動をスタート。ウェブや雑誌などで美容コラムの執筆や監修を行う他、テレビやラジオ、雑誌、新聞、広告などに出演。いつまでもキレイでいたいと願う女性に向けて、日々美容情報を発信中。

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