知りたい!美容と健康Tips ビューティ

 1. 白髪の状態は2パターン 

白髪の状態は2パターンあるといわれています。自分の白髪の状態はどちらに当てはまるのか確認してみましょう。

成長した毛髪の途中から白髪になっている

1本の毛髪がすべて白髪になっているのではなく、途中から白髪になっているパターンです。

毛髪ははじめからから黒いわけではなく、毛根にあるメラノサイト(色素細胞)で作られ分泌されるメラニン色素が、毛髪を作る毛母細胞へ取り込まれることによって色がつきます。

毛髪は2~6年の周期で生まれ変わり、毛髪が伸びる「成長期」、伸びきってから抜けるまでの「退行期」、脱毛してから次の毛髪が生えるまでの「休止期」の大きく3つに分けられます。

毛髪の途中で白髪になる場合は、成長期の段階でメラノサイトの働きが徐々に低下するために起こると考えられています。

成長した毛髪の1本すべてが白髪になっている

もう一つは、成長した毛髪の1本すべてが白髪になっているパターンです。一般的に、白髪が生えていると気づきやすいのは、こちらの白髪でしょう。

毛髪が生え変わる際には、古くなった毛髪が毛根ごと抜け落ち、新しい毛根が活動をはじめます。加齢やストレスなどさまざまな原因によって、メラノサイトの働きが低下しメラニンの力が消失すると、生えてくる毛髪が白くなってしまうのです。

では、白髪になる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。次項で解説していきます。

 2. 白髪になる主な原因は5つ 

白髪になる原因は、主に5つが考えられます。

加齢

加齢は、白髪の原因として知られています。加齢による白髪の原因は主に2つあります。

メラノサイトの働きが低下しメラニン色素がうまく作れず白髪になる場合と、メラノサイトを作り出す細胞「色素幹細胞(しきそかんさいぼう)」の機能が弱まり、黒髪の元を作れなくなる場合があります。いずれも老化によって起こる現象です。

遺伝

白髪のなりやすさは、遺伝的な要因も関係すると考えられています。特に親が20歳前後で白髪が出はじめた人(いわゆる若白髪)の場合、その体質は高い確率で子に受け継がれやすいともいわれています。
ただし、遺伝的な要因がどの程度強いのか、まだはっきりとはわかっていません。

過度なストレスや疲労

人間関係の悩みや過労などが要因で強いストレスがかかると、交感神経が活発になり血管が収縮するため血流が悪くなります。それにより毛根に栄養が届きにくくなり、白髪の間接的な原因になることが考えられます。

また、ストレスが過剰になると体に害を及ぼす活性酸素が過剰に生産されます。活性酸素は老化に影響を及ぼすと考えられており、毛根にも何らかのダメージを与えている可能性があります。

※交感神経...体内の生体機能の調節に関わる自律神経のうち、緊張や興奮をつかさどる神経のこと。

栄養不足

毛髪の健康維持には多くの栄養素を必要とします。主なものにはタンパク質、ビタミン(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなど)、ミネラル(亜鉛、鉄など)が挙げられます。

白髪に関しては、特に亜鉛や鉄がメラノサイトの活性化に関わるといわれています。またアミノ酸の一種「チロシン」は体内でチロシナーゼという酵素の働きで酸化し、メラニン色素のもとになるとされています。これらが不足していたり、偏っていたりすると、白髪の間接的な原因になると考えられます。

紫外線

ストレスによって活性酸素が過剰に生産されてしまうと説明しましたが、紫外線を浴びることでも活性酸素が過剰に作られてしまうことがあります。

酸化ストレスとなって細胞を傷つけてしまうことで、メラノサイトや毛母細胞にも何らかの悪影響が及び、白髪が増える原因となります。

 3. 白髪が急に増えるのはなぜ? 

ここまで白髪になる主な原因を説明してきましたが、最近急に白髪が増えたと感じる方も多いと思います。白髪が急に増える原因にはいくつかあります。今の自分に当てはまる項目がないか、確認してみましょう。

強いストレスを感じることがあった

「強いショックを受けて一夜にして髪が真っ白に...」のようなセリフを聞いたことはありませんか?

文芸作品などで見られる表現ですが、実際には一晩ですべての毛髪が白髪になることはありません。しかし、強いストレスは過剰な活性酸素が作られる要因の一つであり、急に白髪が増える原因となります。

忙しくて食生活が乱れていた

私たちの体は自分が食べたものでできているため、栄養の偏りがあると毛髪の健康にも影響します。

また、食事時間が不規則になったり、忙しいからと食事を抜いてしまったりすると生活リズムが乱れ、疲労やストレスにつながります。白髪が急に目立ってきたと思ったら、栄養・疲労・ストレスの状態を見直してみましょう。

睡眠不足が続いていた

人は睡眠中の成長ホルモンの働きなどにより、体の修復・回復が行われます。十分に寝る時間が確保できないと、細胞のダメージが蓄積されてしまいます。それにより、メラノサイトが早く老化してしまう可能性もあり、白髪が増える恐れがあります。

なお、睡眠はぐっすりと眠れることはもちろんですが、翌日の起きている間に眠気を起こさない状態が理想的です。睡眠時間は十分なのに寝た気がしないといった場合は熟睡できていない可能性があり、それも体へのダメージを進めてしまいます。

 4. 白髪が一ヵ所に集中して生えることも! 

白髪が一ヵ所に集中して生えることもあります。これは、その場所がストレスなど何らかの影響で血流が滞ってしまい、メラノサイトの働きが十分ではなくなったためと考えられます。

また、白髪は同じ場所に繰り返し生えてくることや、同じ場所から複数本が生えてくることがあります。そのため、一ヵ所に集中して生えたように見えることもあります。

 5. 白髪は黒髪に戻せる? 

白髪を黒髪に戻せる方法は、科学的にも証明された方法はありません。加齢などの原因による白髪を戻すことは難しいです。しかし、栄養不足や睡眠不足といった生活習慣が原因となっている白髪の場合、生活習慣を改善することで、ふたたびメラニン色素を作りだせるようになり、黒髪が生えてくる可能性はあります。

メラノサイトの働きの低下を防ぐには、

  • 食事の見直しや十分な休息・睡眠をとること
  • ストレスを溜めないようにすること

などが挙げられます。

 6. 今日からできる!白髪の対策と予防 

今日からできる白髪の対策と予防方法を紹介します。ぜひ試してみてください。

不規則な生活習慣を整える

白髪の対策と予防には、生活習慣を整えることが大切です。ご自身の日頃の生活リズムを振り返ってみましょう。

まずは、起きる時間や食事を一定の時間に行うように意識してみるとよいでしょう。

なお、スムーズな目覚めには質の良い睡眠が必要です。やってしまいがちな行動ですが、寝る前にスマホやPCなどを見たり、カフェインを摂ったりするのはおすすめしません。

また、朝食も決まった時間に摂ることで体温が上がり、日中に活動しやすい体内環境を整えてくれます。食事内容は手軽なもので構わないので、朝に食べる習慣を作っておくとよいでしょう。

ストレスや疲労を溜めない

ストレスや疲労は白髪の原因の一つです。ストレスを感じたら、こまめに発散することが大切です。ドライブでもカラオケでも思いっきり泣くでも何でも良いので、自分なりのストレス発散の方法を見つけておきましょう。

なお、現代人の疲労の原因は、長時間のデスクワークが関係していることが多いようです。長時間同じ姿勢をとることで筋肉が緊張し、疲労が溜まってしまいます。疲労を感じたら一度肩の力を抜いてみたり、ストレッチしたりしてリラックスタイムを作りましょう。また、入浴などで体を温めることも筋肉の緊張をやわらげ、ストレスや疲労解消に効果的です。

頭皮マッサージを行う 

頭皮マッサージを日々のケアに取り入れることをおすすめします。頭皮マッサージで頭皮の血行を良くすると毛根への栄養がスムーズにいきわたり、メラノサイトの活性化やメラニン色素の合成が促進されます。

リフレッシュ効果もありますので、ストレスが緩和することによる毛髪の健康維持や向上が期待できます。


 7. 白髪のお手入れ方法 

白髪はどのようにお手入れするのが理想的な方法なのでしょうか。確認してみましょう。

白髪は抜かずに染めましょう

白髪を見つけると、つい抜きたくなってしまうものです。しかし、抜ける前の状態にある毛髪を無理に抜くと毛根を傷つけてしまい、新しい毛髪が生えてこなくなる恐れもあります。

一つの毛根から2~3本の毛髪が生えていることもあるので、ダメージを受けると生えてくる毛髪の量が減り、薄毛になってしまうことも。

また、毛髪を引っ張る刺激で頭皮も傷つきます。毛根や頭皮が傷つくことで毛穴が変形すしてしまい、次に生える毛髪が波状に曲がりやすいともいわれています。そうなると余計に白髪が目立ってしまうことにもなりかねません。

白髪が増えてきて気になるようであれば、カラートリートメントやヘアマスカラを試してみましょう。

白髪のお手入れにおすすめのアイテム

今では毛髪や頭皮にも優しく、手軽に染められる製品が数多く販売されています。毛髪全体をしっかり染めるカラー剤や、部分的な白髪を目立たなくするマスカラタイプなどがあり、T.P.Oに合わせて使い分けやすくなっています。

・入浴時に使えるカラートリートメント

カラートリートメントは濡れた髪に使用することでムラなく染まり、ヘアケア効果もあります。バスタイムを利用して染められる手軽さもあるので、忙しくてなかなか美容室に行けない方にもおすすめです。

ヘアケア効果のあるものならボリューム感もアップするので、気になる生え際や頭頂部の分け目も目立たなくなり、より若々しい印象になるでしょう。

ファンケルでは、髪へのやさしさと染まりを両立した白髪染めをご提供しております。

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・気になったときすぐに使えるヘアマスカラ 

お出かけの直前に鏡をチェックしたら、部分的に目立つ白髪が...!そんなときに役立つのがヘアマスカラ。ブラシ付きでぼかしやすく、ナチュラルな色補正がしやすいアイテムです。

全体を染めるほどではないけれど、生え際だけ気になっていたり、途中から白髪になっているといった場合にもおすすめです。

また、髪を洗ったあともほんのりと色が残るタイプなら、使い続けるほどに白髪が目立たなくなる効果もあります。

・頭皮環境を整える育毛剤

肌のお手入れと同じように、髪や頭皮も育毛剤を使ったケアをおすすめします。頭皮を健やかな環境に整えると血流が促され、栄養が毛根に十分いきわたるようになります。そのため、毛根へのダメージにつながる活性ストレスの発生抑制にもなると考えられます。

毛髪につや・ハリ・ボリューム感があると白髪があっても目立たず、若々しい印象に見えるもの。ぜひ今日から取り入れてみましょう。

 8. まとめ 

白髪は加齢や遺伝的要因のほか、生活習慣や栄養バランスの乱れ、ストレスや疲労など、さまざまな影響が考えられます。白髪が気になる人は、生活習慣や栄養バランスの見直しや、ストレスや疲労を感じていないか確認しましょう。

また白髪が目立ってきたら抜かずに、ヘアトリートメントやヘアマスカラなどの活用をおすすめします。


執筆・監修福田(渡邉) 真由美 医学ライター/健康予防管理専門士

10年間の出版社勤務後独立し、雑誌や新聞等でおもにミドル~シニア世代の一般向け医療・健康記事を取材、執筆。1999年初級産業カウンセラー資格試験合格、2015年健康予防管理専門士資格取得。医療機関の認定再生医療等委員会、倫理審査委員会の委員も務める。

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