
すり鉢毛穴とは?できる理由や予防法、できてしまったときの対処法
ふと鏡を見て、へこんだ毛穴が気になったことはありませんか?もしかしたらその正体は「すり鉢毛穴」かもしれません。自分でケアしたいけれど、何から始めて良いかわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回はすり鉢毛穴の原因や予防方法、できてしまったときの対策などについてご紹介します。
1. すり鉢毛穴ってどんな状態?
すり鉢毛穴とは、毛穴の開口部分が広がり、すり鉢状にくぼんでいる状態を指します。そのまま放置すると、悪化してクレーターのように大きく凹むことがあるため、早めのケアが大切です。
できやすい場所
顔の中でも、Tゾーン(額や鼻)、Uゾーン(口まわり、あご)、頬の内側などにできやすい傾向があります。これらの部分は皮脂腺が発達しており、皮脂の分泌量が多いため、毛穴の広がりや詰まりをおこしやすいためです。また、皮脂が過剰に分泌されると角栓ができやすく、その角栓が酸化して黒ずんでしまうと目立ちやすくなります。
すり鉢毛穴の見分け方
自分の毛穴タイプを正しく把握し、それぞれの状態に合った適切なケアを行うことが、キレイな肌を保つためには重要です。すり鉢毛穴と似た毛穴トラブルもあるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
たるみ毛穴・帯状毛穴
- 楕円形や涙型に大きく開いている
- 毛穴がつながって見えることがある
- 手で目尻を斜め上に引き上げると目立たなくなる
加齢や紫外線の影響によって、皮膚のコラーゲンが減少したり、顔の筋力が衰えたりするとで、本来は円形だった毛穴が楕円形に伸びて見えることがあります。このような状態を「たるみ毛穴」と呼びます。
さらに、たるみ毛穴が進むと、毛穴同士がつながり、シワのように見える「帯状毛穴」へつながることがあります。
たるみ毛穴とすり鉢毛穴を見分ける簡単な方法として、目尻を斜め上に軽く引き上げてみてください。このとき、毛穴が目立たなくなる場合は、たるみ毛穴の可能性が高いでしょう。
開き毛穴
- 毛穴の形が丸くぽっかり開いている
- 毛穴の凸凹が目立つ
- 油性肌に多い
「開き毛穴」は、皮脂が過剰に分泌して角栓が詰まり、毛穴が押し広げられてぽっかりと開いて見える状態です。開き毛穴が進行し、毛穴がすり鉢状に大きく開いて目立ってくると、「すり鉢毛穴」になります。
詰まり毛穴
- 白色や黒色のポツポツとした角栓が目立つ
- さわるとザラザラしている
- 鼻や頬、あごにできやすい
詰まり毛穴は、過剰に分泌された皮脂や古い角層、汚れなどが混ざり合って角栓となり、毛穴に詰まっている状態を指します。
特に、鼻の頭など空気や紫外線に触れやすい部位では、白い角栓が酸化して黒ずむことも。毛穴に白い塊や黒い塊が見える場合は、「詰まり毛穴」である可能性があります。
2. すり鉢毛穴はなぜできるの?
すり鉢毛穴の大きな原因の一つは、皮脂の過剰分泌です。皮脂分泌が活発になると、毛穴に皮脂が溜まりやすくなり、毛穴が開いてしまいます。さらに分泌した皮脂の中に含まれる不飽和脂肪酸によって、毛穴の周りに炎症が起きると、皮脂が詰まらないように毛穴が広がり、すり鉢状にくぼんで見えるようになってしまうのです。
では、なぜ皮脂が過剰に分泌されるのでしょうか?主な原因について詳しく解説します。
誤ったスキンケア
皮脂が多く気になるからと、1日に何回も洗顔をして過剰に皮脂を落とすと、肌が乾燥しやすくなります。すると、肌は不足した水分を補おうとして、逆に皮脂を多く分泌するようになります。
また、ベタつきが気になるからと乳液やクリームを避けたり、あぶらとり紙で頻繁に皮脂を取り除いたりすることも、皮脂の過剰分泌をまねく原因になります。
乾燥や刺激によるバリア機能の低下
肌には「バリア機能」と呼ばれる重要な役割があり、肌内部の水分を保持しながら、紫外線や乾燥などの外部刺激から肌を守っています。しかし、肌が乾燥するとバリア機能が低下し、水分を保持しにくくなります。これにより、肌は水分の蒸発を防ぐために皮脂を過剰に分泌することがあるのです。
さらに、強い摩擦や刺激が加わると角質層が傷つき、バリア機能がさらに低下することで、皮脂の分泌が一層活発になる可能性があります。
ターンオーバーの乱れ
肌のターンオーバー(新陳代謝)は、紫外線や摩擦、乾燥などのダメージの影響を受けやすく、加齢や生活習慣の乱れ、ストレスなども大きく関係しています。ターンオーバーが乱れると、肌のバリア機能が低下しやすくなり、これが皮脂の過剰分泌を引き起こす原因となるのです。
3. すり鉢毛穴を予防するには?
すり鉢毛穴の予防にはスキンケアや紫外線対策、生活習慣の見直しなどが大切です。それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
クレンジングと洗顔を丁寧に行う
毛穴に皮脂や汚れが詰まらないように、正しい方法でクレンジングと洗顔を行いましょう。
クレンジングは、頬から始め、額、小鼻、口元、最後に目元の順でやさしくなじませます。摩擦を避けるため、クレンジング料は適量を守り、力を入れず素早く行うのがポイントです。
洗顔の際は、洗顔料を泡立てネットなどでしっかり泡立て、泡の弾力を使い、肌をこすらずに洗いましょう。皮脂の多いTゾーンから洗い始め、乾燥しやすい目元や口元はなじませる程度に。最後に洗顔料が肌に残らないように、人肌程度のぬるま湯で洗い流します。
泥ジェル洗顔
120g1,320円(税込)マイルドクレンジング オイル<ブラック&スムース>
120mL1,980円(税込)保湿をしっかり行う
肌が乾燥すると、水分を保持しようとして皮脂の分泌が増え、すり鉢毛穴の原因になるため、しっかり保湿を行いましょう。
特に注意をしたいのが入浴後。肌がしっとりしているように感じても、お風呂からあがって体を拭いている間にも肌の乾燥が急速に進み、入浴前よりも水分量が低くなることがわかっています。お風呂から出たら10分以内に保湿ケアを始めることがとても大切です。
化粧水の種類にもよって異なりますが、100円玉から500円玉大を目安に手に取り、手のひらでやさしく押さえるようになじませます。化粧水の量が少ないと、十分に保湿の効果を得られないため、メーカー推奨の適量を守りましょう。化粧水をつけた後、時間をおくと水分がどんどん蒸発してしまうので、すぐに乳液やクリームなどの油分でふたをすることも忘れずに。皮脂の多いTゾーンやべたつく部位は油分を調節するとよいでしょう。
トイロ バランシングドロップ<医薬部外品>(化粧液)
[ボトル]120mL(約60日分)3,520円(税込)トイロ バランシングミルク<医薬部外品>(乳液)
[レフィル+ケース]60g(約60日分)3,740円(税込)ポア エッセンス
8g1,320円(税込)紫外線対策を行う
紫外線ダメージは、肌の乾燥をまねき、バリア機能を低下させることで、毛穴の開きや黒ずみの原因となります。季節や天気を問わず、日頃からUVケアを徹底することが大切です。日焼け止めを塗り、日差しの強い日は帽子や日傘などを活用して、紫外線対策を怠らないようにしましょう。
日常生活で使う日焼け止めは、SPF30程度で十分な紫外線予防効果が期待できます。強過ぎる日焼け止めを使うと、肌の負担になることがあるため注意が必要です。ただし、春から秋にかけては紫外線が強いため、外出するならSPF50にするなど、シーンにあわせて選びましょう。
日焼け止めは肌にムラなく塗り、気になるところは重ね付け。さらに、こまめに塗り直すことが大切です。また、汗や水で落ちにくいウォータープルーフの日焼け止めを使うときは、クレンジングと洗顔できちんと落とし、毛穴に残らないようにしましょう。
サンガード30 ブライトニングUV<医薬部外品>(SPF30・PA+++)
30g2,475円(税込)サンガード50+ プロテクトUV(SPF50+・PA++++)
60mL2,750円(税込)生活習慣を整える
毛穴の目立たない美しい肌を維持するためには、食事・睡眠・運動といった生活習慣の見直しや、ストレスケアが欠かせません。
食事
肌は食生活の影響を大きく受けるため、バランスの良い食事を心がけましょう。肌の基礎となるたんぱく質や皮膚の健康にかかわるビタミンA・ビタミンB群・コラーゲンの生成を助けるビタミンCを含む食品を積極的に摂ることが大切です。
特に、皮脂のコントロールをサポートするビタミンB2やビタミンB6はおすすめです。食事だけで十分な栄養を摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのもよいでしょう。
<各栄養素を多く含む食材>
ビタミンA:にんじんジュース、うなぎ(かば焼き)、鶏レバー、ほうれん草(ゆで)
ビタミンB2:レバー(豚・牛・鶏)、納豆、焼きのり、うなぎ(かば焼き)
ビタミンB6:赤身の魚、ヒレ肉(豚・牛)、バナナ
ビタミンC:赤ピーマン、カリフラワー(ゆで)、レモン、キウイフルーツ、ネーブルオレンジ
一方で、脂っこい食べ物や甘いもの、香辛料などの刺激のある食べ物の摂りすぎは、皮脂の過剰分泌につながるため控えめにしましょう。
睡眠
肌の修復やターンオーバーは、睡眠中に活発に行われます。質の高い睡眠を取ることで、成長ホルモンの分泌が促され、肌のハリやうるおいが保たれます。
成長ホルモンの分泌を促すためには、規則正しい睡眠が重要です。毎日できるだけ決まった時間に寝て、同じ時間に起きる習慣を心がけ、6時間以上を目安に睡眠時間を確保できるのが理想です。また、以下のポイントを意識すると、より質の高い睡眠を得られます。
・カフェインの摂取を控える
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには覚醒作用があるため、夕方以降は控えましょう。
・ブルーライトを避ける
スマートフォンやパソコンの画面から発生するブルーライトは、睡眠の質を低下させる原因になります。寝る前は使用を控え、寝室は暗めに整えましょう。
・就寝1~2時間前までに入浴する
就寝1~2時間前までに入浴して身体を温めると、寝床に入ったときに体温が下がり、入眠しやすくなります。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
運動
適度な運動は、新陳代謝を促して肌の調子を整えるのに役立つだけでなく、自律神経を整える働きのあるセロトニンの分泌を促し、ストレス解消にもつながります。運動によって血流が良くなると、肌の毛細血管に酸素と栄養が行き渡り、美肌につながります。また、発汗によって毛穴に詰まった余分な皮脂が排出され、新陳代謝が促進される効果も期待できます。
まずは、無理のない範囲で、軽いウォーキングやジョギングなどの有酸素運動や軽いストレッチから始めてみるのもよいでしょう。
ストレスケア
ストレスや生活の乱れは、ホルモンバランスを崩し、皮脂分泌を増加させる原因となります。また、血流が悪くなることで肌に必要な栄養が届きにくくなり、毛穴トラブルをまねくことも。ストレスを感じたら、意識的にリフレッシュできる時間をつくることが大切です。
例えば、以下のようなリラックス方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
- 自然の中を散歩する
- 意識的に深呼吸をする
- 瞑想をする
- 心地よい音楽を聴く
- 好きな香りのアロマオイルを焚く
また、 38~40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりとつかると、筋肉や神経がほぐれ、リラックス効果が得られるのでおすすめです。
4. すり鉢毛穴ができてしまったら
すり鉢毛穴ができないように頑張って対策したけれど、それでもできてしまった場合、どのようにしたらよいのでしょうか。
肌が生まれ変わるサイクルを整える
すり鉢毛穴ができてしまったら、肌のターンオーバーのサイクルを正常に整えることが重要です。ターンオーバーの周期は部位によって異なりますが、一般的には20代で約28日程度とされ、年齢が上がるにつれ期間が長くなってきます。
しかし、紫外線や肌の乾燥、不適切な洗顔などが原因で、このサイクルが乱れることがあります。そこで、紫外線対策に加えて見直したいのが、洗顔方法や保湿ケアです。
ゴシゴシ洗ったり、強い洗顔料やピーリング剤を頻繁に使ったり、1日に何度も洗顔すると、必要な皮脂まで洗い流してしまい、肌のバリア機能が低下してターンオーバーの乱れにつながります。
洗顔の際は、ぬるま湯で洗顔料をしっかり泡立て、こすらずやさしく洗うように心がけ、洗顔後はすぐに保湿をして乾燥を防ぎ、ターンオーバーの乱れを整えましょう。
<肌の生まれ変わりをスムーズにするポイント>
- 紫外線対策:日焼け止めや日傘を活用する。
- 保湿ケア:乾燥を防ぎ、肌のバリア機能を守る。
- やさしい洗顔:肌に負担をかけない洗顔料を使い、ゴシゴシこすらずやさしく洗う。
また、ターンオーバーの乱れは、食生活の影響も受けます。肌の細胞をつくる材料となるたんぱく質(大豆、魚、肉など)や肌の代謝をサポートするビタミン・ミネラル(野菜、海藻、キノコ類など)など、スキンケアと食生活の両面からアプローチし、健康的なターンオーバーを維持しましょう。
毛穴ケアを行う
すり鉢毛穴の主な原因は皮脂の過剰分泌です。皮脂を抑えるケアに力を入れ、毛穴の目立ちにくい肌を目指しましょう。
日中は、余分な皮脂をティッシュなどでやさしくオフし、帰宅したらクレンジングや洗顔で毛穴の汚れをしっかり落として、肌を清潔に保つことが基本のケアになります。洗顔前に3分ほど蒸しタオルを顔に当てると、毛穴が開き、汚れが落ちやすくなるので試してみてください。
また、洗顔時は細かい泡をつくることがポイント。泡がクッションの役割を果たし、肌への摩擦を軽減できます。肌を強くこすったり、爪や指で無理に角栓を押し出したりするのはNGです。
ただし、余分な皮脂を気にしすぎて、皮脂を頻繁にティッシュでオフしたり、洗顔し過ぎたりすると、肌が乾燥してしまうので注意。乾燥から肌を守るために、逆に皮脂の過剰分泌につながります。保湿ケアを重視し、肌を乾燥させないようにしましょう。
さらに肌の皮脂バランスを整え、引き締め効果が期待できるビタミンC誘導体や、ターンオーバーをサポートし、毛穴詰まりを防いでなめらかな肌へ導くレチノール(ビタミンAの一種)を配合したスキンケアアイテムを取り入れるのもおすすめです。ただし、レチノールは刺激が強い成分のため、初めて使用する際は濃度の低いものから試すようにしましょう。
皮膚科へ相談
セルフケアを続けてもすり鉢毛穴が改善せず、悩んでいる場合は、皮膚科に相談するのもよいでしょう。特に毛穴が深く凹んでいたり、赤みや炎症をともなっている場合は、放置せずに早めの受診をおすすめします。医療機関では、専門的なアプローチで改善を目指せることもあります。
5. まとめ
すり鉢毛穴を防ぐためには、過剰な皮脂を抑えるだけでなく、適切なスキンケアや生活習慣を心がけ、肌のバリア機能をすこやかに保つことが大切です。正しいスキンケアに加え、紫外線対策・生活習慣の改善などを総合的に行うことで、トラブルを防げる可能性があります。すでに毛穴トラブルに悩んでいる方も、できることから始め、すこやかでキレイな肌を目指しましょう。