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 1. 脂性肌とは? 


脂性肌(オイリー肌)とは、皮脂の分泌が活発で肌がベタつきやすく、テカリや毛穴の開きが気になりやすい肌質のことを指します。特にTゾーン(おでこや鼻まわり)は皮脂の分泌が多く、時間が経つとメイクが崩れやすくなるのが特徴です。

肌質は大きく分けて「普通肌」「乾燥肌」「脂性肌」「混合肌」の4種類に分類されますが、脂性肌と間違えやすい肌質の一つに、混合肌(インナードライ)があります。

脂性肌と混合肌は、全体的に皮脂が目立つのか、部分的に目立つのかの大きな違いがあります。脂性肌は、顔全体が皮脂でベタつきやすく、特にTゾーンのテカリが目立ちます。また、ニキビができやすい特徴があります。

混合肌もTゾーンの皮脂は多いですが、頬や口まわりは乾燥しがちです。肌の内側が乾燥し、皮脂の分泌が過剰になることもあります。このような肌の状態を「インナードライ」といいます。

脂性肌だと思っていても、実はインナードライが原因で皮脂が過剰に分泌されているケースもあります。自分の肌質を正しく見極めることが、適切なスキンケアの第一歩です。


 2. 脂性肌になる原因 

生まれつきの体質だけでなく、生活習慣やスキンケアの影響で脂性肌になることがあります。皮脂が過剰に分泌される原因を知り、適切な対策をとるようにしましょう。

遺伝

脂性肌は、遺伝的な要因が関係しています。両親のどちらか、または両方が脂性肌の場合、皮脂腺の働きが活発になりやすく、生まれつき皮脂の分泌量が多い傾向があります。また、肌の水分保持力も遺伝の影響を受けるため、水分量が少なく皮脂の分泌が過剰になりやすい体質の人もいます。

特に、皮脂腺が大きく皮脂を多く分泌するタイプの人は、遺伝的に脂性肌になりやすいといわれています。そのため、同じ環境で過ごしていても、脂性肌になりやすい人とそうでない人がいるのは、こうした遺伝的な肌質の違いによるものです。遺伝が関係している場合でも、適切なスキンケアや生活習慣の改善によって、皮脂の過剰分泌を抑えることは可能です。

生活習慣の乱れ

脂っこい食事や糖質の多い食品を過剰に摂取すると、皮脂の分泌が増加することがあります。また、睡眠不足やストレスが続くと、自律神経が乱れ、皮脂の分泌をコントロールする機能が低下し、結果として肌がベタつきやすくなります。特に、不規則な生活や偏った食生活を続けていると、肌の水分と油分のバランスが崩れ、皮脂の過剰分泌につながることがあります。

ホルモンバランスの乱れ

皮脂の分泌はホルモンの影響を強く受けます。特に、男性ホルモン(テストステロン)は皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を増やす作用があります。思春期にニキビが増えやすいのも、このホルモンの影響によるものです。また、女性の場合は生理前や妊娠中、更年期などでホルモンバランスが乱れると、一時的に皮脂の分泌が増えることがあります。ストレスや過労もホルモンバランスを乱す原因となるため、規則正しい生活を意識することが大切です。

誤ったスキンケア

「脂性肌=とにかく皮脂を落とすことが大切」と思っている方も多いのではないでしょうか。洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使いすぎると、必要な皮脂まで奪われ、肌が乾燥してしまいます。すると、肌は乾燥を防ごうとしてさらに皮脂を分泌し、結果的にテカリやベタつきが悪化してしまうことも。

また、面倒だからと化粧水をつけるのをサボってしまったり、肌がベタベタするのが嫌だからと乳液を避けるなど、保湿を十分に行わないスキンケアも脂性肌を悪化させる原因になります。適度な洗浄と、十分な保湿のバランスを取ることが重要です。

さらに、紫外線対策をしないことも脂性肌を悪化させる原因になります。紫外線を浴びると肌の水分が奪われ、乾燥を引き起こし、それを補おうと皮脂が過剰に分泌されてしまいます。 紫外線は一年中降り注いでいるため、外出する際は必ず日焼け止めを塗るようにしましょう。また365日、日焼け止めを塗るだけでなく、UVカット効果のある帽子や日傘などを活用して、紫外線から肌を守ることが大切です。

 3. 脂性肌向けスキンケアアイテムの選び方 

脂性肌のスキンケアでは、「余分な皮脂や汚れをしっかり落としつつ、必要なうるおいはキープすること」が重要です。前述のとおり、皮脂を落とし過ぎると肌が乾燥し、それを補おうとしてさらに皮脂が過剰に分泌される悪循環に陥ってしまいます。そこで、クレンジングや洗顔料はきちんと汚れは落としつつも、肌に必要な水分を奪いすぎないものを選ぶのがポイントです。

ここからは、脂性肌に適したクレンジング、洗顔、保湿、スペシャルケアの選び方を詳しく解説します。

クレンジング

脂性肌のクレンジング選びで大切なのは、余分な皮脂や汚れはしっかり落としつつ、肌に必要な皮脂は残すことです。洗浄力が強すぎるクレンジングを使うと、肌が乾燥し、それを補おうとして逆に皮脂の分泌が増えてしまうため、肌に負担をかけず、適度な洗浄力を持つクレンジングを選びましょう。脂性肌には、肌にやさしく、潤いを残しつつもすべすべに洗い上げるタイプタイプのクレンジングオイルがおすすめです。

一見、脂性肌にオイルを使うことに疑問を感じるかもしれませんが、実は「油は油で落とす」という原理が効果的に働きます。クレンジングオイルは「親油性」と「親水性」の両方の性質を持っており、メイクや余分な皮脂をしっかり吸着して浮かせることができます。

特に脂性肌の方は毛穴に詰まった皮脂や汚れが多いため、それらを溶かして取り除くクレンジングオイルの効果が高いのです。さらに、良質なクレンジングオイルは洗い流す際に余分な油分だけを取り除き、肌に必要なうるおいは残してくれるため、過剰な皮脂分泌を抑制する効果も期待できます。

マイルドクレンジング オイル

120mL1,870円(税込)

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洗顔

脂性肌には、不要な皮脂や汚れをしっかり落としつつ、肌に負担をかけない洗顔料を使うことが重要です。洗顔料の選び方で大切なのは、過剰に皮脂を取りすぎないこと。皮脂を適度に取り除き、肌のうるおいを守りながら、清潔な状態を保つことが脂性肌のスキンケアの基本です。

特におすすめなのは、パウダー状の酵素洗顔料です。皮脂や毛穴の汚れ、古い角層を分解して取り除く効果があるため、毛穴のつまりを防ぎ、ニキビ予防にもつながります。

また、ジェルタイプやリキッドタイプの洗顔料もおすすめです。さっぱりとした使用感で、余分な皮脂を落としながら肌に必要なうるおいを残してくれるため、乾燥しにくく、肌をすこやかに保つことができます。部分的な乾燥が気になる場合は、過剰な洗浄力を避けるため、練状タイプややさしい石けんを使うのも良いでしょう。脂性肌にとって大切なのは、洗顔後に肌がつっぱらず、適切なうるおいを保つことです。自分の肌の状態に合った洗顔料を選んで、皮脂の過剰分泌を防ぎつつ清潔な肌を保ちましょう。

ディープクリア洗顔パウダー

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保湿

脂性肌の保湿ケアでは、「皮脂を抑える=保湿をしない」という間違った認識を持たないことが大切です。肌が乾燥すると水分を補おうと過剰に皮脂が分泌されてしまいます。適切な保湿が脂性肌のテカリやベタつきを防ぐ鍵となります。水分と油分のバランスを整え、毛穴を引きしめる効果のあるアイテムを選びましょう。

また、脂性肌は肌の水分量をしっかりキープしつつ、余分な皮脂の分泌を抑えて毛穴を引きしめてくれるアイテムがおすすめです。収れん効果のある化粧水や美容液を取り入れることで、毛穴をキュッと引き締め、皮脂が過剰に分泌されるのを防ぐことができます。

脂性肌の保湿は基本的に乳液までで十分ですが、乾燥が気になる場合やエイジングケアを取り入れたい場合は、クリームをプラスしてもOK。ただし、油分が多いと皮脂と混ざって毛穴詰まりやテカリの原因になるため、軽めのテクスチャーで保湿効果の高いアイテムを選ぶことが大切です。

スペシャルケア

脂性肌のスキンケアでは、毎日の基本ケアに加え、毛穴の汚れや黒ずみ、角栓をしっかり除去するスペシャルケアを取り入れることがおすすめです。皮脂が多い肌は、毛穴に汚れが詰まりやすく、放置すると角栓や黒ずみの原因になります。そのため、通常の洗顔だけでは落としきれない汚れをオフできるアイテムを使い、週に2〜3回のケアを習慣にしましょう。

 4. 脂性肌のスキンケアで意識するポイント 

脂性肌のスキンケアでは、「余分な皮脂を落とすこと」と「必要なうるおいを補うこと」のバランスが重要です。皮脂が多いからといって洗いすぎたり、保湿を怠ったりすると、肌は乾燥を補おうとしてさらに皮脂を分泌し、逆にテカリや毛穴詰まりを悪化させてしまいます。また、紫外線は皮脂の酸化や毛穴の開き、肌トラブルの原因になるため、一年を通しての紫外線対策も欠かせません。
ここでは、脂性肌のスキンケアで特に意識したい3つのポイントを解説します。

不要な皮脂をしっかり落とす

脂性肌のスキンケアでは、余分な皮脂を適切に取り除くことが重要です。皮脂が毛穴に詰まると、酸化して黒ずみの原因になったり、アクネ菌が繁殖しやすくなりニキビを引き起こしたりする可能性があります。そのため、クレンジングと洗顔を丁寧におこない、肌を清潔に保つようにしましょう。

クレンジングは、皮脂を落としすぎず、肌のバリア機能を守るものを選びましょう。

洗顔は、しっかり泡立てたキメの細かい泡でやさしく洗うことが大切です。ゴシゴシこすらず、泡をクッションにして汚れを浮かせるように洗いましょう。また、熱いお湯で洗うと必要な皮脂まで落としてしまい、肌が乾燥して皮脂の過剰分泌につながるため、ぬるま湯(30〜35℃程度)で洗い流すのが理想的です。

また、クレンジングや洗顔料には界面活性剤が含まれていることが多く、これが皮脂やメイク汚れを落とす役割を果たします。ただし、洗浄力の強すぎる界面活性剤は、必要な皮脂まで奪い、肌を乾燥させてしまう可能性があるため注意が必要です。脂性肌向けのスキンケアでは、マイルドな界面活性剤が配合されたアイテムや、アミノ酸系・酵素系の洗顔料を選ぶと、肌に負担をかけずに汚れをしっかり落とせます。

保湿はしっかりと行う

脂性肌の方は「テカリが気になるから保湿は控えめにしたほうがいいのでは?」と思いがちですが、それは大きな間違いです。肌が乾燥すると、水分を補おうと余計に皮脂が分泌されてしまうため、しっかり保湿することが大切です。適切な保湿を行うことで、皮脂と水分のバランスが整い、テカリやベタつきを抑えることができます。

化粧水は、肌の水分補給のために欠かせません。適量の目安は、化粧水にもよりますが、100円玉から500円玉大程度です。メーカー推奨量を守りましょう。1回でつけるのではなく、2〜3回に分けて重ねづけするとより浸透しやすくなります。 しっかりと水分を補給することで、肌のキメが整い、皮脂の過剰分泌を抑えることができます。

化粧水の後は、適度な油分でフタをして水分が蒸発しないようにします。脂性肌の方も乳液を使うようにしましょう。ただ、乳液の選び方を間違えるとベタつきの原因になります。軽めのテクスチャーで、油分が少なく、水分を補いながら皮脂バランスを整えられるタイプを選びましょう。

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乳液もメーカー推奨の量を守って使いましょう。手のひらで軽く温めてからやさしくなじませるとムラなく均一に塗ることができます。特に、テカリが気になるTゾーン(額や鼻)には、手に残った乳液を軽く押さえるようにつけるだけで十分です。

365日紫外線対策を行う

紫外線対策は夏だけでなく、一年をとおして行うことが脂性肌のケアにもつながります。 紫外線を浴びると肌の水分が奪われ、乾燥を防ぐために皮脂が過剰に分泌されるため、紫外線を防ぐことはテカリやベタつきを抑えるためにも重要です。また、紫外線は毛穴の開きや黒ずみ、肌の老化を進行させる原因にもなるため、毎日の紫外線対策を習慣にしましょう。

脂性肌の方は、さらっとした使用感のジェルタイプや乳液タイプ、皮脂をコントロールする効果のある日焼け止めを選ぶと快適に使えます。また、こまめに塗り直すことで紫外線の影響を防ぎやすくなります。特に、SPF30〜50、PA+++以上のものを選ぶと、しっかり紫外線を防げるのでおすすめです。

また、日焼け止めだけでなく、UVカット機能のある帽子や日傘を活用して外出時の紫外線をブロックしましょう。さらにサングラスを着用して目から入る紫外線を防ぐことで、肌への負担を減らし、テカリや毛穴トラブルを防ぐことができます。

 5. 脂性肌の人がスキンケア以外で気をつけたいこと 

スキンケアはもちろん大切ですが、脂性肌を根本から改善するためには、生活習慣も見直すことが重要です。ここでは脂性肌の方がスキンケア以外で気をつけたいことをご紹介します。

バランスのとれた食事をとる

食生活は肌の状態に大きく影響します。脂質や糖質の摂りすぎは皮脂分泌を過剰にし、テカリやニキビの原因になるため、バランスの良い食事を意識することが大切です。 特に、ビタミンB群や食物繊維が豊富な食材を積極的に摂ることで、皮脂バランスを整えやすくなります。

例えば、ビタミンB2やB6が豊富なレバー、卵、納豆、緑黄色野菜は皮脂の分泌をコントロールしてくれます。また、腸内環境を整える食物繊維が豊富な玄米や海藻類、発酵食品を取り入れるのもおすすめです。一方で、揚げ物やスナック菓子、甘い飲み物などの脂質・糖質が多い食品の摂りすぎには注意しましょう。

質の良い睡眠をとる

睡眠はホルモンバランスや自律神経の働きと深く関わっており、肌のターンオーバーにも大きな影響を与えます。 特に、成長ホルモンが分泌される睡眠のゴールデンタイム(入眠後3~4時間)に質の良い睡眠をとることで、皮脂の過剰分泌を抑え、肌のキメを整える助けになります。

一方で、睡眠不足が続くとホルモンバランスが乱れ、皮脂の分泌が増えてテカリや毛穴詰まり、ニキビなどの肌トラブルを引き起こしやすくなります。 質の良い睡眠をとるためには、寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を控える、就寝1~2時間前にぬるめのお風呂に入る、カフェインの摂取を控えるなど、リラックスできる環境を整えることが重要です。肌を内側からすこやかに保つためにも、十分な睡眠を確保し、生活リズムを整えましょう。

ストレスを溜めない

ストレスの蓄積は、ホルモンバランスを乱し、皮脂の過剰分泌を引き起こす要因のひとつです。 仕事や人間関係のストレスが続くと、自律神経が乱れ、肌のターンオーバーが正常におこなわれなくなり、テカリや毛穴詰まり、ニキビなどの肌トラブルにつながることもあります。

適度にストレスを発散することは、健康な肌を保つためにも重要です。 軽い運動やストレッチを取り入れたり、入浴やアロマでリラックスする時間をつくったり、好きな音楽を聴いたり趣味を楽しんだりすることが、ストレスを軽減し、心身のバランスを整える助けになります。

 6. まとめ 

脂性肌を健やかに保つためには、スキンケアだけでなく、生活習慣の見直しも大切です。毎日の正しいケアを続けることで、皮脂バランスが整い、テカリや毛穴トラブルの少ないクリアな肌へと近づきます。小さな積み重ねが、美肌を育てるカギ。まずは今日から、自分の肌に合ったスキンケアと生活習慣を取り入れて、理想の肌を目指してみませんか?

監修飯塚 美香(いいつか みか) 美容家

メイク本「45歳から始める10歳若見えメイク」の著者。コスメコンシェルジュ、美容薬学、薬膳マイスター、ダイエットインストラクター等数々の美容資格を生かし、神奈川県内のカルチャーセンターをはじめ、全国各地でセミナー・講座を開催。また、美容メディア「キレイナビ」を運営する他、通販番組出演、化粧品プロデュースなど美容家として幅広く活動中。

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