【ビタミンA】の働きを徹底解説! 不足するとどうなる? 食べ物から摂るには?

【ビタミンA】の働きを徹底解説! 不足するとどうなる? 食べ物から摂るには?
ビタミンやミネラルなどの栄養素は、ヘルシーな毎日を過ごすための欠かせない成分です。でも、体のなかでどのような働きをしているのかピンとこないという人も多いよう。そこで、おなじみの栄養素について分かりやすくご紹介します。今回はビタミンAを取り上げます。
2021.4.1
【ビタミンA】の基本的な特長と大事な働き3つ

ビタミンAは脂溶性ビタミンの一つ。脂溶性のため体内にとどまりやすいビタミンで、細胞の内側に入っていって働きます。ビタミンAのおもな働きは次の3つです。
- 細胞の増殖をコントロールし、皮膚や粘膜などの代謝を正常に保つ
- 免疫力を保つ
- 薄暗い場所での視力の維持をサポートする
もう少し簡単に説明すると、皮膚や粘膜の材料や、免疫細胞の材料を作り出しているのがビタミンAの働きといえます。細胞の増殖や分化に関わるという意味では指揮者、免疫に関わるという意味では戦士をイメージするといいかもしれませんね。
【ビタミンA】が不足するとどうなるの?
ビタミンA不足の症状は、主に皮膚、目、粘膜にあらわれます。
皮膚の場合は・・・・・・
肌が乾燥する/かかとがガサガサする/魚の目ができやすい、など。
目の場合は・・・・・・
ドライアイ/充血しやすい、など。
粘膜の場合は・・・・・・
鼻の中や唇の乾燥/風邪をひきやすい/ドライマウス/喉や胃腸が弱い、など。
ほかにも、髪がパサつく、油物が苦手、などもビタミンA不足の症状です。ビタミンAは肝臓に貯蔵しておくことができるので、極端に不足するものではありませんが、だからといって摂りすぎないようにしましょう。
カロテンと【ビタミンA】は同じモノ? 違うモノ?
カロテンとはカロテノイドの一種。カロテノイドの一部の種類は、体内でビタミンAに変換されるので、仲間のような栄養素と言えます。
カロテノイドの代表的なものには、αカロテン、βカロテン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、β-クリプトキサンチンなどがあります。体内でビタミンAとして使われる効力が高いのはβカロテンです。
βカロテンは体内に取り込まれたあとに必要なだけビタミンAに変換されますが、ビタミンAに変換されなかったβカロテンは、抗酸化や免疫賦活として働くといわれています。また、体内でのβカロテンからビタミンAへの変換率は約50%といわれています。
【ビタミンA】が多く含まれる食べ物は?
ビタミンAを多く含むのは動物性の食べ物です。
<代表例>
豚レバー、鶏レバー、あん肝、うなぎ、いくら、銀たら、卵(卵黄)、牛乳、プロセスチーズ、バター、など
βカロテンを多く含むのは植物性の食べ物です。緑黄色野菜などもそうですね。
<代表例>
かぼちゃ、人参、にら、春菊、もろへいや、すいか、マンゴー、びわ、芽キャベツ、など
【ビタミンA】と相性がいい栄養素や、一緒に働く栄養素は?
ビタミンAとセットで働く栄養素や、ビタミンAの吸収をよくしてくれる栄養素があります。ビタミンAを効率的に使うために、組み合わせを意識してみましょう。
- 亜鉛とタンパク質
体内でビタミンAを運ぶとき、ビタミンAを運搬する専用のタンパク質があります。この運搬係をつくるためには、亜鉛とタンパク質が必要です。ビタミンAだけ摂取しても、亜鉛とタンパク質が不足していると、体内でビタミンAがうまく運搬されないということになってしまいます。 - 脂質
ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、油と一緒にとることで吸収がよくなります。とくにβカロテンは油なしでは吸収が悪くなる性質があります。βカロテンを含む食べ物(たとえばカボチャなど)はオイルを含むドレッシングをかけると、吸収がされやすくなります。 - ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群のひとつです。ビタミンAは体内でレチノール→レチナール→レチノイン酸、と変化してそれぞれが体内で働いています。変化するときに必要なのがナイアシン。ナイアシンが不足すると、体内にあるビタミンAの利用効率がダウンします。

監修/管理栄養士・分子栄養学カウンセラー
篠塚明日香さん
栄養学をベースに、分子栄養学や中医学の知識も豊富。栄養や食事、サプリメントの取り入れ方を分かりやすく解説する栄養セミナーも開催する。