ヘルスケア特集 ヘルスケア

目、脳、体を動かして元気をアップデート!

最近ぼんやりすることが増えた、いまひとつ元気が出ない...。そう感じていたら、活動量不足かもしれません。目と脳、筋肉は密接に関係し、この3つを意識して動かすことで相乗的に健康を保つことができます。まずは好奇心をもってしっかり「見る」ことで、脳が活性化。さらに「歩いて」体を動かすことで、脳が新鮮な刺激を受けて気持ちも前向きに。今回は、人間の基本動作である「見る」「考える」「歩く」力を養うちょっとしたコツをご紹介。室内でのウォーミングアップを試したら、外に出かけて、新鮮な空気や景色を楽しみながら実践してみてください。

01.「見る」✕「考える」・・・眼トレで目と脳をリフレッシュ

監修本部 千博(ほんべ かずひろ)先生 眼科・統合医療ほんべクリニック院長。日本ホリスティック医学協会顧問。「近視は治せる病気である」をモットーに、独自の視力回復法により子どもたちの近視化予防や老眼の進行防止に力を注ぐ。

目の健康は全身から

パソコン作業などによる目の疲労感や、目のピント調節機能の衰えは、慢性的な血流不足によっても促進されます。血流改善には目のまわりの筋肉をストレッチし、コリをほぐすのが効果的です。また全身の血流や見るときの姿勢も深くかかわっています。 作業中は姿勢を伸ばし、座りっぱなしではなく適度に立つ、歩くなどを意識して体を動かしましょう。

意識して見ることが大切

人は情報の8割を目から得ているといわれ、目が受け取った刺激を脳が情報として処理しています。視野が狭いと受け取る情報量も少なくなり、脳の働きも弱くなってしまいます。目と脳の機能を向上させるには、同時に鍛えることがポイント。ボンヤリとものを見るのではなく、何が見えるのかをきちんと意識すること、そして「見たい」という好奇心を常にもち続けることが肝心です。

お出かけは眼トレのチャンス!

目の健康にとって被写体との距離も重要で、近くを見る時間が長いほど目に負担がかかります。お出かけは、視野を広げる絶好のチャンス。遠くの景色にも目を向け、バランス良く見るよう心がけましょう。また、電車に乗ったら車窓を流れる景色を目で追ってみてください。楽しみながら目の筋肉を動かすトレーニングになります。

室内で実践! 写真を見るだけカンタン眼トレ

写真を見るだけでできる、目のトレーニング。頭は動かさず、ゆっくりと目だけを動かして行いましょう。

 目の筋肉をほぐす 
滝や岩肌、ボートなどの輪郭を目でなぞります。眼球を動かす筋肉をほぐして血流を良くしましょう。ほっとする美しい写真は目の緊張をほぐす効果もあります。



 視野を広げる 
下の写真のサクランボの数字を、1から13の順に目で追います。目のまわりの筋肉をほぐして視野を広げましょう。



 ピントを調節する 
下の写真の手前の牛と奥の風景を交互に見て、ピント調節の筋肉をストレッチ。遠くを意識できるようになることが大事です。


02.「見る」✕「考える」✕「歩く」・・・お出かけで脳がイキイキ!

監修加藤 俊徳(かとう としのり)先生 脳内科医、医学博士、加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。話題の脳番地トレーニングの提唱者で「脳習慣」「脳貯金」など新用語を生み出す。『最強のウォーキング脳』(時事通信出版局)ほか著書多数。TV、ラジオなど多方面で活躍中。

脳のメカニズムを知って脳を育てよう

脳は使い方次第で一生涯成長し続ける器官。領域によって機能が異なり、8つの「脳番地」に分類されます。よく使う機能は活発に成長し、連携することで強化。逆に使わない機能は衰えてしまうので、多様性のある生活を心がけ、脳をまんべんなく使うことが大切です。それには、自分が楽しいと思える新鮮な体験を日々積み重ねること。ポジティブ思考が、脳を若々しく保つ秘訣です。


脳を鍛えるポイントは脱マンネリ化

中高年になると、日々の生活が安定する一方、マンネリ化しがちに。毎日同じような行動を繰り返していると、脳が楽をして活発に働かなくなり、老化へとつながります。 運動不足も、脳の刺激不足を引き起こす一因に。
外に出かけて歩くことで、主に運動系と視覚系の脳を使います。2つが連携すると、その間をつなぐ理解系脳番地も強化。理解系脳番地とは、見聞きして得た情報を分析・理解する、脳のパフォーマンス維持に欠かせない機能です。
いつものお散歩に好奇心を刺激させる工夫をほんの少しプラスするだけで、より脳を活性化させることができます。


自分の街を冒険しよう! ご近所ワクワク散歩

 古地図でタイムトリップ 
いつもの道も古地図やアプリを使って照らし合わせれば、タイムトリップ散歩に早変わり。江戸時代はここに池があったんだ、など興味や発見も生まれ、知的好奇心も満たされます

 未知の通りで新発見!? 
普段同じ道を歩いていると何も考えなくても目的地に着くことができます。が、あえて知らない道を歩くことで、新鮮な情報が次々と目に入り、緊張感も生まれて脳が刺激されます

 好きなテーマでプチ探索 
目的をもって歩くことで、注意深く見ることになり脳が強化。例えば、赤いものを見つける、個性的な看板を探すなど毎回違うテーマを設ければ、見慣れた景色も違って見えるはず


03.「考える」✕「歩く」・・・正しい姿勢でラクラク散歩♪

監修田中 尚喜(たなか なおき)先生 理学療法士(運動器専門理学療法士)。東京厚生年金病院(現・JCHO東京新宿メディカルセンター)リハビリテーション室 リハビリテーション士長。著書『百歳まで歩く』(幻冬舎)は20万部を突破。

散歩で体のメンテナンス

歩くという行為は、全身の筋肉をバランス良く使う効率の良い運動。筋肉を鍛えると同時に脳に刺激を与え、体全体をメンテナンスすることができます。 筋肉は蓄えておけないため、こまめに歩くことが大切です。

歩く基本は正しい姿勢から

歩くとすぐに疲れるという人は、大股で歩いていませんか? 歩くコツは小股でゆっくりが基本。またお尻の筋肉を意識して、まっすぐに立つことが大切です。歩くときには、体の後ろ側の筋肉(下図)が重要です。これらは疲れにくい体をつくる「遅筋」の割合が多い箇所。適度な歩幅で遅筋を使うことで、ひざへの負担も少なく、楽に歩くことが可能に。「姿勢」と「歩き方」を見直すだけで、将来の歩行や自立にも差が出ます。



 スムーズに歩くコツ 
おなかを前に押し出すイメージで歩き始め、反動で片方の脚が自然に前に出たら、かかとから着地。下図1-4の順で足裏全体を使って前に進むことを意識しながら体重移動をしましょう。足裏には、メカノレセプターという感覚センサーがあり、刺激することで多くの筋肉の活動量が上昇します



 室内で実践!後ろ向き歩きトレーニング 
散歩ができない日におすすめのトレーニング。1分間を目安に1日約10回ほど行えば、歩行にかかわる4つの筋肉が鍛えらます。また、ぞうきん掛けをすると、正しい姿勢を導く多裂筋のトレーニングになります。

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