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■ 夏の食事は「糖質」に要注意!

「朝から強い太陽光で体がだるく、日中は食欲が湧かない。夜涼しくなって体が落ち着いてきたらおなかが空いてきて、喉ごしの良い麺類や清涼飲料水をつい多めに摂ってしまう」。これは夏の食生活にありがちなスタイルです。ごはんや麺などの主食、ビールやアイスは糖質が多く、食べると血糖値が急上昇。するとインスリンというホルモンが体内で大量に分泌されます。インスリンには血中の糖分を脂肪に変えて体に溜め込む働きがあります。外気温の高い夏は基礎代謝も下がるので、より注意が必要です。


■ OK・NGの糖を知りできるだけ日中に摂る

糖質は、脳や体を動かす大事なエネルギー源ですから、健康を保つためにも適量摂ることが求められます。とはいえ、摂りすぎは健康や美容にも大敵。上手に糖質を摂り入れて血糖値の急上昇を抑えるには、糖質の種類を知ることが大事なのです。推奨したいOKな糖は、糖質だけでなく食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを含む野菜や果物です。NGな糖は精製された「白砂糖」や加工食品によく使われる「果糖ブドウ糖液糖」。これらは血糖値を急上昇させるので要注意です。
糖質を摂るのは、食べた後のエネルギー消費が期待できる朝から15時頃までがおすすめです。単体で食べず、ごはんならおかずと、ケーキなら豆乳ラテとなど、同時にほかの栄養素も摂るようにしましょう。気をつけたいのが空腹時に食事を摂ると、血糖値が上がりやすいため、食前にトマトジュースや豆乳などを飲んで空腹感を落ち着かせるのがコツです。


1日の糖質摂取量の目安は?

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)では、1日に必要なエネルギー量の50〜65%を糖質から摂ることが望ましいと示しています。体つきや身体活動レベルで多少の差があるので、下記の2パターンから自分に合う量を考えましょう。ごはん(白米)1杯(約150g)当たりの糖質は約50gなので、ごはんに換算するとイメージしやすいです。摂取目安量はあくまでも参考に、いつもより活動する日にはやや多め、動かない日は控えめにし、摂りすぎたときには翌日や数日の間に調整するなど、生活に合わせ無理のない範囲で調整するのがおすすめです。

夏の食材・料理の糖質量は角砂糖何個分?

普段何気なく口にしている食材や料理、特に夏に食べたくなるものには、思っている以上の糖質が含まれています。角砂糖(1個約3g)に換算するとすごい量に...。食べすぎに注意しつつ、ビールのおつまみには枝豆や野菜スティックを選んだり、冷やし中華は野菜から食べたり、そうめんにも野菜をトッピングするなど、食べ方にも気をつけましょう。

実は夏の食生活は糖質だらけ!?

暑い日の食事は、簡単で喉ごしの良い冷たいものを求めがち。このような食事を続けていると糖質はすごい量になります。ポイントは食材選び。改善案を参考に食生活を見直しましょう。

朝の改善案

パンは甘くない「ハムレタスサンドイッチ1パック(22.3g)」にしてたんぱく質や野菜も摂れるように。果物はビタミン、食物繊維を含み糖質控えめの「キウイ1個(7.6g)」、ドリンクは「豆乳200ml(5.8g)」をプラスするなど、手軽にたんぱく質を補給。


昼の改善案

麺類なら「そば(生)100g(48.5g)+めんつゆ(2g)」にすると同じ量でも糖質が抑えられます。サラダそば、月見わかめそばなど具だくさんのメニューを選んだり、納豆をかけて具沢山にすると、たんぱく質や食物繊維がプラスできて栄養バランスが良くなります。食後のドリンクは「無糖カプチーノ350ml(9.4g)」やブラックコーヒーなどに変えると良いでしょう。


おやつの改善案

口をさっぱりさせる「プレーンヨーグルト150g(7.4g)」に「冷凍ブルーベリー20g(2.7g)」をトッピングしてビタミン補給。


夜の改善案

夜は、肉や魚からたんぱく質、野菜からビタミンなど、体をメンテナンスする栄養素をしっかりと補給しましょう。メニューは丼ものよりも「ごはん茶碗1杯、和風ハンバーグ、厚焼き卵、ごぼうサラダ(計85.8g)」のような定食形式がおすすめ。お酒は糖質がほぼ含まれない蒸留酒を使った「ハイボール(0g)」を。


夜食の改善案

糖分たっぷりのものは夜は控えめに。どうしても甘いものが欲しいときには「冷凍マンゴー60g(10.1g)」など手軽に摂れて少量でも満足感の高いフルーツで、糖分は控えめにビタミン補給。

糖質は控えめにしつつ、たんぱく質やビタミンは積極的に摂って栄養バランスを良好に。糖質を摂りすぎたときは下記のリセットフードや低糖質なもやし、豆腐、きのこ類などを摂って調整しましょう。

■ 「かくれ糖質」に気をつけて

夏の水分補給に摂りがちなスポーツ飲料は500mlで糖質を25.5g含みます。ふわふわの蒸しパンやノンオイルの青じそドレッシングなども糖質を結構含むので気をつけて。糖質を摂りすぎてしまったと感じたら代謝を助け吸収を緩やかにする下の食品を摂って体内をリセットしましょう。


見えるところに低糖質食品を置く
糖質オフの冷蔵庫で食生活を改善

■ ルールを決めて低糖質食品を取りやすく

リモートワークの増加とともに、家で食事を摂る機会も増えました。自宅で糖質控えめを目指すなら、冷蔵庫に保存する食材から気をつけるのが手。お買い物の際も「このカゴの中身が自分の体をつくる」と考えて、パッケージ裏面の栄養成分表示なども確認し購入しましょう。糖質や脂質は控えめに、たんぱく質や食物繊維量を意識してください。糖質オフの冷蔵庫を実現しましょう!

扉は並べ方がカギ
手前は糖質ゼロの炭酸水や低糖質でたんぱく質補給のできる豆乳(①)を並べ、すぐに目につかない奥に甘さ控えめのジュースや好みの飲料を置きます。

栄養補給食材を前面に
いちばん目に入る中段(③)はたんぱく質食材(卵、肉類、魚介類)、その下(④)に手軽に栄養補給できる食材(めかぶ、納豆、ヨーグルト、果物など)をおき、取り出しにくい上段(②)や奥にご褒美スイーツ(低糖質チョコレート、ゼリーなど)をこっそり忍ばせます。野菜室(⑥)は栄養価の高い旬野菜を中心に、低糖質のきのこ類、料理のかさ増しになるキャベツやもやしを常備すると良いでしょう。

小分けして冷凍保存
冷凍室(⑤)には下ごしらえ済み野菜やフルーツ、肉類を保存。一食分ずつ小分けしておくと便利です。食物繊維豊富なもち麦を炊いて製氷皿で冷凍し、ごはんに混ぜて食べるのもおすすめ。

■ 食べたいときの調理テクニック

食べるのを我慢したり量を減らしたりすると、かえってストレスになってしまうことも。15年間ダイエットに失敗して岸村先生がたどり着いた方法は我慢ではなく「ごまかし」。その調理テクニックを教えてもらいました。

● 味の濃いおかずを野菜で薄める
牛丼や豚の角煮など味が濃いものは、ごはんがほしくなりがち。この「ごはん」を野菜に置きかえると◎。例えば、牛丼はごはんを減らして間にキャベツのせん切りを挟む、角煮はレンチンしたもやしや豆腐を合わせるなど、低カロリーなものをプラスすることで糖質オフしながら、満腹感を促します。

● 麺やごはんを半量にして野菜でかさ増し
パスタや中華麺は麺の半量をえのきだけに代え、野菜を数種類入れて具だくさんに。チャーハンもごはんを半量にして、その分粗みじん切りした野菜の具をたっぷり加えると、満足感がありつつも糖質やカロリーが抑えられます。

*食材、料理の糖質量は「八訂 食品成分表 2021」、およびコンビニエンスストア、ファミリーレストラン調べ。(2022年3月時点)

監修岸村 康代 先生 管理栄養士、野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人大人のダイエット研究所代表理事。ストレスなく続く食べ方をテーマにした、新刊『続食べ〜結果が出る食べ方がカンタンに続く方法』「大人のダイエット研究所(https://otona-diet.jp/)」

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