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■ 春バテの大きな原因は気温差とストレス

春は一年で最も寒暖差が大きい季節です。寒暖差に対応するために相当量のエネルギーが消耗され、特に体力のない方は「だるさ」を感じやすくなります。また、春先になると高気圧の合間に低気圧が次々とやってきて、副交感神経が優位に。でも日中は交感神経が働いて活発に生活しているのが通常。自律神経の切りかえがうまくいかず、体がお休みモードのままになってしまう。それが「だるさ」「眠さ」を感じる春バテです。さらに生活の変化などでストレスを感じると、よりバテてしまいます。

まずはできるだけ体力を温存するため、「温活」を生活のルーティンにとり入れ、運動や食生活を整えて基礎体力を上げていきましょう。



低気圧の日は特に注意しましょう!



気圧の低下で空気中の酸素が微妙に薄くなると、副交感神経が働いて体を休めようとします。そのため、妙に眠くなったり、倦怠感を感じたりするようになります。



昔の日本人が春バテ知らずだったのは、動くことが多く筋肉量が一定量あったため、体内で酵素が活発に働く36.5~37℃の平熱(表面温度)を保っていたから。今は暮らしが便利になって日々の活動量が減り、筋肉量も減って誰もが低体温気味に。まずは適正な平熱を保つため、温活習慣を身につけましょう。日々の生活に運動をとり入れることも大切です。

起きぬけに体温を測る

客観的に自分の体を知るには、実測式体温計で朝の体温の変動を知るのが確実です。体温計を45度の角度でワキの下から上へ向けて差し込み、5分ほどかけて正確な「実測体温」を測ることが理想です。35度台の平熱は要注意です。ぜひ温活を始めましょう。

目覚めの一杯を白湯(さゆ)にする

まだ動きが鈍い胃や腸に一杯の白湯を流すことで、体がほんわかあたたまります。白湯の温度は体温よりも高く、心地よく飲めるぐらいが最適。食事の前に飲むことで消化を助け、代謝機能を上げるのにも役立ちます。

朝食は必ず摂り、食事はよく噛んで食べる

食事の後は体温が上がります。さらに体をあたためるには「よく噛んで食べる」ことが大事。一口につき30回が目安です。口のまわりの神経から脳に刺激が伝わって内臓脂肪が燃やされ、体温が上がります。

外出時は大また&早歩きを心がける

体力に余裕がある方は、普段の1.5倍のスピードで大またで歩き、なるべく階段を使うなど、自分にとって少しだけ負荷を掛ける(きつい)運動を心がけ、熱を生む筋肉をつけていきましょう。気軽にコツコツ続けることが大切です。

"3つの首"を冷やさない服装で過ごす

体から熱を逃がさないようにするには、体表面近くを血流の多い動脈が走っている「首」「手首」「足首」を覆うのが効果的。あたたかいからと薄着をしすぎず、スカーフや長袖のトップス、靴下などを身につけましょう。

⾷事にたんぱく質を
積極的にとり⼊れるようにする

三大栄養素の中でも、たんぱく質は熱を生み出す筋肉をつくるために欠かせない成分です。意識して積極的に食事にとり入れるようにしましょう。食事で足りない分は、アミノ酸のサプリメントなどでおぎなう方法もおすすめです。

旬の食材をとり入れ
バランスの良い食事を心がける

旬の食材はおいしいだけでなく、栄養価も高くなっています。基礎体力をつけるには、栄養バランスの良い食事をできるだけ毎日・毎食コツコツと摂るようにしましょう。そして「よく噛み」ましょう!


就寝直前にぬるめのお風呂に20~30分間つかる

38~40℃ぐらいのぬるめのお湯に、肩までじっくりつかって体の芯まであたためると、副交感神経が優位になって眠りの質が高まります。浴室内もしっかりあたためて入るようにしましょう。

⽬もと・⾸もとをあたためて睡眠の質を⾼める

目もとをあたためると動眼神経のスイッチが入り、副交感神経が優位な状態になって眠りやすくなります。また、首もとをあたためると体の中心の熱が手足から逃げやすくなり、寝つきが良くなります。


「温活」で体温を上げることでエネルギーが温存され、代謝と基礎体力が少しずつ上がります。基礎体力を上げて春バテだけでなく、一年中バテ知らずの体を目指しましょう。

監修川嶋 朗 先生 統合医療SDMクリニック院長、神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授。西洋医学と補完代替医療の統合に精通し、自然治癒力を高める方法を提案している。

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