ヘルスケア特集 ヘルスケア

もしかして、あなたも
「無自覚食べ」していない?

暑い夏、こんな食生活していませんか?
まずはチェックしてみてください。

ひとつでも心当たりがあるなら、あなたも「無自覚食べ」をしている可能性が大。「無自覚食べ」とは、暑くて食欲が湧かないからと喉ごしの良い食事に偏ったり、アイスや冷たく甘い飲み物につい手が伸びてしまうなど、栄養面をあまり考えずに飲食してしまう食生活のこと。そんな毎日を続けていると、待っているのは体重オーバーの悲劇! 今からしっかり見直していきましょう。


なぜぽっこり?
「無自覚食べ」と夏太りの密なる関係

夏にさっぱり済ませたいときの食事といえば冷たいそうめんやうどん、そば。そして暑いときに口にしたくなるものの定番といえばアイスやビールなどですね。これらはみんな糖質が多く含まれる食品。つまり「無自覚食べ」を続けると糖質を摂り過ぎる一方で、それを体内でエネルギーに変換する際に必要なたんぱく質やビタミン・ミネラルが不足。余った分だけ体にどんどん溜め込んでしまうことになるのです。さらに夏には「無自覚食べ」を加速させる要因が!



■ 夏の「無自覚食べ」を誘う2つの要因

【 1 】栄養バランスの乱れ

上記のように、糖質に偏った食事でたんぱく質やビタミン・ミネラルが不足すると、例えエネルギー量が満たされていても、体は食欲を増進するといわれています。「食欲がないから、食べやすいものを」といった気持ちが、逆に「無自覚食べ」を招く結果に。

【 2 】睡眠不足

熱帯夜などで睡眠不足になったり、睡眠の質が低下すると、食欲を抑えるホルモンが減少して食欲が増進。食べたはずなのに、何か物足りなくて、おやつなどに手が伸びがちに。


上にあげた「無自覚食べ」の要因は、実は基礎代謝の低下の要因でもあります。さらに室内外の気温差ストレスなどによる自律神経の乱れや、夏の暑さで運動量が減ることでも代謝が低下。「無自覚食べ」とダブルで夏太りをエスカレートさせてしまいがちです。


「無自覚食べ」にストップ!
夏の体型キープのカギは、<ちょい>工夫のある食と生活

要因がわかったら早速、対策。スマートな体で夏を乗り切るには、食べる楽しみを我慢するよりも工夫のある食や生活がおすすめ。今すぐとり入れられる対策をご紹介します!

食生活は<ちょい>足し!

夏に不足がちになるたんぱく質やビタミン、ミネラルは食事にちょい足しでカバー。例えばぶっかけうどんに納豆を、サラダにミックスビーンズを加えるなど。


特にビタミンB1は、糖質の代謝にかかわる成分。そうめんなど糖質が多い食事のときは、豚肉などビタミンB1を多く含む食材を積極的にプラスしましょう。

おやつにもちょい足し。例えばドーナツや菓子パンにはたんぱく質の多い牛乳や豆乳を使った飲み物をプラスする、かき氷にはたんぱく質やビタミンB群を含むナッツを散らすなどしていきましょう。

生活スタイルを<ちょい>見直し!

夜中はエアコンを切る人も多いですが、睡眠不足を避けるには我慢は禁物。寝苦しい夜はエアコンをひと晩中つけて快眠の確保を。涼しい寝具を取り入れるなど、寝具を見直すのもおすすめです。また規則正しい生活で自律神経の乱れを防ぐことも心がけてみてください。



基礎代謝を<ちょい>上げ!

夏に低下する代謝は、運動や食事で上げていきましょう。そのためには室内でできる運動を増やす、または朝晩の涼しい時間帯に散歩をするのもおすすめ。入浴時はシャワーで済ませずに湯船につかるのも良い方法です。食事面では、次のような食材を積極的に摂りましょう。

■ 基礎代謝を上げる食品
ビタミンB1、B2といったビタミンB群は糖質の代謝を高めます。また基礎代謝は、筋肉量とも密接に関係。筋肉量を維持するためにもたんぱく質を積極的に摂りましょう。女性の場合は夏に不足するミネラルの中でも特に鉄と亜鉛が不足がちなので、それらも意識してみてください。


●たんぱく質+ビタミンB群+鉄+亜鉛
豚ヒレ肉、牛ヒレ肉、カツオ・マグロ・サバ・イワシなどの赤身魚、ツナ缶、あさり・しじみ・牡蠣などの貝類、卵

●たんぱく質+ビタミンB群+亜鉛
鮭、チーズ

●たんぱく質+ビタミンB群+鉄
枝豆

●たんぱく質+鉄
納豆、厚揚げ、豆乳、油揚げなどの大豆製品

●ビタミンB群+鉄
モロヘイヤ・ほうれん草・水菜などの青菜類


まとめ

あまり考えないで口にしてしまう夏の「無自覚食べ」。しっかり気をつければ、体型をキープしながら溜め込みにくい体づくりもできそうですね。ぜひあなたの毎日に役立てていってください。


監修篠原 絵里佳 さん 管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士、野菜ソムリエプロ、上級睡眠健康指導士。

総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床での経験と抗加齢医学の学びを融合させ、体の中から健康と美しさを作る情報を、わかりやすく発信することを得意とする。日本抗加齢医学会2021年度 褒章制度 メディカルスタッフ賞受賞。食と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱している。現在、医療機関で栄養相談・睡眠相談を担当。

バックナンバー BACK NUMBER

バックナンバー一覧