ヘルスケア特集 ヘルスケア

食生活を見直して今年も元気で健やかに!

健康や病気予防を意識した食事を心がけている方も少なくないでしょう。それはとても良いことですが、そこに"正しい知識"が加われば鬼に金棒。より栄養バランスがとれた食事に変わります。そしてこれが1年、2年と続けば、この差はどんどん大きくなります。
年の初めというこの時季に、いつもの食事を見直して、ビタミン・ミネラルが不足していないか確かめてみましょう。「一年の計は元旦にあり」!



\ちょっと待った!/
汁に溶け出すビタミンに注意!

具材は肉と葉野菜だけでなく、豆腐やきのこをプラスしてバランス良く。豚肉のビタミンB群や、葉野菜に含まれるビタミンCといった水溶性ビタミンは、鍋の汁に溶け出してしまうので、汁ごと摂るのが大事です。野菜を加えても、スープを何杯もお代わりするのは塩分の摂りすぎにつながるので注意しましょう。

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\ちょっと待った!/
いろいろな料理を食べて栄養UP

お正月の保存食として重宝されているおせち。ビタミンは少なめですが、小魚や卵、肉料理が多いので、ミネラルは豊富。まんべんなく食べることを心がけましょう。さらに野菜料理をプラスすると、栄養バランスも◎。

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飲みすぎるとビタミンB群不足に

アルコールの代謝にはビタミンB群がたくさん使われます。野菜や豆腐、ナッツなどのおつまみを添えましょう。「ポリフェノールが豊富で健康に良いから」といって飲みすぎは禁物です。

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野菜不足と塩分過多に注意

一見ヘルシーなおでんも、具材に練り物を多く選ぶと塩分が心配です。また、野菜がほとんど入っていないのでビタミン・ミネラルも不足しがち。ぜひ緑黄色野菜の副菜を添えましょう。

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糖が不足すると代謝もダウン

ビタミンB1は糖を分解してエネルギーに変える栄養素。でも肝心の糖がなければ十分に働けず、逆にやせにくくなっている場合も。ビタミン豊富な玄米や雑穀米で代謝をUP!

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バランスは◎でも量が不足

バランスは良いけれど量が少なめ。ビタミン豊富でボリュームも出る卵料理をプラスしては? サラダにマヨネーズやドレッシングをかけると、ビタミンAやビタミンDなど脂溶性ビタミンの吸収率がアップします。

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仕事に家事に忙しいミドル世代は
「新型栄養失調」にご用心


カロリーは足りているのに特定の栄養素が足りない「新型栄養失調」をご存じですか? コンビニのおにぎりやパン、カップ麺で食事をすませることが多い人は要注意。糖質に偏り、さらにカップ麺には塩分や、摂りすぎるとカルシウムの吸収を阻害するリンも多く含まれます。野菜系の惣菜などを追加して、ビタミンやミネラルの補給を心がけましょう。



ビタミンとミネラルは3大栄養素を支える縁の下の力持ち

体を動かすために必須となる

 炭水化物 
エネルギー源として利用される。摂りすぎは肥満の原因。

 脂質 
細胞膜の主成分で、効率の良いエネルギー源。

 たんぱく質 
さまざまな臓器や筋肉の主成分。エネルギー源にもなる。

炭水化物・脂質・たんぱく質の働きをサポートする

 ビタミン 
エネルギー産生をサポートするなど、私たちの生命活動に欠かせない機能を支える栄養素。全部で13種類で、水溶性と脂溶性がある。

 ミネラル 
体のさまざまな機能を支える微量栄養素。必須ミネラルは全部で16種類あり、その中には、赤血球をつくる鉄や、骨や歯をつくるカルシウムなど、体をつくっている成分もある。


シニア世代に不足しがちなビタ・ミネリスト

1.ビタミンA
目や皮膚、粘膜の健康維持に欠かせない脂溶性ビタミン。慢性的な下痢などがあると、吸収がさまたげられるので注意しましょう。

2.ビタミンB群
体内の代謝にかかわる水溶性ビタミン。米やパン、麺類中心の食生活をしている人や、加齢で代謝が落ちたシニア世代は不足しがち。

3.カルシウム
骨粗しょう症を予防し、骨や歯の健康に欠かせない成分です。体への吸収率があまり高くないので、食品から積極的に摂取しましょう。

4.マグネシウム
体内に存在する酵素の働きを助けるミネラル。心臓や血管の健康も守ります。カルシウムと一緒にバランス良く摂るように心がけて。

5.鉄
全身に酸素を運ぶ赤血球の成分。痔など慢性的な出血があると鉄不足に陥り、鉄欠乏性貧血になりやすいです。意識的に食品から摂りましょう。

6.亜鉛
体内の酵素がスムーズに働くよう、サポートする栄養素。ビタミンCとともに、コラーゲン合成にもかかわります。胃腸に疾患があると吸収が落ち、不足しがちなので注意。




日々の健康と元気を支える縁の下の力持ちのような存在、それがビタミンとミネラルです。今年1年を元気で健やかに過ごすためにも、正しい知識でしっかり摂っていきましょう。



監修濱田 美紀 先生 管理栄養士

高齢者の栄養管理や介護予防などを専門に活動。公益社団法人 日本栄養士会 栄養ケア・ステーション推進委員。公益社団法人 大分県栄養士会 常任理事。大分県にある認定栄養ケア・ステーション「結」責任者。

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