ヘルスケア特集 ヘルスケア

正しく活用できていますか?
年に一度の健康診断は自分の体を知るツール

健康診断は、「今の体の健康状態を把握するため」に行います。当然ながら、結果を見るだけでは数値に変化は起きません。大事なのは、結果を見て行動を変えていくこと。健康診断の結果は、病気を見つけるためだけにあるのではなく、自分の体を知るツールです。この機会にぜひ活用していきましょう。

日常にとり入れやすく長続きできる対策を

健康的な体をつくるためには、主に「食事」と「運動」の面からの見直しが必要です。とはいえ、あまりストイックになりすぎず、日常生活にとり入れやすい目標を設定するのが長続きのコツ。まずはできることから取り組んでいきましょう。




Q.健康診断のお知らせが届きました。当日までどのように過ごせば良いですか?


A.まずは"自分の体の棚卸し"を!

自分自身を観察することから始めましょう
「間食が多い」「脂っこいものが好き」「在宅ワークが多い」など、食事の嗜好や生活スタイルは人それぞれ。まずは自分がどんな生活をしているのか"棚卸し"をし、見直すべき行動を洗い出してみましょう。


Q.今日からできる対策はありますか?


A.運動は"奇跡の薬"

「何をするか」よりも「何が続けられるか」
自分の生活にとり入れやすいものであれば、ヨガや筋トレでも良いですし、「一駅手前から歩く」「エレベーターではなく階段を利用する」などでも十分です。日常に組み込め、続けられる運動を。





Q.食事で気をつけるべきポイントはありますか?


A.食事は楽しく!

ハーバード公衆衛生大学院の栄養学専門家とハーバードヘルス出版の編集者たちによって作られた「健康的な食事プレート」を、食生活にとり入れてみましょう。野菜類をいちばん多く、全粒穀物と良質なたんぱく質はそれぞれ同量ぐらいずつ摂るようにし、果物も加えます。ただし、これらの食材も「食べすぎ」は禁物。適量を摂るように心がけてください。



\積極的にとり入れたい食材/

健康的な食事プレート


お菓子を食べたくなったら...

・おすすめはナッツ類
・高カカオチョコレート
・洋菓子よりも和菓子を

控えたい食材

・白米や精白パンなどの精製された穀物
・ベーコンやハムなどの加工肉
・脂身の多い肉
・バター、生クリームを使った菓子類

ハーバード公衆衛生大学院."健康的な食事プレート[日本語版]."
https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/healthy-eating-plate/translations/japanese/ (2023/12/8)



血糖値
が気になる人は


野菜や果物は、ジュースなどの加工品ではなく、フレッシュなままで摂る

血圧
が気になる人は


レモンや胡椒、だししょうゆやポン酢など味の変化で塩分を抑える

中性脂肪
が気になる人は


食物繊維が豊富な海藻類やキノコ類、EPA・DHAを多く含む青魚もおすすめ

コレステロール
が気になる人は


植物性たんぱく質が豊富な大豆や、青魚を積極的に摂りましょう


睡眠不足や日頃のストレス、喫煙習慣も見直そう

食事や運動の他にも気を配りたいのは「睡眠」と「ストレス」。睡眠不足や日々のストレスは、自律神経の乱れを引き起こす元になります。
さらに、百害あって一理なしともいえる喫煙も控えたいところ。禁煙外来などを上手く利用して、禁煙を目指しましょう。

診断結果は毎年保管を。体の変化に意識を向けて

診断結果は保管しておきましょう。各数値が基準値内であっても、毎年少しずつ数値が上がっていたり、前年よりも急に上がったりしている項目があるかもしれません。
健康を意識するタイミングは、数値が悪くなってからではなく、自分の体の変化に気づいたとき。健康的な体を手に入れるために、まずは小さな生活習慣の見直しから始めてみましょう。


監修福田 芽森 (ふくだ めもり) 先生 循環器内科医、産業医

臨床を続けながら、AI医療機器開発企業で臨床開発に従事。正しくわかりやすい医療情報を伝えるために日本循環器学会情報広報部会委員での広報活動や、執筆も行う。

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