
正しいダイエットのための5つの食事ルール
魅力的な旬の食材が多い秋は、つい食べすぎてしまい、太りやすくなる季節でもあります。そんな方のために、正しい食事方法やダイエットの工夫の仕方を、管理栄養士の岸村康代さんに教えてもらいました。
ダイエットは「食べない」ではなく「バランス良く食べる」
食事を抜いたり、低カロリー食材ばかり食べ続けたりすると、一時的に体重は減っても、同時に筋肉も落ちてリバウンドしやすい「省エネ体質」になりがちです。ダイエットの基本は「バランス良く食べる」こと。特にたんぱく質と野菜、食物繊維の摂取を心がけましょう。
朝食にもち麦や納豆などの発酵性食物繊維を摂るのがベストです。
食欲のスイッチを抑えるカギは間食にあり
空腹の状態で、菓子パンやお菓子といった糖質食品だけを食べると、食欲のスイッチが入りやすくなってしまいます。食事の間隔があいてしまうときは、間食に少量の食物繊維やたんぱく質が多い食材を摂りましょう。
食物繊維やビタミンが豊富に含まれる甘栗は腹もちも良く、小腹が空いたときにぴったり。
甘いものは"適度"に"適量"を
いつも食べている甘いものを、質の良いものにかえてみましょう。例えば袋入りのチョコレートはついたくさん食べてしまいますが、高カカオチョコレートにすると、少量でも満足できます。
甘いものと一緒に、あたたかい飲み物を摂ると満腹感がアップ。特にたんぱく質を含む豆乳や、ソイラテがGOOD!
揚げものや焼肉を食べるときはベジファーストで!
揚げものを食べるときは、一口目にせん切りキャベツや副菜のおひたし、きのこのソテーなど、ベジファーストがおすすめ。焼肉であればキムチやナムルなど、食物繊維やカリウムを含む野菜や、メカブなどの海藻を先に食べたり、一緒に食べたりしましょう。
最近の研究では、玄米に含まれる「γ-オリザノール」が、脂っこいものの食べすぎを抑えることがわかってきています。
外食で気をつけるポイントは「具材のバランス」
ラーメンは、チャーシューや煮卵、ほうれん草やもやし、めんまなど具材がバランス良くのった「全部のせ」がおすすめ。できれば具材から先に食べ、麺を控えめにしましょう。
イタリアンの場合は、サラダや野菜のグリルなどから食べ、パスタやピザも具材の多いメニューをチョイス。クリーム系よりトマトソースを選ぶのがポイントです。
食事は「我慢」しすぎず「ジリジバ」で!
岸村さんが、最近結果が出にくくなったという方に推奨しているのは、時間、量、順番、バランスの頭文字を取った「ジリジバ」。これらに気をつけて、我慢しすぎることなく、おいしく食事を楽しみましょう。
ジ 時間
食後に、安静にしていても代謝量が増大する「食事誘発性熱産生」は朝の方が高いため、夜の食事に気をつけることで、ダイエット効果も期待できます。
リ 量
例えば、おやつを我慢ばかりするのではなく、100〜200キロカロリー以内(クッキーなら4〜5枚、アーモンドチョコなら8粒ほど)ならOKにするなど、食べる量を調整するのがポイント。
ジ 順番
ベジファーストが基本ですが、食事内容に野菜がない場合は、たんぱく質ファーストでもOK。特に精製された糖質(白いパンやパスタなど)の多いものは、単体で食べないことも大切です。
バ バランス
毎食、5大栄養素を意識するのはハードルが高いもの。目安として、たんぱく質と炭水化物、野菜を1:1:1の量で摂取できるよう目指しましょう。できれば野菜の割合を2〜3くらいに増やしていくのが理想です。
食べることが大好きで、人一倍意志が弱かった私が、数々のダイエットに挑戦してわかったことは、「我慢や無理は絶対に続かない」ということ。ダイエット中でも食事は楽しめます。食べない・我慢ばかりのダイエットではなく、正しいダイエットの食事ルールに気をつけながら、おいしく食事をしましょう。
イラスト:オオカワアヤ