トレンドを知れば効率良く腸活できます

監修志田 結(しだ ゆい)さん

腸内フローラ検査を行う(株)サイキンソーの管理栄養士。腸活相談サービス立ち上げやセミナー、コラム作成などに携わる。

trend 1

善 or 悪で分けない
菌も"多様性"の時代

腸内には、1000種類もの菌がすみついているといわれています。菌はそれぞれ働きが異なり、互いに助け合いながら短鎖脂肪酸などの有用物質を産み出しています。短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が食物繊維などを発酵させてつくる"良い産物"(=ポストバイオティクス)の一種。実は悪玉菌も"必要悪"としてバランスをとる重要な存在です。さまざまな食材を取り入れ、それぞれの菌が活躍できる環境を育てることが、腸活の新常識。例えばヨーグルトも、種類を変えながら多様な菌を取り入れるのがおすすめです。


trend 2

菌を"摂る"だけでなく"育てる"
"シンバイオティクス"に注目!

少し前まで、腸活といえばヨーグルトなどで体に有用な"善玉菌を摂ること"とされていました。現在は、有用菌と、有用菌のエサになる成分(食物繊維やオリゴ糖など)を組み合わせて摂る「シンバイオティクス」が新定番。それぞれを単体で摂取するより、腸内環境をより効率良く整えることができます。例えば、ヨーグルトにはオリゴ糖を含むハチミツと、食物繊維を含むキウイやバナナなどを添えると効果的です。また、ヨーグルトを食べるなら腸が動く夜、胃酸で有用菌が減らない食後のタイミングがおすすめです。近年では死んだ菌でも他の菌のエサとして機能することが明らかになり、菌の状態には過度にこだわらなくて良いとされています。


trend 3

毎日の食事で腸活!
注目は"発酵性"食物繊維

発酵性食物繊維とは、腸の中で"善玉菌のエサ"になる食物繊維のこと。短鎖脂肪酸を産み出して腸内環境を整えます。発酵性食物繊維を多く含む食品として、玉ねぎ、ごぼう、大豆製品、きのこ類、いも類、海藻類、大麦、玄米などが挙げられます。腸活を毎日続けるコツは、いつもの食事への少しの工夫。主食は白米に押し麦やもち麦を混ぜた麦ごはんや玄米、全粒粉入りのパンもおすすめ。さらにお米は、冷めるとレジスタントスターチという成分が増え、菌のエサになりやすくなります。みそ汁は、上記の食材をたっぷり入れて具だくさんに。少しの工夫が、無理なく"毎日続けられる腸活習慣"につながります



trend 4

菌がリレーすることで産み出す
短鎖脂肪酸は体に良いことずくめ

今、腸活の主役は「短鎖脂肪酸」。脂肪の蓄積を抑えたり、代謝やスムーズな排便をサポートし腸内環境を整えたりといった、体にうれしい働きをします。ただし短鎖脂肪酸は食べ物から摂るのは難しく、腸内で菌につくってもらうのが基本。そこで大事なのが、「菌のリレー」です。私たちが食べた食物繊維やオリゴ糖は「第1走者」である納豆菌などの糖化菌のエサになり、糖をつくります。この糖は「第2走者」のビフィズス菌などのエサとなって短鎖脂肪酸の一つである酢酸をつくり出し、その酢酸は「第3走者」の酪酸菌などのエサとなって、短鎖脂肪酸の一つである酪酸をつくり出します。このように菌たちの連係プレーで短鎖脂肪酸が産生されることで、腸内環境が整うのです。人工甘味料や添加物をとりすぎると、腸内環境を乱す原因になってしまうことも。日頃の食事にも気を配り、良い腸の状態をキープしましょう。



trend 5

"口は腸の始まり"
口腔ケアで"腸"元気!

腸活と聞くと食事や腸内細菌に注目しがちですが、実は「口腔ケア」も大切。口の中で増えた菌が腸へと入り込み、腸内環境にも影響することが近年の研究でわかってきました。歯周病菌などの悪玉菌も、腸内環境を乱す一因に。毎食後の歯みがきや舌ケアなど、口腔ケアをきちんと行うことが、腸に届く菌のバランスを整え、腸活につながります。歯間ブラシなどでのていねいなケアに加え、歯科での定期検診も忘れずに受けましょう。



イラスト:SHOKO TAKAHASHI

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