知ってて良かった!健康への第一歩 ヘルスケア

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加齢による、血流や女性ホルモンの低下が原因です。

年齢を重ねるにつれて、毛量や髪質に変化が生じるのは極めて自然なこと。一般的に髪の健康状態の維持は30代後半がピークで、更年期以降は女性ホルモンの分泌量が減り、髪が生まれ育つ「ヘアサイクル」が乱れて薄毛になりやすくなるだけでなく、髪のハリやコシなど、髪質にも影響が生じるようになります。
また、加齢によって全身の血流が低下すれば、髪を育てる土壌ともいえる頭皮の血流も低下します。すると、髪の発育に必要な栄養素がいきわたりにくくなり、薄毛や抜け毛の原因になります。
その他にも、ストレスや生活習慣、間違った頭皮ケアなど、さまざまな原因が重なり合って薄毛が進むと考えられています。しかし、普段の生活習慣やケアを見直すことで、髪のボリュームダウンのスピードを遅らせることは不可能ではありません。



浜中先生にお聞きしました!

髪の健康に関するあれこれ


薄毛になりやすい生活習慣はありますか?
食事や睡眠、運動などの影響を受けます。

年齢を重ねると食事の時間が不規則になりやすく、栄養不足に陥りがちになることも。特に、髪の主成分であるたんぱく質不足を防ぐため、たんぱく質を豊富に含む食材を積極的に摂取しましょう。また、睡眠中は髪の成長に欠かせないホルモンが分泌されます。質の良い睡眠を十分にとることは大変重要です。適度な運動習慣は睡眠の質だけでなく、頭皮の血流を良くし、ストレス解消にもつながります。ジムに行かずとも、階段を使う、近所を散歩するなど、できるだけ多く体を動かすことを心がけるだけでも十分です。



薄毛対策に役立つ栄養素について教えてください。
たんぱく質の合成を促す「亜鉛」などです。

髪の毛の原料であるたんぱく質の摂取はもちろんですが、たんぱく質を合成するために役立つ栄養素を積極的に摂取することも重要です。特におすすめしたいのが亜鉛です。亜鉛不足は毛量や髪質に影響を与えます。亜鉛は牡蛎やレバーなどに豊富に含まれていますが、他の成分に比べて吸収されにくいといわれており、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まります。また、ビオチンをはじめ、ビタミンB群も積極的に摂りたい栄養素です。



抜け毛を防ぐ正しい髪のケア方法を教えてください。
正しいシャンプー選びや方法を覚えましょう。

抜け毛対策で重要なことはシャンプーでのヘアケアです。シャンプーは髪の毛を洗うためではなく、頭皮を清潔にすこやかに保つために行うという意識を持ちましょう。頭皮の状態に合うシャンプーを選ぶことも重要です。洗髪直後に頭皮がつっぱる感じがする場合は、洗浄力が強すぎるので変更を。逆にシャンプーをした翌朝にかゆみやベタつきを感じる場合は、汚れが落ちきっていない証拠です。洗浄力の強いものに変えましょう。なお、頻繁な毛染めは頭皮に負担がかかり、髪質悪化や抜け毛の原因に。頻度を減らす、全体ではなく根もとだけを染めるといった工夫が必要です。



薄毛のリスクチェック

当てはまる数が多ければ多いほど「薄毛」になるリスクが高まります。生活習慣を見直しましょう。

✓ 食事の時間が不規則である


✓ 肉・魚などのたんぱく質をあまり摂らない


✓ 運動不足である


✓ 睡眠が十分にとれないことが多い


✓ ストレスが多い


✓ 月に数回、毛染めや縮毛矯正を行っている



コラム

きれいなグレイヘアを目指すには?

白髪を染めずに、白髪交じりの髪を活かす「グレイヘア」。ただ放っておくだけできれいに仕上げるのは難しいため、美容師に相談しながら、毛染めの色みや間隔を調整することをおすすめします。また、白髪の色をきれいにするためにも、毎日の食事の栄養バランスを意識することが大切です。



今月の監修者浜中 聡子(はまなか さとこ)先生 医学博士、日本抗加齢医学会専門医、クレアージュ総院長、クレアージュ東京院長

著書に『50代からの髪がみるみるよみがえる! 美髪ケア大全』(共著、主婦の友社)などがある。

イラスト:本田佳世

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