知ってて良かった!健康への第一歩 ヘルスケア

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紫外線に対し、無防備になりがちな部分だからです。

手の甲のシミは顔と同様に、年齢による肌のターンオーバーの乱れが主な原因です。皮膚は過剰な紫外線や摩擦による刺激を受けると、肌を守るためにメラニンを放出します。通常メラニンは、皮膚でつくられた新しい表皮細胞が約28日間周期で排泄されるターンオーバーの際に、老廃物とともに体の外に出されます。ところが40代以降はこの周期が長くなるため、排泄が追いつかず、メラニン色素が沈着してシミができるようになるのです。
そもそも手の甲は、ファンデーションや日やけ止めでカバーする顔に比べ、無防備になりがちです。シミを防ぐには紫外線から肌を守るために、皮膚本来のバリア機能を高めることが大切ですが、肌の乾燥が進むと、この機能が低下してしまいます。シミの予防は年齢を重ねてから始めても遅くありません。まずは肌のバリア機能を維持するために、こまめな保湿を心がけましょう。



平田先生にお聞きしました!

手の甲のシミに関するあれこれ


紫外線から手肌を守る対策を教えてください。
手の甲まで覆い隠すアームカバーがおすすめです。

顔と同じく手の甲にも1年を通して日やけ止めを塗ることが理想ですが、なかなか難しいと思うので、まずは日差しの強い時季だけでも手の甲も覆うアームカバーやUVカット手袋をつけ、紫外線ダメージを受けないようにしましょう。
実は、手を拭く摩擦でも色素沈着が起こることがあり、水けはタオルでやさしく吸いとることが大事です。調理中の油も、気づかぬうちに手の甲に飛んでいることがあり、やけどの刺激もシミの一因になるので気をつけましょう。



シミをつくりにくくする生活習慣はありますか?
ビタミンCの摂取を心がけ、運動習慣を身につけましょう。

一度あらわれてしまうと消えにくいシミは、つくらないことが肝心です。ビタミンCには、シミのもとになるメラニンの生成や色素沈着を抑える作用があります。水溶性で体内に蓄えられないため、キウイフルーツやイチゴなどから毎日こまめに摂取しましょう。
ターンオーバーを整えるには、毎日続けられる運動が不可欠です。ウォーキングなら1日5000歩を目安に、スタスタと軽快に歩くのがコツです。ラジオ体操などの関節を使う運動もおすすめです。



特に気をつけなければならないシミはありますか?
シミの濃さや形状に違和感を覚えたら、病院を受診しましょう。

年齢とともに、注意が必要なシミはできやすくなります。さらに近年は紫外線が強くなり、皮膚へのダメージも大きくなっているため、悪いシミは年々、増加傾向にあります。
例えば、シミの大きさや色の濃さに急激な変化が認められたら要注意です。シミの形がギザギザして不自然だったり、シミができる場所が出血しやすい、かさぶたが繰り返しできるなどの場合は、早めに皮膚科を受診してください。



コラム

ターンオーバー(新陳代謝)の乱れとは?

個人差はありますが、肌のターンオーバーの周期は60代になると、若年期の1.5~2倍に延びるといわれています。この周期の遅れが影響し、外部から刺激を受けてメラノサイトから放出されたメラニンが、表皮に留まるようになるのです。


*イラストはイメージです



今月の監修者平田 雅子(ひらた まさこ)先生 私のクリニック目白 理事長 兼 院長、医学博士、皮膚科専門医/東京・目白にて20年以上、「美と健康」をメインとした診療を行い、中でもシニアの美容の味方として活躍中。著書に『肌がみるみる綺麗になる!大人の「スキンケア」新法則』(三笠書房)などがある。

イラスト:本田佳世

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