
健やかな体を守るカギ! 3つの血液の数値
どう見れば良いのかイマイチわからない健康診断の結果を、検査項目のひとつひとつに焦点を当てて徹底解説する「健康診断のミカタ」。今回は体を健やかに保ち、守る血液の数値を取り上げます。
たくさんの数値が並ぶ健康診断の結果表。
奥が深いその世界へ、この2人がご案内します。

ちょっと天然な女の子、せっちゃん

なんでも知ってる物知りの男の子、はっくん
赤血球、白血球、血小板の働きって?
私たちの体内に張りめぐらされた血管をとおって運ばれる血液。その量は体重の約1/13に相当するといわれています。また血液は、大別すると血漿(けっしょう)と、白血球、血小板、赤血球の4つに分けられます。それぞれの働きを見てみると・・・。
4つの成分の中でも血漿は「液体成分」と呼ばれ、主に肝臓で合成されます。これに対して「血球」または「細胞成分」と呼ばれる白血球、血小板、赤血球はほとんどが骨髄で作られます。今回はこの骨髄で作られる血球の数値をチェックしていきましょう。
血球にまつわる3つの数値って?
健康診断で血球類の健康状態を示す数値は、3種類あります。
■白血球数
血液中にある白血球の数を示す数値。細菌やウイルスなどの感染症にかかっていないか、免疫機能が低下していないかなどを診る指標となります。
■血色素量
血液が赤く見えるのは、赤色の鉄とたんぱく質が結びついたヘモグロビンという物質が赤血球に含まれているため。血色素量は、そのヘモグロビンの量を示す数値で、体内に酸素が十分に運ばれているかを診る指標となります。
■血小板数
血液中にある血小板の数を示す数値。ケガなどをしたときに正常に止血できるかどうかを診る指標となります。
では具体的に数値を見てみましょう。
基準値外の数値がまねく健康リスクは?
健康診断の数値の多くは基準値より高いときに注意が必要ですが、血球の数値においては高い場合も低い場合も要注意。例えば白血球数が高ければ血液疾患や感染症などの可能性があり、逆に低ければ感染症に罹患するリスクが高いことに。血色素量が高ければ脱水や、喫煙、高ストレスの影響を受けている可能性が考えられます。
また、血色素量が低い状態を貧血と呼びますが、軽く考えるのはNG。その影には鉄分不足に加え、ビタミンなどの栄養不足、さらには消化管出血や、骨髄・腎臓の機能低下といった深刻なものまでさまざまな原因が考えられるのです。
健康診断の結果が出たら、その指示に従い、しっかり対処していきましょう。
気になる血球数値の対策ガイド
ひとつでも血球の数値が気になったら、対策の始めどき。血球ごとに気をつけたいポイントや対策をまとめると、次の表のようになります。
次に、血色素量が低めの方に気をつけていただきたいことをご紹介します。
鉄分にプラス! 貧血予防の栄養素
貧血にもさまざまな種類がありますが、最も多いのが鉄欠乏性貧血。鉄分は体内に吸収されにくい成分なので、食事で十分に摂っているつもりでも不足しがちなのです。食事の際には、ヘモグロビンの材料になるたんぱく質や、鉄の吸収を高めるビタミンC、赤血球が作られるときに必要な葉酸やビタミンB12などを含む食材を一緒に摂りましょう。鉄分を体内で効率良く働かせるためにもおすすめです。
それはヘム鉄?
知っておきたい鉄分の種類
鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄があるのをご存じですか? この2種類の大きな違いは「吸収率」。ヘム鉄の方が体に吸収されやすいです。食事ではヘム鉄が多い食品を積極的に摂りましょう。また、非ヘム鉄が多い食品を食べるときは、ビタミンCの多い食品を併せて摂って吸収率アップを心がけてみてください。
白血球や血小板、赤血球は、健康を守るカナメなんだね!? スルーしやすい数値だけれど、これからはきちんとチェックしていこう。
上手に健康診断を活用するコツ
■健康診断の判定の指示にしっかり従う
■健康診断の結果をベースに、生活習慣を見直す
■健康診断の結果は、その年だけでなく、2年前、1年前と比較して見る
■基準値とされる数値内でも2年前、1年前から悪化している数値があれば対策を検討する
次回【3月5日(火)リリース】予告!
最近、呼吸が浅くなっていませんか?
次回は呼吸と深くかかわる「肺の数値」を取り上げます。