インナービューティ特集 ヘルスケア

底冷えの季節。今日は何を食べましたか?

ほっとひと息くつろぐときに飲むアツアツのココア、暖かい部屋で食べるアイスクリーム...。冬のとっておきのおいしさですね。食事でもパスタやパン、ごはんなどをたっぷり食べたくなることが多いのではないでしょうか。冬にこうしたスイーツやごはんなどの糖質の多いものを食べたくなるのは、寒さで消耗したエネルギーを素早く補給しようと体が求めるためだといわれています。また、寒さや夜長からくるストレスを無意識に発散したくなるから、とも。でも、そうした食生活が、肌に大きなダメージを与えているかもしれません。

くすむだけじゃない!
糖化・酸化とお肌の怖い関係

糖質の多い食生活を続けているうちに、進んでしまいがちな肌ダメージが「糖化」と「酸化」。糖化とは、体が「焦げる」こと。食事で糖質を摂りすぎたり、食後に血糖値の高い状態が続いたりしたときに、体内で糖とたんぱく質が結びつく現象です。そう聞くと、美容には直接関係がないように感じられるかもしれませんが、肌の弾力を支えるコラーゲンやエラスチンもたんぱく質の一種。下の図解でもわかるように、糖化によって肌がくすんだり、シワやたるみにもつながるのです。特に40代頃から、その影響が目に見えて現れてくる傾向が!肌が黄色っぽくくすんで見えたら、糖化を疑いましょう。

また糖化は、よく体が「サビる」といわれる酸化を促すこともわかっています。糖化と酸化が複雑に絡み合ってしまうと、シワやシミが一層深刻化していくことにも。知らず知らずに、肌を老化させていく糖化と酸化。それをくい止めるためにも、変化が起こっている体内に目を向けてしっかり対策をしていきましょう!

「糖化」と「酸化」のメカニズム

バランスよく。
糖化や酸化に負けない生活を始めましょう

凛として透明感のある肌を守るには、これからの糖化・酸化リスクを「抑える」、体内の糖化や酸化に立ち向かう力を「高める」という2つのケアがカギ。できることから取り入れていってみてください。また、なかなか食事では摂れない栄養成分はサプリメントで摂るのもおすすめ。最近では、糖化・酸化に着目して、美しさを全方位サポートしてくれるタイプも出ています。

食事面では...

 ・  スイーツや炭水化物などの糖質を摂りすぎない。
 ・  精白小麦のパンやパスタ、清涼飲料水など飲食後の血糖値を急上昇させる高GI食品を控える。
 ・  バランスのよい食事を心がけ、不足がちな栄養はサプリメントなどで補う。


運動面では...

飲食後の血糖値が高い状態を早く解消するために、食後1時間以内に散歩など軽い運動※を心がける。
  ※食後1時間以内の運動は、小麦アレルギーなどアレルギー疾患のある人は運動誘発アナフィラキシー発症の可能性があるので避けてください。

生活面では...

以下のことに留意して、酸化を抑えましょう。

紫外線のケアを忘れずに。
イライラや不安などストレスを感じたら解消を心がける。
タバコは控え、アルコールは適量に抑える。
   
   

食事面では...

糖化を抑えるために、以下のような食材を積極的に摂りましょう。

 ・ 茶カテキンを多く含む緑茶やウーロン茶

 ・

ビタミンB1が豊富な豚肉や玄米など
 ・ ビタミンB6が多いカツオやバナナなど
 ・ ポリフェノールの一種・カマメロサイドを含むカモミールティー
   

酸化を抑えるために、以下のような食材を積極的に摂りましょう。

ビタミンCを多く含む赤ピーマンやキウイフルーツなど
スルフォラファンを含むブロッコリースプラウトなど
カロテノイドが豊富なトマトやニンジン、ほうれん草など
ゴマグリナンを含むごまなど


運動面では...

運動には、抗酸化力を高める働きがあります。ただし、激しい運動は逆に活性酸素を作り出すのでNG。
軽いウォーキングなど、少し息が上がる程度の運動を続けていきましょう。

まとめ


寒い季節にほしくなる甘いものやごはん、パンなどに含まれる糖質は肌の糖化や酸化を招き、肌老化を加速させることにも。だからといって糖質をオフすれば万事が解決!とはいきません。誰にでも糖化や酸化の影響はあるもの。少しずつでも食事や運動といった生活を見直して、そもそもの原因からブレーキをかけていきましょう。それが美しさを守り続ける秘訣です。

監修中村 仁美 先生 北里大学医学部卒業。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、漢方専門医。東京都浅草のナカデンビルクリニック院長。https://www.instagram.com/orchidpink1112/

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