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日本の女性は、野菜が足りない?

「野菜なら、私はちゃんと食べているし、和食はヘルシーだから大丈夫」と思うかもしれません。でも本当に足りているでしょうか? 実は、日本の食生活がヘルシーだったのは昔の話。日本の野菜消費量はどんどん減り続け、例えばアメリカと比較しても、もう30年ほど前から日本の方が少なくなっています。
最近では、日本の成人女性が1日に摂る野菜量は平均273.6g。厚生労働省は1日の野菜摂取量350gを目標として掲げていますが、20代~40代では100g以上も不足しています。
350gの野菜は、野菜サラダに換算すると約5皿分です。「えっ! そんなに?」と驚いた方は、美容に必要な栄養が足りない状態かもしれません。




美容に欠かせない、野菜の栄養素

ゆらぎや不調が気になったら、まず改善したい食事の野菜不足。自分にどんな成分が不足しているのかを知るために、野菜に含まれる栄養素の働きを覚えておくと便利です。


野菜の栄養素の働き

 ビタミンA 

粘膜をすこやかに保ち、皮膚の健康維持を助ける。

<こんな方におすすめ>
乾燥が気になる方に



 ビタミンB群 

皮膚や粘膜の健康維持に役立つビタミンB1、B2、B6など。

<こんな方におすすめ>
皮脂が気になる方に



 ビタミンC 

抗酸化作用がある。皮膚のコラーゲン生成に役立つ。

<こんな方におすすめ>
日差しをよく浴びる方、外出が多い方に



 ビタミンE 

血行を促し、酸化を防いで、細胞の健康維持を助ける。

<こんな方におすすめ>
めぐりが気になる方に



 ミネラル 

血液循環を正常に保つマグネシウム、骨の健康に良いカルシウム、正常な血圧を保つカリウム、皮膚や粘膜をすこやかに保つ亜鉛など。

<こんな方におすすめ>
美容だけでなく体づくりをしたい方に



 食物繊維 

腸内環境を整えて、スムーズな毎日をサポートする。

<こんな方におすすめ>
腸内環境が気になる方、すっきりしたい方に



 ファイトケミカル 

野菜が紫外線などから身を守るために作り出した色素や香り成分。協力し合って働き、酸化を防ぐ。

<こんな方におすすめ>
サビが気になる方、活性酸素が気になる方に




キレイのために、緑黄色野菜の栄養素をプラス

野菜の中でも美容のために積極的に摂りたいのは、ベータカロテンの含有量が多い緑黄色野菜。ベータカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換され、抗酸化作用などを発揮する成分です。おすすめの緑黄色野菜は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なケール、ブロッコリー、にんじん、小松菜、ピーマンなど。中でも「野菜の王様」と呼ばれるケールは、アメリカを発端とするヘルシーブーム以来、スーパーフードとして変わらぬ人気を保っています。
ケールの魅力は、美容に欠かせない栄養を上手に摂ることができること。そしてサラダでも、ジュースでも、加熱してもおいしいこと。調理の幅が広く、さまざまなバリエーションで食事にとり入れることができますが、ビタミンCをより多く摂取するためには生がおすすめです。最近は日本でもケールを見かけるようになりましたが、近所のスーパーになければ青汁を利用するのも良い方法です。
毎日の食事に緑黄色野菜を上手に加えて野菜不足をおぎない、季節の変わり目にもゆらがない美しさを目指しましょう。

まとめ


美しさを支えているのは、毎日の食事。特に美容のために積極的に摂りたい野菜の量は、自分でしっかり食べているつもりでも、不足しがちです。厚生労働省が目標として掲げる1日の野菜摂取量は350g。栄養価の高い緑黄色野菜を上手にとり入れて、いつも体の中からキレイに過ごしましょう。

監修森 由香子 さん 東京農業大学農学部栄養学科卒業、大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了、管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。 https://moriyukako.com/

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