インナービューティ特集 ヘルスケア

1. ミドル世代の肌のいちばんの敵は紫外線!

日やけ跡がなかなか消えない、肌の回復力が落ちてきたと感じることはありませんか? 皮膚表面の厚みは20代を境に徐々に減り、70代では約半分になってしまうそう。厚みが減る分、肌のバリア機能は低下し、環境の影響を受けやすくなります。また、年齢を重ねて代謝も落ちるため、肌の老化は一気に加速します。
中でも、肌にとっていちばんの敵は紫外線。紫外線を浴びすぎると、日やけによる乾燥やゴワつきといった肌への影響やダメージがあるといわれています。
そこで重要になってくるのが、体の内側からの紫外線ケアです。紫外線量は日差しが強くなる夏が多いと思いがちですが、実は肌の奥深くまで届くUV‒Aのピークは夏前。日やけ止めを塗る、日傘をさすといった外側のケアだけでなく、内側からのケアも今から始めることが大切です。

地表に届く紫外線は2種類あり、UV-Aはじわじわと肌の奥深くまで届いてコラーゲンを変性させ、ハリ低下の原因に。一方、UV-Bは日差しの強さで肌の表面を赤黒くし(日やけ)、乾燥やゴワつきを引き起こします。

日差しの強さに比例して量が多くなるUV-B。ピークは8月ですが、実は春先から急に増えてくるので、早めのケアが大切です。また、UV-Aは年間を通して肌にダメージを与えるので、屋内や日差しが弱い日もケアが必須です。




2. 内側からのケアのカギは抗酸化力のある食物と代謝を促す規則正しい生活

りんごが酸化すると表面が茶黒くなるように、人の体も歳をとるごとに酸化が進んでいきます。体のpHバランスが乱れると老化をまねきやすいため、抗酸化力のある食物を積極的に摂ることが重要です。また、疲労も活性酸素を作り出す原因になるので、規則正しい生活と代謝の良い体づくりを心がけましょう。

老化を促進させる活性酸素を防御するのが"抗酸化酵素"。加齢や紫外線、生活習慣、ストレスなどによってその値はだんだん低下し、40歳以降は顕著になります。




2-1. 毎日の食事に抗酸化力のある食材をプラス

抗酸化力に優れたビタミンA、C、Eやナイアシン、アスタキサンチンなどは、代謝の良い体づくりに必要な栄養素。屋外レジャーの予定がある前日の夕飯などに、積極的に摂りましょう。また、食事にプラスしてサプリメントでおぎなうのもおすすめです。



抗酸化力のあるおすすめ食材リスト

キウイ
ビタミンCとEが豊富なキウイは、抗酸化力に優れたイチオシ食材。

アボカド
ビタミンE、Cをはじめ、10種類以上のビタミン類を含む優秀食材。


免疫力を高めるビタミンA、Eが豊富。うずらの卵はさらに栄養満点。

鶏むね肉
肌のバリア機能を高める水溶性のビタミン、ナイアシンがたっぷり。


強い抗酸化力のあるアスタキサンチンが豊富に含まれる。


きゅうりは要注意! 食べるなら夜がベター

野菜の中には、紫外線の影響を強くする"ソラレン"という成分を含むものがあり、きゅうりはその代表格。食べてから2〜7時間は作用が続くため、夕食で摂るようにしましょう。





2-2. 睡眠は量だけでなく質も大切に

肌再生を促す成長ホルモンを分泌させるためには、質の良い睡眠が何より大切です。リラックスして就寝できるよう、入浴方法や寝具、部屋の明るさなども見直してみましょう。




2-3. 軽い運動で体に負荷を掛ける

ハード過ぎると活性酸素を生む要因になりますが、適度な運動で体に負荷を掛けると抗酸化力が上がるといわれています。運動習慣を身につけ、体の再生力をアップさせましょう。




監修泉 さくら(いずみ さくら) 先生 皮膚科専門医。

東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業し院長に。NHK『趣味どきっ!』など多数のメディア出演も。

イラスト:もと潤子

バックナンバー BACK NUMBER

バックナンバー一覧