インナービューティ特集 ヘルスケア

加齢+春環境=肌トラブルが加速

若々しい人はみんな、インナーケアを意識している!

加齢によって体、肌のさまざまな悩みが増えていきます。さらに日々受ける刺激、特にこの季節は紫外線で肌には大きなダメージが生じ、シミ、シワ、たるみなどのエイジング悩みが発生します。このエイジングに関して最近注目されているのが、肌の酸化ストレスと糖化ストレスです(詳細はコラム参照)。こうしたダメージに対抗するには、体の外からのお手入れ=スキンケアだけでは不十分。体の中からのお手入れ=インナーケアが不可欠になってきます。

紫外線老化をカバーするなら、紫外線をブロックするアイテムや、日やけ止め、美白美容液などのケアアイテムを取り入れながら、食事やサプリなどでダメージを防ぐ成分を摂る、質のいい睡眠をとる、運動するなどをプラスすることも大切です。インナーケアは年齢を重ねるほど重要性を増し、実際、見た目が若々しい人は意識していることが多いのです。「もう若くないから」と諦めてしまいがちですが、今からでも遅くありません! 気づいたときから始めることが肝心です。



紫外線、花粉、ストレス...
春環境の肌トラブルにはインナーケアも大事!

年齢を重ねると肌の老化は進みますが、特に春は、紫外線、花粉などの外的刺激、ストレスによってエイジングが加速する傾向に。よりいっそうインナーケアを意識して。

食生活に気をつけて、紫外線老化を予防

紫外線はシミの原因になるほか、酸化&糖化ストレスの引き金にもなり、肌老化を進行させます。酸化ストレスを受けると肌の弾力が低下。また糖化ストレスは弾力のなさ、くすみにつながります。食事の際に酸化を防ぐ成分を多く摂取したり、糖化を起こしにくくする食習慣や運動習慣を身につけて。

[ 東京の年間紫外線量  月別平均 ]

4月から一気に紫外線量は強くなっています。〈衛星による上空のオゾン量や日照時間などのデータを用いて解析〉

〈出典:気象庁データ 日最大UV インデックス(解析値)の月別2023年平均値グラフ〉

外的刺激で起こる乾燥やゆらぎにも食習慣で対応

空気中の花粉やほこり、PM2.5といった外的刺激は、肌の乾燥やゆらぎをまねきます。刺激物質が肌に触れることで肌のバリア機能が低下して、水分が蒸散しやすくなったり、炎症が起こって、かゆみ、赤みなどのトラブルに。ことに花粉が多く飛散するこの時季は要注意です。食事でバリア機能を保つ栄養素や成分を積極的に摂りましょう。


ストレスで肌トラブル。質のいい睡眠を心がけて

4月は引越し、転勤などの環境の変化で心的なストレスを感じやすいとき。ストレスを受けると、自律神経のバランスが乱れて肌のバリア機能が低下。乾燥、赤み、吹き出物といったトラブルが生じることも。自律神経のバランスを整え、良質な睡眠をとるようにして。



肌の糖化と酸化ってナニ?


糖とたんぱく質が結合してダメージになる糖化は体の「焦げ」、活性酸素が細胞を傷つける酸化は体の「サビ」に例えられます。どちらも肌の老化の要因に。






食事、睡眠、運動が3本柱
ライフスタイルから美肌に近づく!

生活上の少しの工夫で紫外線ダメージや糖化&酸化ストレスを軽減し、健やかな肌に!
食事の面で、どうしてもおぎないきれない成分があるときは、サプリメントに頼るのも手です。

【食事でできるケア】
エイジング要因に対抗し、イキイキした肌を育てる

美肌を保つには、老化の要因=酸化&糖化を食事からも防止。酸化対策には抗酸化成分を含む食品を。また糖化対策としては体内で糖を余らせないため、血糖値を上げにくくする食事が効果的。白米、パンなどは控えめにし、食物繊維や酸(酢の物やレモン)を多く摂って。

たんぱく質はしっかり1日50g

糖とたんぱく質が結合してダメージになる糖化は体の「焦げ」、活性酸素が細胞を傷つける酸化は体の「サビ」に例えられます。どちらも肌の老化の要因に。



 コラーゲン 


肌をつくるたんぱく質の材料になる成分でうるおいや弾力に関係。ただし口から摂ったものがすぐ肌のコラーゲンに変わるわけではなく、体内で分解されて使われます。



多く含まれる食品

豚肉、鶏手羽、鶏ガラ、牛すじ





 ビタミンA 


抗酸化作用が高いビタミンです。また、肌の細胞の分裂を促し、ターンオーバーを整え、バリア機能も保ちます。



多く含まれる食品

にんじん、レバー、うなぎ





 ビタミンC 


抗酸化作用で知られる、美肌成分の代表格。体内でコラーゲンが生成される際にも必要な成分です。



多く含まれる食品


柑橘類、キウイ、トマト





 ポリフェノール 


植物の苦味や色素の成分で、ブルーベリーに含まれるアントシアニン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸など多くの種類が。肌の酸化を防ぎます。



多く含まれる食品


ブルーベリー、コーヒー、りんご、ざくろ





 オメガ3系脂肪酸 


肌の乾燥防止に役立つセラミドの材料となるため、適度に取り入れましょう。



多く含まれる食品


イワシなどの青魚、亜麻仁油





 アスタキサンチン 


エビやカニの殻、鮭などに含まれる赤い色素の成分。抗酸化作用、肌のバリア機能の維持が期待されます。



多く含まれる食品


鮭、桜エビ





 ナイアシン 


ビタミンB群の一種。糖質、脂質、たんぱく質の代謝、エネルギー産生に関与し、肌や粘膜を健やかに保ちます。



多く含まれる食品


魚介類、肉類、きのこ




【睡眠でできるケア】
入眠直後の3時間以内に深い眠りに入るのが理想

抗糖化に働くホルモン=メラトニンの分泌と関係が深い睡眠。さらに睡眠中には肌修復を促す成長ホルモンも分泌されています。かつて美肌をつくる眠りのゴールデンタイムは222時といわれていましたが、時間帯は関係なく、入眠後最初の3時間に深い眠りに入ることが大事です。自律神経のバランスを整えて眠りを深くし、ホルモン分泌を促すには、毎日同時刻に起床・就寝、起床後朝日を浴びる、夜に強い光を受けないなどを心がけると良いでしょう。また、眠りの深さを確かめるためアプリを活用する方法もあります。


【動いてできるケア】
食後に体を動かして血糖値の上昇を抑える

運動をすれば、筋力がついて代謝が高まり、血流が促されて肌にいい影響が及びます。加えて最近、運動によって筋肉からマイオネクチンという物質が分泌され、分泌量が多い人はシミができにくく、肌の弾力が高いということもわかってきています。抗糖化を考えた場合、血糖値を急激に上昇させないよう、食後30分を目安に適度に体を動かすと良いでしょう。ウォーキングがおすすめですが、掃除などの家事で体を動かすだけでもOKです。




「インナーケアにプラスしたいおすすめスキンケア」をCHECK!




監修小林 智子(こばやし ともこ)先生 皮膚科専門医・医学博士

肌のコンプレックスに悩む女性たちに正しい知識を手に入れてもらうため、日々情報を発信し続けている。


イラスト:二階堂ちはる

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