ビタミンB1が多く含まれている食べ物は? 適切な摂取量や働きについても解説
美容・健康に欠かせない栄養素の一つであるビタミンB1ですが、普段の食生活で摂取しようとした際に、どのような食べ物に含まれているのか、適切な摂取量はどれくらいなのか気になる方も多いと思います。そこで今回は、ビタミンB1を多く含む食べ物や必要となる摂取量などについてご紹介します。
1. ビタミンB1とは
ビタミンB1は水溶性ビタミンで、世界で最初に発見されたビタミンです。ビタミンB1は、食べ物などに含まれる炭水化物からのエネルギー産生を助ける役割を持っています。
また、皮膚や粘膜の健康維持にも深い関わりがあります。そのためビタミンB1は、私たちの健康と美容に欠かすことができない、非常に重要な栄養素なのです。
2. ビタミンB1が多く含まれる食べ物
ビタミンB1は、肉や魚などの動物性食品と、穀物や豆などの植物性食品に多く含まれています。では、ビタミンB1は具体的にどのような食べ物に多く含まれているのでしょうか。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとに、ビタミンB1を多く含む食品を6つのグループに分け、それぞれ日々の食事に取り入れやすい食品をご紹介します。
肉類
焼いた豚の赤ヒレ肉 / 2.09mg
焼いた豚のもも / 1.19mg
とんかつヒレ / 1.09mg
※食材と100gあたりのビタミンB1含有量
※生の豚肉など食用不可のものは除外しています。
魚介類
焼きたらこ(すけとうだら) / 0.77mg
うなぎのかば焼 / 0.73mg
かつお節(加工品) / 0.55mg
穀類
米ぬか / 3.12mg
小麦はい芽 / 1.82mg
即席中華めん(油揚げ味付け) / 1.46mg
野菜類
漬物・みそ漬(だいこん類) / 3.70mg
ドライトマト / 0.68mg
えだまめ / 0.31mg
果実類
ドライマンゴー / 0.27mg
ブルーベリー(乾燥) / 0.12mg
オレンジ / 0.10mg
3. その他、動物性・植物性食品で多く含まれている食材
その他、動物性・植物性食品でビタミンB1を多く含む食材は下記の通りです。
生ハム / 0.92mg
イクラ / 0.42mg
そば / 0.50mg
大豆 / 0.88mg
これらビタミンB1を多く含む食材を日々の食生活に上手に取り入れて、ビタミンB1の摂取を心がけましょう。
4. ビタミンB1の1日あたりの適切な摂取量
ビタミンB1の適切な摂取量は年齢や性別で異なりますが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」ならびに「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、男性の場合は18〜49歳では1.4mg、50〜69歳では1.3mg、70歳以上では1.2mgが推奨量とされています。
一方、女性の場合は18〜49歳では1.1mg、50〜69歳で1.1mg、70歳以上では0.9mgが推奨量とされています。
サプリメントなど健康補助食品を活用する方法もありますが、意識的に摂取すれば食品からだけでも十分に摂取できる量であるともいえます。
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)
出典:令和元年国民健康・栄養調査報告
5. ビタミンB1は実際にどれくらい摂取できているのか
ビタミンB1の適切な摂取量に対して、私たち日本人は実際にはどのくらいのビタミンB1を摂取できているのでしょうか。
実際のビタミンB1の摂取量について厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、男女平均で20〜39歳で0.92mg、40〜49歳で0.98mg、50〜59歳で0.91mg、60〜69歳で0.98mg、70〜79歳で0.99mg、80歳以上で0.85mgとされています。各年代でもう少し心がけてビタミンB1を摂取する必要性があるといえます。
例えば、40代の適切な摂取量である「1.1mg」に対して、実際に摂取できている量は「0.98mg」と0.12mg足りていません。適切な摂取量を満たすためには、料理のおつまみやサラダにえだまめ(0.24mg)を加えてみたり、おやつをドライマンゴー(0.27mg)に変更してみたりと、日々の生活の中に少し足すことで摂取できます。
6. 健康維持にはビタミンB群が大事
ビタミンB1はビタミンB群の一種で、水溶性ビタミンのうちビタミンC以外はすべてビタミンB群になります。ビタミンB1のほか、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンです。
ビタミンB1だけでなく、ビタミンB群の多くが私たちの健康と美容のために欠かすことができない栄養素といえ、積極的に摂取していくことが大切です。
7. まとめ
忙しい毎日の中でつい食生活が乱れることもあるでしょう。しかし、それが慢性的に続かないように注意することが何よりも大切です。
米ぬかや小麦はい芽、豚肉のヒレ肉などに多く含まれるビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生に欠かすことができない栄養素です。健やかな皮膚や粘膜を保つためにも重要であるにもかかわらず、現代人が不足しがちな栄養素でもあります。
健康と美容のために、ビタミンB1だけでなく、ビタミンB群全般が多く含まれる食材を意識的に摂りましょう。