ひびやあかぎれが起きる原因とは? 予防するためのポイントを紹介
手の甲や指などに生じる「ひび」や「あかぎれ」。特に寒い冬の時期になると、悩まされる人もいるのではないでしょうか。
ひびやあかぎれは何が原因で起きるのか、また、どのような対策をすればいいのでしょうか。また、しもやけやささくれ(さかむけ)とはどう違うのかも併せてご紹介します。
1. ひびやあかぎれとはどんな状態のこと?
手指や足先などの皮膚がぱっくりと割れたようになるひび・あかぎれ。痛みや出血をともなうことも多く、ひどくなると日常生活に支障をきたすことも。
水仕事をする人はひびやあかぎれに悩まされることも多く、また、気温や湿度が低下する冬の時期は特に注意が必要です。
しもやけとの違い
寒い時期に、手や足の指などが赤くなったり痛みを感じたりする状態と聞くと、"しもやけ"をイメージする人もいるかもしれません。
しもやけの主な原因は、冬から春頃にかけて起こりやすい温度変化によるものです。気温が低く、さらに1日の寒暖差が10度以上になると起こりやすいといわれています。
温度変化が何度も起きると、手足などの血管の収縮と拡張が頻繁に起こり、それが刺激となることで血液循環に障害が生じ、しもやけができてしまいます。
血流の滞りやすい手の指や足先などの末端に発生しやすく、赤く腫れたようになる、痛がゆい、熱感などを生じることが多いのが特徴です。
ささくれ(さかむけ)との違い
もう一つ、手指が荒れたようになる状態として、"ささくれ(さかむけ)"があります。ささくれは気温変化などは関係ありません。皮膚の水分や油分が減少し、爪周りが乾燥してしまうことによって生じます。
乾燥によって皮膚が硬くなると、部分的に細かくさけたり皮が剥けたりするようになり、爪周りの皮が毛羽立った状態になります。そのまま放置していると、ささくれが広がってしまうこともあり、痛みや出血がみられることもあります。
2. ひびやあかぎれになる原因
では、ひびやあかぎれはどんなことが原因で生じるのでしょうか。
皮膚の水分や油分が不足しガサガサの状態になると、皮膚に亀裂が入りやすくなります。この亀裂が"ひび"と呼ばれるものです。
さらに指の関節などは、皮膚が曲げ伸ばしされることが多いので、引っ張られる力によってさらに亀裂が深くなってしまうことがあります。亀裂が深くなり、赤みや痛みをともなうようになった状態が"あかぎれ"です。
また、ひびやあかぎれは乾燥だけでなく、
- 消毒薬や洗剤などの薬剤による刺激
- 日常的に水をよく使う環境
このような状況でも発生しやすく、悪化の原因になることもあります。
消毒薬や洗剤の一部には、皮膚の刺激になったり、肌に元から備わっている保湿成分を奪い取ってしまう成分が含まれているものもあります。
また、家事や仕事などで頻繁に水を使うことも、肌表面を覆っている保湿成分の流出につながり、ひびやあかぎれの悪化の要因となることもあります。
3. ひびやあかぎれが起こりやすい時期
ひびやあかぎれは、しもやけと同様に寒い時期に起こりやすいといわれています。
先ほどもご紹介したように、乾燥が原因の一つにあります。寒い時期は汗や皮脂の分泌量が低下することで、より皮膚が乾燥しやすい状態になります。さらに、冬場の冷気が刺激になることもあります。
ただし、消毒薬や洗剤の使用、水仕事なども要因となるため、冬のみに起こるわけではないので注意が必要です。
4. ひびやあかぎれになりやすい部位
ひびやあかぎれは、乾燥しやすく刺激を受けやすい下記のような部分にできやすいといわれています。
手の甲や指
手洗いの影響などもあり、手の甲や指はひびやあかぎれができやすい場所です。特に、手の指は頻繁に曲げ伸ばしをすることもあり、引っ張られてひびが起こりやすかったり、外部刺激を直接受けやすかったりすることも理由の一つです。
かかと
乾燥しやすく外部刺激を受けやすい部分に、足のかかとがあります。保湿ケアをさぼってしまい、ガサガサになった経験がある人も多いのではないでしょうか?
身体の全体重を支えているかかとには常に圧力が加わっており、その外部刺激から守ろうとする防御反応によって皮膚表面は硬くなってしまいます。
また、足の裏には皮脂腺がないため、乾燥しやすいことも原因の一つです。その結果、かかとに"ぱっくり割れ"ができてしまったということが起こります。
5. ひびやあかぎれの対策・予防方法
ひびやあかぎれを防ぐためには、日頃からのこまめなケアが大切です。ひどくならないようにするためには、下記のような対策・予防方法を行ってみましょう。
保湿をこまめに行う
ひびやあかぎれの原因となる肌の乾燥を防ぐためにも、手を洗ったあとや、寝る前など、気がついたときにはこまめに保湿をする習慣をつけましょう。セラミドや尿素などを配合した保湿効果の高いクリームがおすすめです。
水分はすぐに拭き取る
手を洗ったあとなどに水分をしっかり拭き取らずそのままにしておくと、水分が蒸発する際に肌の水分も一緒に蒸発してしまい、余計に乾燥を招いてしまうことがあります。
手洗い後は、できるだけ早めに水分を拭き取りましょう。その際、ゴシゴシと強く擦ってしまうと肌を傷めてしまい、ひびやあかぎれを悪化させてしまうことがあります。そのため、吸水性がよく肌当たりのいいタオルなどで優しく押さえるようにして拭き取ってください。
加湿器を使用する
空気の乾燥も肌の乾燥にもつながるため、ひびやあかぎれが気になるときは、加湿器などを利用して部屋の湿度も適切に保つように心がけましょう。
特に冬場は、外気の湿度が低く、エアコンを使うことでより空気が乾燥しやすくなるので要注意。快適な湿度の目安は、40~60%程度です。
ゴム手袋を利用する
家事や仕事などで水を使うことが多い人は、できるだけゴム手袋をするなどの対策をしましょう。肌に元から備わっている保湿成分の流出を防いだり、洗剤などの刺激から肌を守る役割をしてくれます。
外出時には防寒対策する
乾燥した冷たい外気に皮膚がさらされることも刺激となるため、外出時には、できるだけ手袋をするなどして防寒対策をしましょう。乾燥した空気に触れることで、肌のうるおいが奪われることからも守ってくれます。
血行を促進させるために体を温める
寒い冬は血行が悪くなりがちなので、夜は湯船につかるなどして、しっかりと身体を温め血流をスムーズにすることも大切です。
ただし熱すぎるお湯を使うと、肌の保湿成分が失われやすくなるため、入浴やシャワーの温度は38度から40度程度がおすすめです。
6. ひびやあかぎれになってしまったら?
ひびやあかぎれは、日常生活にも支障をきたすため、ひどくならないうちに予防をすることが大切です。ただし、すでにひび割れや痛みが出てしまっている場合は、少しでも早く改善できるようにケアを行いましょう。
- 傷の修復を助ける働きをしてくれる絆創膏を使用する
- 炎症を抑える効果のある市販薬を塗る
- 医療機関を受診する
傷がひどくなってしまったら、保湿だけでは治りにくくなってしまうので、傷の修復効果がある絆創膏や軟膏などを使用するようにしましょう。
また、状態が悪化する場合や痛みが緩和しない場合などは、早めに医療機関を受診し、医師に相談するようにしてください。
7. まとめ
乾燥や寒さが気になる季節は、特に注意が必要なひびやあかぎれ。
痛みや出血がともなうと、日常生活にも支障が出てしまいとてもつらいものです。ひどくなると長引いてしまうこともあるので、できるだけひびやあかぎれを作らないように、こまめな保湿ケア等を心がけてくださいね。