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ウォーキングは有酸素運動のひとつで、さまざまな効果があります。また、適度な時間や頻度で行うと、さらにウォーキングの効果が得られやすいといわれています。

この記事ではウォーキングの基礎知識や得られる効果、正しい取り入れ方を解説します。

これからウォーキングを始める方や、正しいウォーキングを取り入れたい方は参考にしてください。

 1. ウォーキングとは?

ウォーキングは、有酸素運動の一環として「歩く」ことを指します。しかし単なる散歩と比べると、動きや歩くスピードを意識する点が違います。

ウォーキングの目的は、健康サポートやダイエットなど人それぞれです。目的を持って「歩く」ことと、有酸素運動のひとつであることから、さまざまな効果を得られます。

ウォーキングは、慣れるまでは無理のない速度で継続することが大切です。人によって無理のない速度は異なるものの、歩く速さは1分間に60メートル程度が目安です。人の歩幅は70㎝前後と言われているため、1秒間に1~1.5歩を意識して、楽におしゃべりができる程度の速度で歩きます。

ウォーキングに慣れてペースアップできる場合は、1秒間に2~3歩程度を意識しましょう。


 2. ウォーキングで得られる効果

先述したように、ウォーキングは目的を持って行う有酸素運動のひとつで、主に以下のような効果が得られます。

・体力を維持する効果
・ダイエットをサポートする効果
・ストレスを解消する効果
・骨の健康維持をサポートする効果

それぞれ以下で詳しく解説します。

体力を維持する効果

人は加齢とともに体力が低下する傾向にあります。体力とは、筋力や握力、平衡感覚、瞬発力など、体を動かす能力にかかわる複数の要素のことです。

運動の一環である「歩く」動作は、平衡感覚や瞬発力などの体力を維持するために重要な役割を果たします。

運動などの活動機会が減ると、体力の低下に気を付けなければなりません。体力が低下すると疲れやすさなどにつながるため、意識的な運動としての「歩く」動作だけでなく、日常生活の中で行われる「歩く」動作も自然に減少します。

その結果、さらなる体力の低下にもつながり、平衡感覚の鈍りや筋力低下などから転倒しやすくなるといわれています。

そのため、最近では転倒予防のためにウォーキングを取り入れる方法もあります。ウォーキングとともに筋力トレーニングも取り入れると、より体力の維持につながります。


ダイエットをサポートする効果

先述したようにウォーキングは有酸素運動のひとつです。有酸素運動は体内の糖や脂肪をエネルギーとする、筋肉への負荷が比較的軽い運動です。

そのため、エネルギー元である体内の脂肪を燃やす働きが期待でき、ダイエットのサポートにもなります。

肥満は体に良くない影響を及ぼす要因になるため、日頃からウォーキングなどの対策を取り入れましょう。


ストレスを解消する効果

ウォーキングを行うと、自律神経のバランスが整えられるだけではなく、心と体をリラックスさせる働きがあるセロトニンが分泌されるため、ストレス解消が期待できます。

また、ウォーキングによって適度に疲れることで、夜も眠りにつきやすくなります。夜しっかりと眠れることで、脳や体の疲れも取れやすくなります。

ウォーキングは基本的に外に出て行う活動ですが、一緒にウォーキングする人がいる場合は、会話などの交流を楽しむ機会にもなるでしょう。


骨の健康維持をサポートする効果

ウォーキングのような重力の加わる運動をすることで骨に刺激が加わり、骨の健康をサポートする効果も期待できます。

また、ウォーキング中に直接日光を浴びると、骨の健康維持に大切なビタミンDを体内で作り出すことができます。ただし、日光に当たりすぎてしまうと日やけや体への負担が大きくなってしまうため、適度に日光浴をすることが重要です。


 3. ウォーキング効果が出るまでどれくらい?歩数や時間は?

ウォーキングを始めたばかりの方は、効果がいつ頃から現れるのか気になるかもしれません。結論として、ウォーキングの効果は年齢や性別、歩く頻度や速度によっても変わるため、一概に言い切ることはできません。

効果を得るためには、無理のない範囲で継続して続けることが大切です。急激な変化を期待するのではなく、自分のペースで着実に積み重ねていきましょう。

以下で、効果を得やすい理想的な歩数や時間を具体的に解説していきます。

中強度(早歩き)で1日8,000歩が理想

一般的にウォーキングは、1日8,000歩、そのうち中強度(早歩き)の歩行を20分程度取り入れることが理想とされています。

しかし、最初から毎日8,000歩を達成するのは難しい場合もあるでしょう。この場合、まずは短時間の歩行を複数回行い、徐々に8,000歩を目指すことがおすすめです。

まずは週1~2回から始めて、慣れてきたら徐々に回数を増やしましょう。ウォーキングの効果を実感できる期間は個人差があり、歩く速さや時間、頻度などによっても変わります。

いずれにせよ、ウォーキングは継続することが大切です。効果が実感できないからと言って焦らず、自分にとって「楽しかった」「気持ち良かった」と思えるような、無理のない回数や時間で取り組みましょう。


日本人の平均歩数は足りてない?

厚生労働省の「国民健康・栄養調査結果の概要(令和元年)」によると、日本人の1日あたりの平均歩数は男性で6,793歩、女性で5,832歩です。

これらの数値は、前述した理想的な歩数18,000歩を下回っています。日本人の多くは、健康維持に必要とされる歩数に達していないのが現状です。

健康的な生活を送るためには、日頃から意識的にウォーキングを取り入れることが大切です。通勤時や休憩時間を利用するなど、日常生活のなかで歩く機会を増やす工夫をしましょう。


 4. ウォーキング効果を得るための正しいやり方

ウォーキングの効果を高めるためには、ストレッチと正しいフォームを意識することが大切です。以下で詳しく解説します。

ストレッチをとり入れる

ウォーキングを始める前に、ストレッチなどのウォーミングアップを行うことは非常に重要です。いきなり歩き始めるのではなく、体を徐々に活動モードに切りかえることで、けがや事故の予防にもつながります。

具体的なストレッチ方法は、以下のようなものがあります。

  1. アキレス腱のストレッチ:片足を後ろに引き、かかとを地面につけたまま前に体重をかける
  2. ひざの曲げ伸ばし:軽くしゃがむ・立つ動作を繰り返す
  3. ももの裏ストレッチ:両足を少し開き、上体をゆっくり前に倒す
  4. 体側のストレッチ:立った状態で片手を頭上に伸ばし、反対側に体を倒して脇腹を伸ばす
  5. 手首・足首まわし:手首をほぐすのとつま先を立てて足首を回す動作を同時に行う

無理な姿勢は避け、痛みを感じない範囲で行いましょう。


正しいフォームを意識する

効果を得るためのウォーキング方法として、まずは正しい姿勢を意識しましょう。

ウォーキングの正しい姿勢は、肩の力を抜き、あごを引いて背すじが伸びた姿勢です。視線は10m程度先を見ると、胸を張った姿勢で歩けます。

ひじは90度に曲げ、腕はしっかり前後に振りましょう。歩幅は普段よりもやや広めを意識し、歩く速度は普段の歩行より速めにします。そして、かかとから着地するのが、正しい姿勢です。

また、フォームだけではなくウォーキングコースに気を配る事も大切です。初心者や体力に自信がない方は、できるだけ平たんなコースから始め、慣れてきたら階段や上り坂を組み入れて少しずつ負荷を増やすのも効果的です。


5.ウォーキングに効果的な時間帯はある?

ウォーキングは適切な方法で行えば、どの時間帯でも効果を期待できます。しかし、時間帯によって体の状態や環境は異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

朝のウォーキングは、爽快な気分で1日をスタートできるメリットがあります。しかし、体がまだ十分に目覚めていない可能性があるため、入念なウォーミングアップを行い、徐々に体を慣らしていきましょう。空腹の状態では倒れてしまう「可能性もあるため、軽く食事を取っておくことも大切です。

昼間は、交感神経が活発に働く時間帯で、運動に適しています。日が出ている時間帯でもあり汗をかきやすいため、水分補給を意識しましょう。ただし、食後はすぐに運動せず、1時間程度空けることをおすすめします。

夜のウォーキングは、適度な運動でリラックス効果が期待でき、良質な睡眠につながる可能性があります。ただし、寝つきを悪くしないよう激しい運動は避けましょう。また、暗い道は危険なので、街灯のある明るいコースを選んだり、反射材を身につけたりするなど、安全面にも配慮しましょう。


6.ウォーキングを行う際の注意点

ウォーキングをより安全に楽しむための注意点を3つ紹介します。これらを意識することで、長期的にウォーキング習慣を維持しやすくなるでしょう。

季節や天候に合った対策を行う

ウォーキングを安全に楽しむためには、季節や天候に合わせた対策を行うことが大切です。その日の気象条件を確認し、快適に歩ける環境を整えましょう。

夏など気温が高い日には、直射日光対策が不可欠です。帽子やサングラスを着用し、日やけ止めを塗ることで、熱中症や日やけのリスクを軽減できます。

また、気温が最も高くなる時間帯を避け、ウォーキングコースは日陰を選ぶなどの工夫も意識しましょう。特に熱中症警戒アラートが発表されている日は、外出を控える判断も必要です。

一方、冬など気温が低い日には、防寒対策が重要になります。帽子や手袋、マフラーなどを身につけ、体温の低下を防ぎましょう。可能であれば、日中の比較的暖かい時間帯を選んでウォーキングすることをおすすめします。


自分の足に適したウォーキングシューズを選ぶ

ウォーキングを快適に続けるためには、自分の足に合ったシューズ選びも重要です。適切なシューズは足の負担を軽減し、けがの予防にも繋がります。一方で、合わない靴を履いたままウォーキングを続けると、足の痛みや疲労感につながる可能性があります。

シューズを選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。

  • 通気性の良さ:足の蒸れを防ぐ
  • クッション性:靴底で衝撃を吸収し、足やひざへの負担を軽減
  • フィット感:つま先に指1本程度のゆとりがあるもので靴ずれリスクを低減
  • マジックテープもしくはひも付き:締め具合を微調整でき安定性が増す


可能であれば、実際に履いて歩いてみてから購入することをおすすめします。

こまめな水分補給を忘れない

ウォーキング中の水分補給は、健康維持と熱中症予防のために非常に重要です。特に暑い日は、こまめな水分補給を欠かさないようにしましょう。

のどの渇きを感じてからでは、すでに体内の水分が不足している可能性があるため、渇きを感じる前から定期的に水分を摂取することが大切です。2030分ごと、または目印になるポイントごとに水分を取る意識をしましょう。

また、汗をかくことで体内の塩分も失われるため、水だけでなくスポーツドリンクなどの飲料で補給することも効果的です。

年齢を重ねると、暑さやのどの渇きを感じにくくなる傾向があります。しかし、のどが渇いていなくても、体内では確実に水分が失われているため「水分補給をしなくても大丈夫」と思わず、意識的に水分を摂取しましょう。


その日の体調と相談して無理なく続ける

大切なのは日々の自分の体調と相談しながらウォーキングを取り入れることです。体調不良の場合に無理をすると効果的なウォーキングにはつながりません。ウォーキング中にも無理をせず、適宜休憩を取り入れて水分補給しながら行いましょう。


 7. 正しい方法でウォーキング効果を得て、いつまでも健康を保とう

ウォーキングの効果や効果的な時間、正しい方法はご理解いただけましたか。

ウォーキングは有酸素運動のひとつで、単なる散歩とは異なります。有酸素運動であることから、体力の維持やダイエットのサポート、ストレス解消効果があるといわれています。

1日8,000歩、そのうち中強度(早歩き)の歩行が20分程度あるウォーキングが理想とされていますが、最初から毎日8,000歩を達成するのは難しい場合もあるでしょう。この場合は、短時間の歩行を複数回行うことを目安に、週1~2回から始めてください。

そして、慣れてきたら徐々に時間や回数を増やすことで、日々の継続につながりやすくなります。

自分に合ったウォーキング方法を取り入れ、楽しみながらいつまでも健康を保ってください。


監修川上洋平(かわかみ・ようへい) 医師・医学博士・整形外科専門医

神戸大学医学部卒業。米国ピッツバーグ大学留学、膝スポーツ疾患や再生医療を学び、北播磨総合医療センター、神戸大学病院、新須磨病院勤務を経て、患者さんにやさしく分かりやすい医療を提供することを目的に、かわかみ整形外科クリニックを開業。日本整形外科学会専門医、再生医療学会認定医。英文論文執筆多数。専門は膝関節外科、スポーツ障害、再生医療。 *医師が特定の商品を推奨しているわけではありません。

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