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「最近なんだか違和感がある」とお悩みではありませんか。あなたが今感じている体の違和感は、鉄分不足が原因の可能性があります。

しかし、鉄分不足だと気付いている方は少ないのが現状です。また、鉄分不足を感じていても、対策方法が分からず、特に対策を取れていない場合が多いのではないでしょうか。

鉄分不足の対策として、まずは血を作る食べ物を摂取しましょう。血を作る食べ物とは、鉄分を多く含む食べ物のことです。鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄に分かれており、普段の食事では吸収率が高いヘム鉄を意識して摂ると良いでしょう。

この記事では、1日に必要な鉄分量や血を作る食べ物としておすすめの食品を解説します。鉄分不足を防ぎたい方、普段の食事で気をつける方法を知りたい方は参考にしてください。


 1. 血を作る食べ物とは?

血を作る食べ物とは、「鉄分」が多く含まれる食べ物のことです。

鉄分不足の原因はさまざまですが、原因のひとつに赤血球のヘモグロビンに多く存在する鉄の不足が考えられます。

赤血球は血中で最も多い細胞です。内部にはヘモグロビンという名前の鉄を含む赤いたんぱく質が充満しています。このヘモグロビンが酸素と結合し、体のすみずみの細胞にまで酸素を運び、エネルギーを効率よく作り出すために使われます。

10代後半から40代の女性は、月経があるため鉄分の損失が大きくなります。しかし、鉄分不足だと認識している人は少なく、何らかの体の違和感を抱えている可能性があります。

したがって、鉄分不足をおぎなうためには、自分が鉄分不足である可能性が高いと認識し、鉄分不足による体への悪影響を減らすためにも、食事から血を作る食べ物を摂取することが大切です。


 2. 1日に必要な鉄分

厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(*1)」では性別、男女別、ライフステージ(妊娠中、授乳中などのこと)ごとに食事による栄養素の摂取基準が策定されています。

以下の表のように女性は月経有無や年齢などによって必要な鉄分摂取量が異なります。そのため、成人の1日当たりで摂取すべき量は10.5 mg程度と覚えておくと良いでしょう。

年齢

月経 摂取基準量
18~29歳の女性 あり
なし
10.5 mg
6.5㎎
30~49歳の女性 あり
なし
10.5 mg
6.5㎎

50~64歳の女性(閉経期に入る)

あり
なし
11.0㎎
6.5㎎
65歳以上 なし 6.0㎎

しかし、日本人の女性で十分な鉄分量を摂取できているのは約6割とされており、鉄分が不足している方が多いのが現状です(*2)。

成人女性の1日当たりの平均鉄分損失量は0.8~1.3mg程度です(*3)。しかし、損失量に対して1日当たりに摂取すべき量が10.5 mg程度と言われているのは、摂取した鉄分がすべて体内に吸収されるわけではないからです。

鉄分を意識して摂取すると、摂りすぎが気になることもあるでしょう。しかし、鉄分の健康に悪影響を及ぼすリスクがないとされる量の上限は、成人女性の場合1日に40 mg程度と策定されています(*1)。

この鉄分量は、食事で過剰摂取になる可能性はほぼないと考えられるため、日々の食事から意識的に鉄分を摂取することが大切です。

そして、定期的に鉄分の充足状態を知るためには、体内の貯蔵鉄の指標となる血清フェリチン濃度の測定などの検査を利用することもおすすめです。最近では、尿中のフェリチン濃度を測定することで、鉄分の充足状態を判定できる方法が開発されています。

*1.出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
*2.出典:厚生労働省「平成 30 年国民健康・栄養調査結果の概要」
*3.出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」



 3. ヘム鉄・非ヘム鉄とは

食べ物中の鉄分は大きく分けるとヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に分類されます。

ヘム鉄とは、赤血球中のヘモグロビンと赤身の筋肉中のミオグロビンに含まれている鉄分のことです。主に肉や魚に含まれる動物性食品由来の鉄分で、グロビンというたんぱく質と結びついています。一方、非ヘム鉄とは、ヘム鉄以外の形で食べ物に含まれる鉄分のことです。

ヘム鉄のほうが、非ヘム鉄よりも鉄としての吸収率が高いとされています。しかし、日本人は鉄分として非ヘム鉄を摂取している割合が多いのが現状です。効率よく鉄分を摂取するためには、吸収率が高いヘム鉄をより多く含む食品を普段の食事に取り入れると良いでしょう。 

ただし、ヘム鉄と非ヘム鉄は、それぞれ独立した二つの吸収機構を消化管内に持っているので、両者のバランスを考えることも大切です。


 4. 血を作るおすすめの食品

体への吸収率が高いのはヘム鉄ですが、さまざまな鉄分の多い食品を選び、おいしく食べる事が大切です。

また鉄分だけではなく、非ヘム鉄の吸収を助けるビタミンCを含む食品も一緒に摂取すると良いです。ビタミンCは小松菜やブロッコリー、柑橘類などの果物、いも類に多く含まれるため、意識的に摂取してください。

この項目では、血を作るおすすめの食品を、ヘム鉄を多く含むもの(実際には非ヘム鉄も多く含む)と非ヘム鉄のみを多く含むものに分けてご紹介します。二つの形の鉄分を合わせて、1日に10.5 mg程度を意識して摂取しましょう。


ヘム鉄を多く含むおすすめの食品

ヘム鉄を(実際には非ヘム鉄も)多く含むおすすめの食品は、おもに以下のとおりです。動物性食品由来の鉄分ともいわれます。

  • 赤身肉(豚、牛、まぐろなど)
食品名

ヘム鉄(100g当たり) 非ヘム鉄(100g当たり)
赤身の豚肉 0.5 mg程度 0.3 mg程度
赤身の牛肉 1.5 mg程度 0.5 mg程度
まぐろの普通の筋肉 4 mg程度 2 mg程度
  • レバー(鶏や豚,牛)
食品名

ヘム鉄(100g当たり) 非ヘム鉄(100g当たり)

豚のレバー

3 mg程度

15 mg程度

その他、ヘム鉄含量が非常に高いのは血合い肉です。マグロ類の血合い肉部分には、100 g当たり50 mgものヘム鉄が含まれています。


非ヘム鉄のみを多く含むおすすめの食品

非ヘム鉄を多く含むおすすめの食品は、おもに以下のとおりです。植物性食品由来の鉄分ともいわれます。

食品名 

非ヘム鉄(100 g当たり)
小松菜(ゆで)     2.1 mg程度
ほうれん草(ゆで)   0.9 mg程度
糸引き納豆  3.3 mg程度

5.血を作る食べ物を取り入れ、鉄分不足を防ごう

1日に必要な鉄分量や血を作る食べ物、ヘム鉄と非ヘム鉄の違いはご理解いただけましたか。

血を作る食べ物は鉄分を多く含む食べ物のことで、1日に10.5mg程度の摂取が必要です。

普段の食事から鉄分を効率良く摂りたい場合は、吸収率の高いヘム鉄を多く含む赤みの肉やレバーがおすすめです。これらの食品は同時に非ヘム鉄も多く含んでいます。

吸収率が低めの非ヘム鉄でも、吸収を助けてくれるビタミンCを一緒に摂ると、鉄分の吸収サポートになります。

紹介した食品を普段の食事に取り入れて鉄分不足を防ぎ、健康的な毎日を送りましょう。

監修柴田克己(しばた かつみ)

京都大学大学院博士課程修了。帝国女子大学、滋賀県立大学、甲南女子大学に勤務。文部科学省学校給食摂取基準策定に関する調査研究者協力会議委員、日本人の食事摂取基準策定委員会委員(2005年版、2010年版、2015年版、2020年版)、滋賀県食の安全・安心審議会会長などを歴任。現在、滋賀県立大学名誉教授、藤田医科大学客員教授、ビタミンB研究委員会顧問、ビタミン・バイオファクター協会監事など。 *専門家が、特定の商品を推奨しているわけではありません。

 バランスの良い食事で健康を保ちながら、
サプリメントを活用する方法もある

「鉄分不足を防ぐためには、普段の食事から鉄分を摂ることが大切です。しかし、毎日鉄分を意識した食事を準備するのは難しい場合もあるのではないでしょうか。

このような場合には、サプリメントを取り入れる方法もあります。

食事摂取基準に基づいた栄養素バランスの良い食事で1日当たり10.5 mg程度の鉄分を摂ることを意識しながら、さらにサポートがほしい場合は上手くサプリメントなどを活用しましょう。


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