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「ビタミンD」という名前を知っていても、どのような栄養素なのかよく分からない方は多いのではないでしょうか。

ビタミンDは、健康な体づくりをサポートしてくれる、私たちの生活に欠かせない栄養素です。

しかし、現状は多くの日本人がビタミンD不足であるという報告があります。

この記事では、ビタミンDの特徴や1日当たりの摂取目安量、多く含まれる食品、摂り方について解説します。

毎日を元気に過ごしたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。


 1. ビタミンDはどんな栄養素?

ビタミンDは、健康的な体の土台作りに欠かせない栄養素の1つです。

そもそもビタミンは、性質によって水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。ビタミンDは脂溶性ビタミンにあたり、水に溶けにくく脂質とともに摂取すると吸収されやすくなる性質があります。

このビタミンDには大きな特徴があります。それは、太陽の紫外線を浴びることにより、体内で作ることができる点です。しかし、太陽を浴びるだけで必要なビタミンDを作ることは難しいため、食品からも摂取することが大切です。

必要なビタミン量を供給する手段は、大きくわけて2つあります。
1.日光の紫外線を浴びることにより皮膚から作られる
2.ビタミンDを含む食品を摂取する

ビタミンDには、干ししいたけなどの植物由来のビタミンD2と、鮭やまぐろなどの青魚類、卵類などの動物由来のビタミンD3の2種類があります。紫外線を浴びることで作られるビタミンDはビタミンD3のタイプです。

人間の体における働きは、ビタミンD2とビタミンD3どちらをとっても、ほとんど同じとされています。


 2. ビタミンD1日の摂取目安量

ビタミンDは、1日にどのくらいの量を摂取すると良いでしょうか。

厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりのビタミンDの食事由来の必要量が目安量として示されています。成人女性の目安量は以下のとおりです。

年齢

1日の目安量(㎍)

1829 8.5
3049 8.5
5064 8.5
6574 8.5
75歳以上 8.5
妊婦 8.5
授乳婦 8.5

*出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

厚生労働省によると、18歳以上のビタミンDの摂取目安量は、成人の男女ともに1日当たり8.5㎍となっていますが、10㎍程度と覚えておくと良いでしょう。

ただし上記の摂取目安量は、適度な日光浴により体内でビタミンDが生産されていることを踏まえて策定されています。つまり適度な日光を浴びないと、ビタミンDの目安量を食事から摂っていても、不足してしまう可能性があります。

なお、日光によるビタミンDの体内生産がまったくない場合は、1日当たり20㎍ほど摂取すると良いとされています。


 3. ビタミンDを含む食品

何を食べればビタミンDを摂れるのか、具体的な食品を見ていきましょう。

ビタミンDを多く含む主な食品は、以下のとおりです。

食品名 100g当たりの含有量(㎍)
きくらげ(乾) 85.0
しらす干し(半乾燥品) 61.0
べにざけ(生) 33.0
まいわし(生) 32.0
しいたけ(乾) 17.0
さんま(焼) 13.0
卵黄(生) 12.0
めばちまぐろ・脂身(生) 8.1
まさば(生) 5.1

*出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

ビタミンDは鮭やいわし、さんまなどの脂質の多い青魚類に多く含まれています。

食品の中には、紫外線に当てるとビタミンDの含有量が増加するものがあります。例えば、しいたけは生のままだと含有量が0.3㎍ですが、日光に当てて乾燥させると17.0㎍になります。

また、卵には、卵黄の部分のみにビタミンDが含まれています。

このように、ビタミンDは青魚類や卵類、きのこ類に多く含まれています。しかし、穀類や緑黄色野菜類、豆類にはあまり含まれていないことも覚えておくと良いでしょう。

日常生活で青魚類や卵類、きのこ類を食べる習慣があまりない方は、ビタミンDが不足する傾向にあるので、今後は意識して摂取することが大切です。


 4. ビタミンDを摂取する際のポイント

ここでは、ビタミンDを食事から摂取する際と体内で生成させる際のポイントを3つ紹介します。

  1. 油と一緒に摂る
  2. バランスの良い食事を心がける
  3. 適度に日光を浴びる

油と一緒に摂る

ビタミンDは脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂取すると吸収率が高まります。ビタミンDを含む食品を調理する際は、炒めものや揚げものにすると良いでしょう。

バランスの良い食事を心がける

ビタミンDは大切な栄養素ですが、ビタミンDを多く含む食品は青魚類や卵類、天日干しのきのこ類しかありません。

栄養素をバランス良く摂るために、特定の食品に偏らないようにしましょう。

ただし、ビタミンDは脂溶性ビタミンで、体に蓄積しやすい特徴があるため、多く摂れば摂るほど良いわけではないということも覚えておきましょう。

適度に日光を浴びる

ビタミンDは紫外線を浴びると皮膚でつくられることから「太陽のビタミン」と呼ばれています。

体内で作られるビタミンDの量は、季節や時間帯、場所によって異なります。

日本の各地(札幌、つくば、那覇の3つの地点)で、日焼け止めを塗っていない顔と両手を露出した状況で、5.5㎍のビタミンDを産生するのに必要な日照時間(分)を調べたところ、以下の表のような結果が報告されています。7月の12時ならば、数分で5.5㎍のビタミンDを作ることができます。

5.5㎍のビタミン D 量を産生するために必要な日照曝露時間(分)

  7月     12月    
  9時 12時 15時 9時 12時 15時
札幌
(北緯43度)

7.4

4.6

13.3

497.4

76.4

2741.7
つくば
(北緯36度)

5.9

3.5

10.1

106.0

22.4

271.3
那覇
(北緯26度)

8.8

2.9

5.3

78.0

7.5

17.0

*出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

ビタミンDを生成する紫外線B波は、ガラスや服を貫通しない点にも注意が必要です。

窓越しに日に当たっていてもビタミンDは生成されないので、散歩や外出を楽しみながら日光に当たってください。


5.バランス良くビタミンDを取り入れて、いつまでも健康に過ごそう

ビタミンDは元気で健康な体をキープするために大切な栄養素です。

青魚類や卵類、きのこ類に多く含まれていて、日光を浴びることで体内でも生成されます。

ビタミンDの必要量は、食事由来として成人1日当たり10㎍程度、適度な日光を浴びることで5㎍のビタミンDを体内で作ることが大切です。日光によるビタミンDの体内生産がまったくない場合は、食事と日光浴合わせて1日当たり20㎍程度の摂取がおすすめです。

昨今は食生活の変化により、青魚類を食べる人が減っていたり、紫外線を避ける傾向にあったりするため、ビタミンD不足に陥りやすいです。

適度な日光浴を大切にしつつ、バランスの良い食事を継続することが重要です。

監修柴田克己(しばた かつみ)

京都大学大学院博士課程修了。帝国女子大学、滋賀県立大学、甲南女子大学に勤務。文部科学省学校給食摂取基準策定に関する調査研究者協力会議委員、日本人の食事摂取基準策定委員会委員(2005年版、2010年版、2015年版、2020年版)、滋賀県食の安全・安心審議会会長などを歴任。現在、滋賀県立大学名誉教授、藤田医科大学客員教授、ビタミンB研究委員会顧問、ビタミン・バイオファクター協会監事など。 *専門家が、特定の商品を推奨しているわけではありません。

 



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