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胃腸の調子が優れないときでも、適切な栄養素摂取は体調管理に欠かせません。胃と腸に負担をかけにくい、いわゆる胃腸に優しい食べ物を知っておくことは大切です。

消化の良い食材を選び、適切な調理法を用いることで、胃腸への負担を軽減しつつ、必要な栄養素を摂取することができます。

本記事では、胃腸に優しい食べ物と効果的な食事のとり方について詳しく解説します。胃腸の調子が優れないときにおすすめのメニューも見ていきましょう。


 1. 胃腸に優しい食べ物とは

食生活の乱れやストレスなどにより胃腸の調子が優れないとき、消化に負担をかけない食べ物を選ぶことが大切です。ここでは、胃腸に優しいとされる食材をいくつか紹介します。

お粥

お粥は胃腸に優しい食べ物の代表格として知られています。主要なエネルギー源であるでんぷんなどの糖質を供給してくれます。お粥のでんぷんはご飯より消化酵素の作用を受けやすい形となっているため、消化に要する時間が短く、胃腸への負担が少ないです。

やわらかくなめらかな食感に調理し、人肌程度の温度に冷ますことで、胃への刺激をより抑えることができるでしょう。

脂肪が少ない肉

肉は、エネルギー源となるたんぱく質と脂肪が豊富です。しかし、胃腸が弱っているときは、低脂肪の部位を選ぶことがポイントです。

豚肉なら、皮下脂肪なしの肩ロースやももが適しています。

皮なしの鶏肉は高たんぱく質で低脂肪のためおすすめです。

牛肉では、もも、ヒレ、ランプの赤身部分などが低脂肪です。食品の栄養素含量がまとめられている食品成分表には掲載されていませんが、「クリミ」と呼ばれる部位は低脂肪です。

脂肪が少ない魚

胃腸に優しい食事を心がけるなら、魚介類も賢く選びましょう。先ほど触れたように、脂肪分の少ない食品は消化が比較的スムーズです。そこで、低脂肪の魚を積極的にとり入れるのがおすすめです。

具体的には、カレイ、シャケ、タラ、キス、タイ、カマス、アジなどが低脂肪の魚として知られています。さらに、カキなどの貝類も低脂肪の食材として挙げられます。

加工品としては、はんぺんも低脂肪で消化しやすい食品の一つです。

野菜

野菜の中には、消化酵素や胃腸に良いとされる成分、さらに腸内細菌の生育に必要な成分を豊富に含むものがあります。

特に胃に優しいとされる野菜には、キャベツや白菜、ほうれん草、小松菜などの葉物野菜のほか、人参や大根、かぶ、じゃがいもなどの根菜類が挙げられます。

煮物や茹で野菜に調理する方法がおすすめです。

乳製品

乳製品に含まれるたんぱく質「カゼイン」は、消化されやすい構造であるため、胃への負担が少ないです。カゼインは肉中のたんぱく質とは異なり、熱を加えて消化性を高めなくてもそのままの形で消化可能な構造をしています。

牛乳やヨーグルト、バター、フレッシュチーズなどの乳製品は、カゼインが主要なたんぱく質ですので、胃に優しい食べ物と言えるでしょう。

なお、乳製品には胃酸を中和し、胃粘膜への刺激を和らげる効果もあるとされています。


2.胃腸に負担をかける消化の悪い食べ物とは

胃腸に優しい食べ物がある一方で、胃腸に負担をかけやすい食材もあります。
胃腸の調子が優れないときは、摂取に注意が必要です。ここでは、胃腸に負担のかかりやすい食べ物を紹介します。

麺類

麺類の中には、胃腸に負担をかけやすいものがあります。特にスパゲッティ、ラーメン、焼きそばなどは、白米に比べると消化に時間がかかります。これらの麺料理は一般的に高脂防です。

高脂肪の食品は消化に時間を要し、胃に長時間留まることで不快感を引き起こす可能性もあります。

ただし、麺類の中でも消化に良い食品もあります。胃腸への負担を考慮する場合は、うどん、そうめん、そばがおすすめです。

脂肪の多い肉や魚

脂肪は胃では消化されず、十二指腸で処理されます。十二指腸は消化過程において、もっとも重要な部位です。ここで、糖質のでんぷんがグルコース、たんぱく質がアミノ酸、脂肪が脂肪酸になどまで分解され、吸収可能な形となります。

脂肪の多い食品は、でんぷん性の食品よりも消化過程に時間がかかりますので、胃腸に負担をかけてしまいます。

肉の部位や加工品のなかで脂肪が多いのは、豚スペアリブ、牛ミスジ、ベーコンなどが挙げられます。魚では、うなぎ、さば、ブリなどが脂肪含有量の高い種類です。

揚げ物

揚げ物も、胃腸に負担をかける食品の一つです。前述した脂肪の多い食品と同様、胃内での滞在時間が非常に長く、約4時間も胃に留まり続けるのです。この長い滞在時間が、胃への負担を増大させます。

代表的な揚げ物としては、カツ、コロッケ、唐揚げ、天ぷらなどが挙げられます。

アルコール

アルコールは消化管全体に影響を与えやすい飲み物です。適量を超えると、胃腸に負担をかける可能性が高くなります。

アルコールは胃の粘膜を刺激し、胃酸分泌を促進させます。また、消化管の運動機能に影響を与え、消化のリズムを乱すことがあります。小腸では栄養素の吸収を妨げ、大腸では水分の吸収を阻害する可能性が考えられるでしょう。

胃腸の調子を整えたい場合はアルコールを避け、代わりにノンカフェインの麦茶や水など胃腸に優しい飲み物を選ぶことをおすすめします。


 3. 胃腸の調子が悪いときの食事のとり方

胃腸に優しい食べ物を選ぶことは大切ですが、それだけでは十分ではありません。食べ方にも気を配ることで、より効果的に胃腸の調子を整えることができます。
以下より、具体的な注意点を見ていきましょう。

ゆっくり噛んで食べる

消化作用には、

  • そしゃくによって食物を砕くような機械的(物理的)消化
  • 消化液中に含まれる消化酵素により、食物中の成分を分解する化学的(酵素的)消化
  • 腸内細菌により、未消化物、未吸収成分などが分解される微生物による(生物学的)消化

があります。

化学的消化が消化作用の主役です。一般的には、胃腸の調子が悪い時には、この消化酵素の機能が低下しています。
そのため、物理的な消化の改善が有効となります。すなわち、意識的にゆっくり噛んで食べることです。

また、食事中の水分摂取にも注意が必要です。食べ物をよく噛む前に水分で流し込んでしまうと、唾液の分泌が抑えられ、消化の第一段階が省かれてしまいます。胃への負担が大きくなる原因となるでしょう。

噛む習慣を身につけるためには、一口30回噛む、左右交互に噛む、食べ物の形がなくなるまで噛むなどの工夫が効果的です。また、一口食べたら箸を置くなど、意識的にペースを遅くする方法も試してみると良いでしょう。

冷たい物を一気に摂取しない

胃腸の調子が優れないときは、冷たい物の摂取に注意が必要です。特に夏場は冷たい飲み物や食べ物を一気にとりがちですが、胃液が薄まったり、胃腸の動きが鈍くなったりするなど、胃腸の調子を崩す原因となることがあります。

胃の周りに水が溜まったような感覚や、お腹がゴロゴロする感じがする場合は、胃腸が冷えている可能性があります。胃内の温度が下がると、消化力が落ちてしまうこともあります。

麦茶や牛乳などの飲み物を飲む際も、少し温めてから飲むのがおすすめです。

刺激の強い食品を避ける

刺激の強い食品は胃酸の分泌を促進させますが、過度の摂取は結果として胃への負担を増大させる可能性があります。

具体的には、こしょうや唐辛子などの香辛料、酢のものや柑橘類などの酸味の強い食品に注意が必要です。

飲み物でも、アルコールや炭酸飲料は胃腸を刺激しやすく、調子を崩す原因となることがあります。胃腸が敏感になっているときは特に控えめにしましょう。

食材が小さくやわらかくなるよう調理を意識する

食材を小さく切り、やわらかく仕上げることで、消化酵素の作用が受けやすくなり、胃腸への負担を軽減できます。

まず、食材を切る際は小さめにするのがポイントです。咀嚼しやすくなります。さらに、調理方法を工夫してやわらかく仕上げることで、食材に含まれるでんぷんとたんぱく質が消化酵素の作用を受けやすい形となります。

例えば、ご飯を食べる場合は通常のご飯ではなくお粥に、うどんなら煮込みうどんにすることがおすすめです。野菜は生で食べるよりも、煮浸しや煮物にすると消化しやすくなります。卵料理では、茶碗蒸しのようなやわらかい調理法が適しているでしょう。


4. 胃腸に優しい食べ物を使ったおすすめメニュー例

胃腸に優しい食材を中心とした、消化しやすく栄養バランスの良いメニューを5つご紹介します。
手軽に作れて、胃腸の調子が優れないときでも安心して食べられるよう工夫していますので、ぜひお試しください。

やわらか野菜のポトフ

20分程度で作れる、やわらかく煮込んだ野菜とツナの優しい味わいのポトフの簡単レシピを紹介します。

【材料(2人分)】

  • じゃがいも:中1/2個(50 g
  • にんじん:中1/5本(20 g
  • キャベツ:1/8個(150 g
  • 玉ねぎ:中1/4個(50 g
  • ツナ水煮缶:1缶(70 g
  • 水:1カップ
  • コンソメ顆粒:小さじ1
  • ローリエ:1枚(お好みで)

【作り方】

  1. じゃがいもは皮をむいて46等分に切る。にんじんは一口大の乱切り、キャベツは45cm幅のざく切り、玉ねぎは1cm幅のくし切りにする。
  2. 鍋に1で切った野菜とツナ、水、コンソメ、ローリエを入れて火にかける。沸騰したら弱火にし、野菜がやわらかくなるまでゆっくり煮る。
  3. じゃがいもに竹串がスムーズに通ったら火を止める。


和風だしオムレツ

和風の香りが食欲をそそる、やさしい味わいのオムレツです。
野菜をたっぷり含んだ、栄養満点のメニューです。

【材料(2人分)】

  • ツナ水煮缶:50 g
  • じゃがいも:中1/2個(50 g
  • 玉ねぎ:中1/10個(20 g
  • ピーマン:小1個(20 g
  • 大葉:1枚(1 g
  • 卵:2個(100 g
  • 塩:少々
  • オリーブオイル:小さじ1
  • みそ:小さじ1
  • 練りごま:小さじ1
  • 和風だし:大さじ1

【作り方】

  1. ツナ缶の水気をきる。じゃがいもは5 mm角、玉ねぎとピーマンは1 cm角に切って茹でる。大葉は粗みじん切りにする。
  2. ボウルで卵を溶き、1の具材と塩を加えて混ぜる。
  3. フライパンにオリーブオイルを熱し、野菜と混ぜた2の卵液を流し入れる。
  4. 中火で3分程度焼き、周囲が固まってきたら弱火にして蓋をし、5分程度蒸し焼きにする。
  5. みそ、練りごま、和風だしを混ぜ合わせてソースを作る。


鶏むね肉の塩麹漬け

塩麹としょうがで漬け込んだ鶏むね肉を、レモンと長ねぎの香りと共にホイル焼きにした優しい味わいの一品です。レンジで作れる手軽なレシピです。

【材料(2人分)】

  • 鶏むね肉(皮なし):100 g
  • 塩麹:小さじ2/3
  • すりおろししょうが:小さじ1/2
  • 長ねぎ:中1/2本(40 g
  • レモン:5mm幅のレモン1スライス(10 g
  • 料理酒:小さじ2

【作り方】

  1. 鶏むね肉は一口大に切り、フォークで数カ所穴をあける。
  2. 長ねぎを薄い斜め切りにする。レモンは5 mm幅の輪切りにする。
  3. ビニール袋に鶏肉、長ねぎ、塩麹、すりおろししょうがを入れ、よく揉み込んで30分以上冷蔵庫で漬ける。
  4. 耐熱皿に漬けた鶏肉を並べ、レモンをのせて、料理酒をかける。
  5. ラップをかけて電子レンジ(600 W)で5分加熱する。
  6. 鶏肉の中心まで火が通ったことを確認し、皿に盛り付けて完成。


なすの豆腐あんかけ

なすと豆腐を使った消化に優しいあんかけ料理です。
レンジ調理で油を使わずに作ることができ、やわらかな食感と優しい味わいが特徴です。

【材料(2人分)】

  • なす(皮むき):1本(80 g
  • 絹ごし豆腐:40 g
  • 削り節:適量
  • 麺つゆ(3倍濃縮):小さじ2
  • 水:大さじ4
  • 片栗粉:適量
  • すりおろし生姜:小さじ1/2
  • みょうが:適量

【作り方】

  1. なすは皮をむいて縦8等分にし、5 cm長さに切る。水に10分つけてアク抜きする。
  2. なすをラップで包み、電子レンジ(500 W)で4分程度加熱する。
  3. 鍋に豆腐、削り節、麺つゆ、水を入れて火にかける。
  4. 3に火が通ってきたら水溶き片栗粉でとろみをつける。
  5. 器になすを盛り、4のあんをかける。
  6. 最後にすりおろし生姜と小口切りにしたみょうがを散らして完成。


かぼちゃサラダ

やわらかく煮たかぼちゃと玉ねぎを和風だしで味付けした、胃腸に優しいサラダです。
なめらかな食感で食べやすく仕上げます。

【材料(2人分)】

  • かぼちゃ:1/1280 g
  • 玉ねぎ:中1/8(25 g)
  • 和風だし:1/2カップ
  • 塩:少々
  • オリーブオイル:小さじ1
  • レモン汁:小さじ1/2

【作り方】

  1. 玉ねぎはみじん切り、かぼちゃは皮をむいて一口大に切る。
  2. 鍋に和風だしを入れ、かぼちゃと玉ねぎを加えて火にかける。
  3. かぼちゃがやわらかくなったら火を止め、煮汁を切る。
  4. かぼちゃを熱いうちにマッシャーでなめらかになるまで潰し、塩を加えて味を調える。
  5. 粗熱が取れたら、オリーブオイルとレモン汁を加えて軽く混ぜる。


5.胃腸に優しい食べ物で体調を整えよう

胃に優しい食べ物を選ぶことで、胃腸の調子が優れないときでも必要な栄養素を摂取できます。

お粥や脂肪の少ない肉や魚、野菜、乳製品などは、胃腸に負担をかけにくい食材として知られています。一方で、脂肪の多い食品は消化に時間がかかり、胃腸に余計な負担をかける可能性があるでしょう。

胃腸を守るためには食べ方も重要な要素です。ゆっくりとよく噛むこと、温かいものを選ぶこと、やわらかく調理することなどの工夫をしましょう。消化を助け、胃腸への負担を軽減することにつながります。

胃腸に優しいメニューを日々の食事に取り入れることで、体調回復をサポートしましょう。そして、回復したら、脂肪の摂取量を増やし、糖質、脂肪、たんぱく質の摂取量をバランスよくしましょう。


監修柴田克己(しばた かつみ)

京都大学大学院博士課程修了。帝国女子大学、滋賀県立大学、甲南女子大学に勤務。文部科学省学校給食摂取基準策定に関する調査研究者協力会議委員、日本人の食事摂取基準策定委員会委員(2005年版、2010年版、2015年版、2020年版)、滋賀県食の安全・安心審議会会長などを歴任。現在、滋賀県立大学名誉教授、藤田医科大学客員教授、ビタミンB研究委員会顧問、ビタミン・バイオファクター協会監事など。 *専門家が、特定の商品を推奨しているわけではありません。

 栄養たっぷりの粉末青汁や発芽玄米のおかゆを胃に優しい方法で取り入れよう

胃腸に優しく栄養補給したい方におすすめしたいのが、粉末青汁や発芽玄米のおかゆです。
これらは消化しやすく、手軽に栄養素を摂取できる健康食品です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

1日分のケール青汁

胃腸に優しい栄養補給方法として、粉末タイプの青汁「1日分のケール青汁」がおすすめです。水に簡単に溶かせるので、飲みやすく続けやすいのが特徴です。

1日分の緑黄色野菜の量、ケール生葉換算120g使用しているのも特徴です。ファンケル独自製法で溶けやすく、サラっとしたのどごしで、毎日の習慣に取り入れやすくなっています。

100150ml程度の水や、お好みで牛乳や豆乳に1スティック分を混ぜるだけで簡単に摂取可能です。胃腸に優しい方法で手軽に野菜の栄養補給ができる青汁は、日々の健康維持にぴったりの選択肢といえるでしょう。

1日分のケール青汁

30本入り4,752円(税込)

1杯に1日分の緑黄色野菜量、ケール生葉120g使用。契約農家で大切に育てられた国産ケールの野菜力がギュッと詰まった青汁です。ファンケル独自製法で溶けやすく、サラッとしたのどごし。緑黄色野菜をしっかりと摂りたい方におすすめです。

詳しくはこちら

発芽米おかゆ

「発芽米おかゆ」は、発芽玄米100%で作られており、シンプルながら素材本来の味わいを楽しむことができます。

一般的に玄米は消化しにくいと言われていますが、発芽玄米のおかゆは消化も良く、栄養もとれます。

温めても常温でもおいしく食べられるので、体調や気分に合わせて食べ方を選べます。また、調味料や食塩を使用していないため、胃腸への負担が少なく、消化も良好です。白米より栄養も豊富であり、必要な栄養素を簡単に摂取できます。

このシンプルさを活かし、さまざまなアレンジが可能です。体調に合わせて、胃に優しい食材を選んでカスタマイズするのも良いでしょう。

発芽米おかゆ

1箱 (250g×3袋)736円(税込)

日本アルプスの清水を使用。味わい深く、粒立ちふっくら。素材が引きたつシンプルなおかゆです。発芽米100%で、温めても常温でもおいしくお召し上がりいただけます。調味料・食塩不使用なので、梅干しやお好みの野菜を加えるなど、様々なアレンジが楽しめます。

詳しくはこちら

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