子育てTips ママ・パパ

1. なぜ野菜を食べないの?子どもが野菜を嫌う理由とは

まず最初に、子どもが野菜を嫌う理由について解説します。

苦味やにおい

子どもは大人よりも味やにおいに敏感で、特に苦みや野菜のにおいを強く感じます。これは、毒のあるものを避けるための本能とも言われています。

加熱した野菜の青臭さや独特のにおいも苦手に感じやすく、においを嗅いだときに「おいしくなさそう」、口にしたときに「おいしくない」と感じてしまうのです。

食感や色

子どもは口の感覚が敏感なため、野菜のぐにゃっとした食感やヌルヌルとした食感を嫌がることがあります。また、緑や紫などの色を「苦そう」と感じ、見た目で食べるのをためらうこともあります。特に、独特の食感や色が濃いピーマンやなすなどは、苦手意識を持ちやすい傾向にあります。

見慣れない・食べ慣れていない

前述のとおり、子どもは味やにおい、食感や色などで野菜を食べない・食べるのを嫌がる傾向にあります。

それにプラスして、これまで見たことがない食材、食べた経験がない食材がでてくると、見慣れないために警戒し、味や食感に関しても慣れていないため拒否してしまう場合があるのです。


2. 子どもにとって野菜を食べることが大事な理由

野菜には、成長に欠かせないさまざまな栄養素が豊富に含まれています。

例えば、にんじんやカボチャにはビタミンAが含まれており、皮膚や粘膜の健康を保つために必要な栄養素です。

また、免疫力を高めて風邪予防に役立つビタミンCはパプリカやブロッコリーに多く含まれており、体や骨の発達に大切なミネラルである鉄分やカルシウムは小松菜やほうれん草、腸内環境を整え、便秘の予防にも効果を発揮する食物繊維はキャベツやごぼうなどが挙げられます。

このように、野菜には子どもの成長・身体づくりに欠かせない栄養素が豊富に含まれているため、小さい頃から野菜を食べる習慣を身につけ、必要な栄養素を摂ることは、将来の生活習慣病予防にもつながります。


3. 子どもの野菜嫌いを克服するヒント

野菜嫌いを克服するためには、徐々に慣らしていくことが大切です。見た目や調理法を工夫したり、親が率先して食べるのを見せたり、一緒に料理を楽しんだりすることも効果的です。また、食べたらしっかり褒めてあげましょう。

幼児期の子どもの場合

幼児期は口や舌の感覚が敏感です。そのため、野菜は小さく切り、柔らかく調理するなどの工夫をしてみましょう。子どもがよく食べる料理、好きな料理に混ぜてみるのも良いでしょう。さらに、野菜を星型や花の形にして可愛くアレンジしてみたりと色鮮やかで見た目を工夫した料理は、子どもが野菜に興味を持ってくれるようになります。

また、野菜を食べられた経験を積み重ねていくことも大切です。決して無理強いはせずに、少しずつ慣れさせ、食べる意欲を育てましょう。

一緒に買い物に行く、野菜を洗ってもらうといったお手伝いをとおして、野菜に興味を持ってもらうのも一つの手です。

学童期の子どもの場合

学童期は味覚が少しずつ大人に近づき、自分の好みもはっきりしてくる時期です。この時期には、ただ「食べる」だけでなく、「なぜ野菜が体に必要なのか」を理解する力も育ってきます。そのため、絵本や動画を活用して野菜の栄養や役割について学ぶ機会を設けるのも効果的です。ここでの絵本は、幼児期のように感覚的に「野菜=楽しい」のように伝えるものではなく、野菜が体にどうよいか、どんな働きがあるのかを子どもが視覚的に理解しやすくなるように工夫されたものを選ぶとよいでしょう。

また、子どもと一緒に調理法や味付けを工夫して好みの味を見つけたり、友達と一緒に食べる機会を増やしたりすることも大切です。こうした体験が「知る」「食べる」「楽しむ」の好循環を生み出し、食への関心や意欲の向上にもつながります。

食感やにおいに敏感な子の場合

においが気になる野菜は、レモン汁やお酢で酸味を加えたり、カレー粉など香りの強い食材を混ぜて調理したりすると、においが気にならなくなり効果的です。また、細かく刻んで少量ずつ取り入れることで徐々に慣れさせる工夫も大切です。

苦手を克服するためのヒントを野菜別にご紹介します。

●ピーマン
30秒程度ゆでてから冷凍すると香りや苦味が和らぎ、食べやすくなります。また、油で炒めると苦味を抑えられるため、ごま油やツナなどを使った炒めものがおすすめです。

●ブロッコリー
加熱し過ぎるとにおいが強くなるため、ゆで時間が長くなりすぎないように注意し、2分程度サッとゆでるのがポイントです。ゆでる際に塩を入れることで、ブロッコリーの色を保ちつつ野菜の甘味を引き出してくれます。また、電子レンジで加熱したり揚げ物にするとにおいを抑えることができます。

●にんじん
柔らかくゆでたり蒸したりすると、甘味が引き出され食べやすくなります。また、塩を揉み込んでしばらくおくと水分とともに、にんじん特有の青臭さが抑えられます。

細かく刻んでハンバーグやカレーに混ぜるとより食べやすくなるでしょう。


4. 子どもが野菜を食べやすくなるメニューの工夫

ここでは、子どもが野菜を食べやすくなるメニューをご紹介します。

野菜たっぷり時短メニュー

冷凍野菜やみじん切りにされている野菜ミックスを使うと、下処理を行う手間がなく時短になります。時短で野菜をたくさん食べられるメニューをご紹介します。

<メニューの例>
●ミートソーススパゲッティ
玉ねぎ、にんじん、ズッキーニ、パプリカなどを細かく刻んでミートソースに混ぜ込みます。 
ミートソースにすると野菜の存在感がやわらぎ、味もなじむため、食べやすくなります。ミートソースの手づくりが大変な場合は、レトルトのミートソースを使えばより時短になりおすすめです。

●野菜たっぷりそぼろ丼
にんじん、玉ねぎ、いんげんなどをみじん切りにして、ひき肉と一緒に炒めて甘辛味にします。それをごはんにかけて完成です。
味がしっかりしていてごはんが進むため、食が細い子も食べやすいメニューです。

●かき玉野菜スープ
にんじん、白菜、ほうれん草などを細切りにし、だしとしょうゆベースのスープにして、最後に卵を回し入れます。
汁物にすると、野菜がやわらかくなり食べやすくなります。卵を入れることで彩りも良くなり、食が進みやすいでしょう。

野菜ちょい足しメニュー

忙しい毎日でも手軽にできる野菜のちょい足しは、食事に無理なく野菜を取り入れるおすすめの方法です。

ポイントは、料理のスタイルを変えずにさりげなく野菜を加えること。「今日はちょっとだけ野菜を多めにしてみようかな」という感覚で気負わず続けられます。

少しの工夫で栄養バランスがぐんとアップする手軽なメニューをご紹介します。

<メニューの例>
●みそ汁にちょい足し
定番具材に加え、ほうれん草、小松菜、もやしなどを追加します。また、トマトやレタス、キャベツ、きのこなどもおすすめです。これらの野菜は火がとおりやすく、手軽に野菜をプラスできます。
また、加熱することでかさが減るため、野菜をたっぷりとることができます。

●野菜入りふわふわハンバーグ
子どもが大好きなハンバーグのタネに、にんじん、玉ねぎ、キャベツなどを細かく刻んで混ぜあわせます。
細かく刻むことで野菜の苦みや食感がわかりづらくなります。

●野菜スムージー
ほうれん草、にんじん、バナナ、ヨーグルトなどを使ったスムージーもおすすめです。フルーツの甘味で野菜の味が気にならなくなり、おいしく飲むことができるでしょう。


5. 野菜嫌いの子どもに食べてもらうときの心構え

子どもの野菜嫌いは、多くのママやパパが直面する悩みです。食べない=悪いことと決めつけず、まずは子どもの気持ちに寄り添う心構えをしましょう。

一口でも食べられたら「それでOK」とする

苦手なものを一口でも食べることができたら、褒めて自信につなげていきましょう。無理に食べさせないことが、一番大切です。

食べられないことは決して悪いことではなく、今は食べられなくても、成長とともに自然と食べられるようになることもあります。

食べられなかったときは時間をおいて違う味付けや調理法にしてみるなど、少しずつ慣らしながらチャレンジしてみると、克服できるかもしれません。

家族の中で「楽しい食体験」を重ねていこう

家族で楽しい食体験を積み重ねることが、野菜嫌いを克服する近道です。「ちょっと味見をしてみたい」「この味は好きかも」と、子どもが自然に感じられる前向きな経験を重ねましょう。

野菜嫌いを完全に直すことを目標にするのではなく、家族で食卓を囲みながら、少しずつ食べられる野菜が増えていくことを目指してみてください。

どうしても食べられないならサプリメントの活用を検討しよう

野菜がどうしても食べられないときは、サプリメントで栄養を補う方法もあります。しかし、基本的には食事から栄養をとることをおすすめします。

サプリメントはビタミンやミネラルなど特定の栄養素を補う補助的な役割であり、野菜に含まれる豊富な食物繊維や植物由来の健康成分を十分に摂ることは難しいからです。そのため、サプリメントはあくまでもサポートとして考えましょう。

また子どもの場合は、自己判断でサプリメントを与えることは避け、必ず医師や管理栄養士などの専門家に相談のうえ、利用を選択しましょう。


6. まとめ

子どもの野菜嫌いは多くの家庭で悩みの種となっていますが、決して無理強いはせず、子どもの気持ちに寄り添いながら、楽しい食事の時間を大切にしましょう。野菜の切り方や調理法を工夫したり、親が率先して食べる姿を見せたりすることも効果的です。

小さな成功体験を積み重ねることで子どもの野菜への苦手意識を和らげ、食べられる野菜を増やしていきましょう。

監修・執筆牧 咲 管理栄養士 / 食事健康系ライター / 離乳食アドバイザー / 妊産婦食アドバイザー

大分県、茨城県内の医療施設(急性期病院・回復期病院)、介護施設に6年間勤務。栄養管理業務、栄養指導、レシピの提案、食や健康に関する情報発信を行ってきた。現在は、フリーランスとして、特定保健指導における栄養指導員、一般向けに食事の情報発信やレシピの提案、コラム執筆、離乳食のアドバイスなどを行い活動している。

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