わたしのうつろいゆくものと、一生もの。Vol.02
歳を重ねるほど欲張りに生きたい。先輩作家から学ぶ、一生もののからだとの付き合い方。 作家 綿矢 りささん
  • ディレクション:MCS
  • 写真:松木 宏祐
  • 執筆:高野瞳
  • 編集:花沢亜衣
  • スタイリスト:滝沢真奈
  • ヘアメイク:RYO
綿矢りささん

心とからだと肌は、ひとつ。かけがえのない「一生もの」

人生の中で、変化してきたもの、変わらず大切にしてきたものは人それぞれ。
さまざまなジャンルで活躍している女性たちが、ライフステージの「変化」を機に、からだや肌、自分自身とどのように向き合ったのか。そのなかで出合う葛藤や気づきについて伺います。

今回お話を伺ったのは、作家の綿矢りささん。10代で作家デビュー以降、数々の作品を生み出してきました。結婚、出産を経て、2022年には中国での暮らしも経験。40代になり自身のからだや環境の変化をどのように受け入れ、健康や美容とどのようにつき合っているのでしょうか。

Profile

綿矢りささん

綿矢 りさ

1984(昭和59)年京都府生れ。2001(平成13)年『インストール』で文藝賞受賞。早稲田大学在学中の2004年『蹴りたい背中』で芥川賞受賞。2012年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞、2020(令和2)年『生のみ生のままで』で島清恋愛文学賞受賞。『勝手にふるえてろ』『ひらいて』『私をくいとめて』『夢を与える』など映像化作品も多い。ほかの著書に『憤死』『大地のゲーム』『手のひらの京』『意識のリボン』『オーラの発表会』『あのころなにしてた?』『パッキパキ北京』などがある。

衣装クレジット
リネンブラウス、シャツ/スタニングルアー(スタニングルアー 青山 03-6421-0933)、スカート/トゥデイフル(ライフズ 代官山店 03-6303-2679)ピアス/マサナ、ネックレス/エトワライト、右手リング/gramii、左手リング/Sa.Ya.(以上 ロードス 03-6416-1995)

先輩作家たちの暮らしをヒントに習慣を見直し

先輩作家たちの暮らしをヒントに習慣を見直し

―10代から第一線で活躍されていますが、20代、30代、40代とご自身のからだや美容に対する向き合い方の変化はありますか?

20代の頃はお化粧や美容には興味がありましたが、からだの健康に関してはあまり意識していませんでした。10代のうちは夜に執筆をしてもなんともなかったのですが、20代に入ってその生活を続けていたところ体調を崩してしまったんです。ストレスも重なり、もともとあったアトピーが悪化して。そこから、自分のからだや暮らしを見直そうと思いました。

まず見直したのがライフサイクルです。長寿で活躍されている女性作家のエッセイを読むようになり、そこに綴られている生活習慣や食事の工夫に興味を持つようになって。先輩の作家たちが朝に執筆することが多いと知り、私も朝型にシフトしました。

すると体調だけでなく、仕事にもいい影響がありました。夜に執筆していたときは、執筆量や気分にばらつきがあり、たくさん書ける日もあれば、疲れて何もできない日もあったのですが、朝型に変えてからは、安定して書けるようになったんです。連載の仕事もスムーズになりましたね。

今は子どもが小学校に行っている間に仕事をし、帰宅後は一緒に過ごすというリズムで生活しているので良い体調で過ごせています。

先人から学んだ睡眠の重要性。起きた時からはじまる快眠のための1日

先人から学んだ睡眠の重要性。起きた時からはじまる快眠のための1日

―朝方生活のほかに健康や美容のために実践していることがあったら教えてください。

長く活躍する人たちは睡眠を重要視していると知り、私も意識するようになりました。夜は息子と一緒に21〜22時ごろに寝て、朝は7〜8時に起きています。普段は気づきませんが、睡眠時間が短いと翌朝からだが渇いているような、力が足りないような感覚になるんです。

最近は寝る姿勢も研究中です。仰向けで寝るのが苦手なため、特殊な形の枕を試したり、カエルのように足を広げて寝る姿勢を試したり(笑)、からだに負担のない姿勢を追求すべくいろいろと試行錯誤しているところです。

寝つきが悪いことも課題で…。起きた時から快眠するための1日を考えて、太陽を浴びたり、日中はできるだけ外に出て歩いたりするようにしています。週1回パーソナルトレーニングにも通っています。仕事では頭をものすごく使うので、それと同じくらいからだも動かすように意識しています。

―睡眠の大切さに気づき工夫されているんですね。食生活で意識していることがあったら教えてください。

妊娠時に葉酸の必要性を知ったことをきっかけに、サプリを取り入れ始めて、今でも続けています。食事は正直すごくこだわって手作りしているわけではないのですが、野菜の宅配サービスを活用しながら栄養の偏りがないように意識しています。

日課にしているのは、朝にビタミンを摂ること。冷凍アセロラを絞って飲んだり、柑橘類を食べたりしています。また、定期的に健康診断を受けて栄養状態を確認してその都度足りない栄養を補給するようにも。息子も鉄分が不足しているとわかって、一緒に摂るようになりました。

肌は、心とからだの不調を知らせてくれる警鐘

肌は、心とからだの不調を知らせてくれる警鐘

―インナーケアの大切さを実感されているんですね。普段のスキンケアはどのようにされていますか?

肌が敏感なので低刺激のスキンケアを選ぶようにしています。あれこれと欲張ると肌荒れしやすいので、クレンジング・化粧水・ジェルやクリームとシンプルに。日焼け対策も徹底していて、顔から首までは年中日焼け止めを塗っています。夏は地肌や髪にも使っています。あとはフェイスマッサージが好きでいろいろなお店を試しています。

もともとアトピー肌で敏感なこともあって、ホルモンバランスの乱れや精神的なストレス、環境には左右されやすいタイプで。肌は私にとって警鐘のようなもの。肌の不調があるときは、生活を見直すサインだと思っています。

肌の調子が悪いときは「何がストレスになっているのか」を考えます。ただ、意外とそのストレスの根源に自分では気づかないことも多いんです。無意識に気づかないフリをしているというか。働き方や生活習慣、人間関係を見直しても改善しない場合、ほとんどが「一番熱中していること」に原因があるんです。

すごくやりたい仕事なのにストレスフルだとか、恋愛でもすごく好きなのに精神的に不安定になってしまうとか(笑)。続けたい気持ちがあっても、肌や体調のために諦めたことも何度かあります。諦めるのは辛いんだけど、思い切って断ち切ると肌が落ち着いてくるんです。怖いくらいに、肌と心ってつながっているんですよね。

異国での暮らしがくれた新しい楽しみ

異国での暮らしがくれた新しい楽しみ

―2022年に半年間、ご主人の仕事で北京に、翌年には上海に滞在されていたとのことですが、環境の変化は大丈夫でしたか?

それが、心配をよそに肌の調子がすごく良かったんです(笑)。コロナ禍に中国へ渡ったので、隔離期間もあり大変でしたし、食生活も大きく変わりましたが、不思議なことに肌の調子はとても良かったんです。はっきりしたことは分かりませんが、現地では生水を避けてミネラルウォーターを飲んでいました。日本に帰ってからもその習慣が続いていて肌の調子がいいので、水が関係しているのかもしれないな、と。

北京の食事は、どれもおいしく、特に麺類は種類が豊富でどれも本当においしかったですね。辛い料理や油を多く使う料理が多いので、食べ過ぎてしまいお腹を壊すこともありました(笑)。日本に戻るとやっぱり日本食の良さを再認識しました。

―もともと中国のカルチャーに関心があり、中国語も学ばれていたとお聞きしました。実際に見て感じた中国の美容やカルチャーはどんな印象でしたか?

以前から中国の映画やドラマ、文学が好きでしたし、メイクやファッションも興味がありSNSでよくチェックしていました。実際に行ってみると日本よりもファッションやメイクの色使いが濃く、赤や金、深緑など華やかな印象がありましたね。

動画では、束感のあるつけまつげのメイクやほくろを描くメイクなど人魚姫のような幻想的な雰囲気のメイクをしている人が多いのですが、街で見かける人はほぼすっぴんの人が多い印象でした。一方、夜の繁華街では派手なメイクの人もいて。そのギャップもおもしろかったです。私も日本ではあまりないようなカラーを取り入れて、中国っぽい雰囲気のメイクを楽しんでみました。最近は髪が長くなってきたので、動画で見た中国の伝統的な編み込みスタイルに挑戦してみたいなと思っているところです。

人生を楽しむために、一生もののからだと向き合っていきたい

人生を楽しむために、一生もののからだと向き合っていきたい

―年齢を重ねたり、異文化に触れたりすることで、書きたいテーマに変化はありましたか?

20代の頃は恋愛をテーマに男女の心の模様を書くのが好きでしたが、最近は土地や文化への興味も増しています。日本の土地もそうだし、中国の土地に関する小説を書きたい気持ちが強くなってきました。いろいろな場所を訪れてみたいですね。

―綿矢さんにとっての理想、一生ものとは?

日本には歳を重ねることに対して「ものの哀れ」や儚さの美学がありますが、私は歳を取れば取るほど欲張りに生きていきたいと思っています。健康に対してもそうだし、楽しみに対してもそう。書く仕事も死ぬ直前まで続けていたいし、国内も海外ももっといろいろな場所を訪れてみたい。そのためにも元気で、美しくもありたい。少々下品であってもやりたいことを諦めず貪欲に人生を楽しむことを追求していきたいです。

宇野千代さんのエッセイが好きで、90歳を過ぎても前向きな考え方を持ち続ける姿、歳を重ねるほどに強さを増していく精神に感銘を受けました。こういったエッセイを読んでいると、今の自分のからだのままこれからまだ何十年も生きていくんだということがわかってくるというか。当たり前ですけど、からだの部品すべてが一生ものなんだなということをリアルに実感できるんです。人生を楽しむためにも、今のからだを大切に使っていきたい。若いときだけじゃなくて年老いてからも楽しめるように努力したいと思っています。

肌の調子がいい。からだの調子がいい。
そんな毎日を続けることが、一生もの健やかさと美しさにつながっていく。
ファンケルは自身のライフステージの変化とともに、新たな作品を生み出し続ける綿矢さんを応援していきます。

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    化粧液 ¥ 1,870 (inc.tax)
    乳液 ¥ 1,870 (inc.tax)
  • ディレクション:MCS
  • 写真:松木 宏祐
  • 執筆:高野瞳
  • 編集:花沢亜衣
  • スタイリスト:滝沢真奈
  • ヘアメイク:RYO