知りたい!美容と健康Tips ヘルスケア

 1. 猫背はなぜよくないの? 

猫背の姿勢を続けると、見た目が老けて見えるだけではなく、健康面にも悪影響を及ぼしてしまいます。背骨の中には「自律神経」という、内臓の働きを調整している大切な神経の束が通っています。猫背だと背骨が丸まり固まってしまうため、血流が悪くなり、内臓全体に不調を引き起こす可能性があります。あなたが今悩んでいる肩凝りや腰痛、そのほかの不調も、実は猫背が関係しているかもしれません。


 2. 猫背になる原因 

猫背になる主な原因を3つ紹介します。

筋力や柔軟性の低下

筋力、特に体幹のインナーマッスルの力が低下することで猫背になってしまいます。インナーマッスルとは、身体の深層にある筋肉で、重力に逆らって体を支えるコルセットのような役割をしています。インナーマッスルが使えていないことで、体はどんどん曲がってしまいます。

また、運動不足などで筋肉の柔軟性が低下すると背骨を伸ばしにくくなるので、猫背になりやすくなってしまいます。

パソコンやスマホの長時間使用

パソコンやスマホの画面を見ていると、ついつい頭が前に出て背中が丸まった姿勢になりがちです。また、長時間同じ姿勢を取り続けることによって筋肉が硬くなり、猫背が定着してしまいます。猫背だけではなく、肩凝りや頭痛にまでつながってしまう人も少なくありません。

骨盤の歪み

普段から片足に体重をかけるように立っていたり、壁にもたれかかる姿勢をしたり、座っているときに足を組んだりすることによって、骨盤の歪みが発生します。骨盤は上半身と下半身をつなぐ土台のような部分なので、骨盤が歪んでいると背中や頭の位置も歪んでしまい、猫背につながってしまいます。


 3. 猫背が体に及ぼす影響 

猫背が体に及ぼす影響を4つ紹介します。

肩凝り・頭痛の原因になる

猫背だと、自然と頭が前に出た姿勢になってしまいます。頭の重みは約5kgあるので、首や肩の筋肉で重みをずっと支え続けている状態となります。これが肩凝りや首凝りの原因になります。

また、首周りの神経は頭にまでつながっているので、肩凝りが悪化すると凝り固まった筋肉が神経を圧迫し、頭痛につながってしまうこともあります。 
  

腰に負担がかかり腰痛につながる

本来、背骨には衝撃を吸収する働きをもつS字カーブがあります。これを「生理的前弯(ぜんわん)」といいます。猫背を続けると、このS字カーブが失われ、腰に直接負担がかかってしまいます。

また、猫背のような背中が丸まった姿勢では、骨盤が後ろに傾きやすい(後傾しやすい)ので腰の筋肉が常に突っ張った状態になります。そのため、腰痛につながりやすいと言われています。

集中力の低下にもつながる

猫背を続けると、肺やさまざまな内臓が圧迫されてしまいます。猫背の人はそうでない人と比べると、換気量(空気の出入りする量)が1/2になるともいわれています。気がつくと呼吸が浅くなってしまっているという経験をしたことがある人も多いと思います。空気を十分に吸えない分、酸素を取り込む量も減ってしまうことになります。

脳の酸素消費量は全身の約20%といわれています。そのため、酸素不足になると脳内の酸素量が不足し、栄養をはこぶ血流も悪くなるため、メンタルの不調や集中力の低下にもつながってしまいます。

肉が付きやすくなる

猫背は、内臓を押しつぶすことにより内臓機能の低下を招きます。消化機能が低下すると、消化しきれなかった余分な栄養素を皮下脂肪として体内に蓄積しやすくなるので、太ってしまう原因となります。

また、猫背では姿勢を正しい位置に保つ筋力が使えていないため、筋力が衰えてしまいます。代謝機能は筋肉量に比例するので、基礎代謝が落ちお肉がつきやすい体質になってしまいます。


 4. 猫背かどうかセルフチェックしてみよう 

壁を使って簡単にセルフチェックをする方法をご紹介します。ご自身が猫背かどうか、一度確かめてみましょう。

セルフチェックの方法

STEP1: 壁にかかとが付く状態で立ちます。
STEP2: 後頭部・両肩(左右)・お尻・かかとが壁に付いているかチェックします。

後頭部と両肩(左右)が壁から離れている場合は、「猫背」になっている可能性が高いです。


 5. 猫背を改善するストレッチ方法 

簡単にできる猫背を改善するストレッチ方法を2つご紹介します。ぜひ今日から取り組んでください。

ストレッチ方法①

背骨の柔軟性が低下している状態で無理やり背筋を伸ばそうとすると、身体を痛める原因になってしまいます。

まずは、背骨を柔軟に動かすところから始めてみましょう。

STEP1

四つ這いの姿勢になります。
肩の真下に手首、足は腰幅に開きましょう。
息を吸いながら視線を斜め上に向け、背骨を反らします。
腰が反りすぎないように注意しましょう。なるべく胸を反らす意識を持ちましょう。

STEP2

息を吐きながら、おへそを覗き込んで背中を丸めます。
手で床を押しながら、肩甲骨を外側に開いていくイメージです。

これを5セット行います。

ストレッチ方法②

猫背の人は肩が内巻きになっている、いわゆる「巻き肩姿勢」になってしまっていることが多いです。肩を外側に開くことによって猫背を改善していきましょう。

STEP1

膝立ちの姿勢になります。体の前で肘を伸ばしたまま、両手の甲同士を合わせ、背中を丸めます。
おへそを覗き込むようにして、息を吐きましょう。

STEP2

息を吸いながら、手のひらを天井方向へ向け肩の高さに広げます。
視線は斜め上に向け、胸を開きましょう。
肩の付け根から動かすように意識をしてください。

これを10セット行います。



 6. まとめ 

猫背はさまざまな身体の不調の原因になります。セルフチェックで猫背だと感じた方は、少しずつケアを始めましょう。猫背を治すには、原因を知ることや毎日のストレッチ、セルフチェックを続けることが大切です。ぜひ猫背を予防・改善していきましょう!

監修神谷 彩香(Ayaka) 医療系大学卒業後、理学療法士としてリハビリテーション専門病院で4年間勤務。病気や怪我をされた方を病院で待つよりも、病気や怪我を未然に防ぐことはできないかと予防医学に興味を持つ。ヨガインストラクターの資格を取得するためにハワイに留学。そこでピラティスにも興味を持ち、日本でピラティスインストラクターの資格も取得。現在はフリーのインストラクターとして解剖学・生理学の知識をもとにした姿勢改善・体質改善のレッスンや情報発信を行なっている。

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