白湯(さゆ)にはどんな効果がある? 基本の作り方、飲む量とタイミングを解説
白湯(さゆ)は健康や美容にさまざまな効果が期待できるとされ、日常に取り入れている人も多いようです。一方、詳しい効果まではよくわからないという声も耳にします。せっかく飲むのなら、より良い効果が期待できる方法で飲みたいですよね。
今回は、白湯を飲むことで得られる効果や作り方、飲むべき量、飲むのにベストなタイミングなどについてご紹介します。この機会に白湯について理解を深め、日々の生活に取り入れてみましょう。
1. 白湯とは?
白湯とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。常温の水や、お湯との違いなどについて解説します。
常温の水と白湯の違い
水道の蛇口から出てくるような15〜25℃程度のぬるい常温の水は、体温より低い温度であるのに対し、40℃以上で50℃前後が理想とされる白湯は、体温以上の温度です。そのため、白湯には身体を温める作用が期待できます。
白湯とお湯の違い
白湯は40℃以上、理想は50℃前後で熱湯より低い温度です。それに対し、お湯は沸騰してからそれほど時間が経過していない状態の高い温度のもので、そのまま飲むと火傷の危険性があります。
なぜ沸騰が必要なの?
白湯を作る際には、一度沸騰させると良いとされています。水道水の場合は残留塩素などの不純物が含まれており、それらを除去する必要があるからです。不純物を除去するには、少なくとも10分以上の煮沸が必要であるといわれています。
このほか、アーユルヴェーダ※の観点からは、沸騰させるのには別の理由があるといわれています。それは、元々水から作る白湯には水の質があり、それを熱することで火の質が加わり、さらに沸騰させると湯の中で気泡が生まれ風の質を持つことで、「水・火・風が調和した飲み物」だとされているからです。そのためアーユルヴェーダでは、電気ケトルやIHなどではなく火を使って沸騰させることが必要と考えられています。
※アーユルヴェーダは、インドで生まれた伝統医学の一つで、サンスクリット語のアーユス(命・生命)とヴェーダ(科学)を組み合わせた言葉です。
2. 白湯で得られる効果
白湯を飲むことで得られる効果は、下記の通りです。
冷え性改善効果
血流が促進されたり内臓などが温まったりすることで、冷えが改善される効果が期待できます。
ダイエット効果
基礎代謝が良くなり、痩せやすい体質に変化する効果が期待できます。
免疫力アップ効果
白湯を継続して飲んでいると体温が上がることもあるなど、免疫力がアップする効果が期待できます。
美肌効果
血流が良くなると顔色も良くなります。また、老廃物が排出されやすくなると、ニキビや肌荒れの予防や改善といった効果も期待できます。
デトックス効果
内臓が温められ、消化力がアップし、便通が良くなるなど、腸内環境が改善する効果が期待できます。また、血流が促進されることで老廃物が排出されやすくなったり、代謝が高まることでむくみにくくなる効果も期待できます。
なお、腸内環境の整え方については、下記の記事で詳しく解説しています。
3. 白湯の作り方
では、白湯はどのようにして作れば良いのでしょうか。水道水から作る場合と、ミネラルウォーターから作る場合とに分けて解説します。
水道水から作る場合
前述の通り、水道水には残留塩素などの不純物が含まれており、煮沸消毒する必要があります。やかんなどで水道水を10分以上沸騰させ、自然に50度程度まで冷めるのを待ちましょう。
ミネラルウォーターから作る場合
ミネラルウォーターには残留塩素などの不純物が含まれていないため、ポットやレンジを使ってそのまま適温で作ることもできます。ただし、前述のアーユルヴェーダの考えを踏襲するなら、やかんを使って沸騰させてから自然に50度程度まで冷めるのを待ちましょう。
4. 白湯を飲むタイミングや飲むべき量とは?
では、白湯はどのようなタイミングで、どのくらいの量を飲むべきなのでしょうか。
起床時
人は寝ている間に、コップ一杯分ほどの水分を汗で失うといわれています。そのため、起床後には同量程度の水分補給をする必要があります。
目覚めの一杯を白湯にし、ゆっくりと時間をかけて少しずつ飲みましょう。全身の血流を良くしたり、内臓を温めたりすることで、消化や吸収を助ける効果などが期待できます。
少しずつ飲む理由は、一気に飲むと胃液を薄めてしまい、食べ物の消化や吸収が阻害されてしまう可能性があるからです。
就寝前
就寝前に、コップ一杯ほどの白湯を少しずつ飲むこともおすすめです。前述の通り、人は寝ている間にコップ一杯分ほどの汗をかくため、脱水予防を目的に飲みます。このほか、血流の滞りを防ぎ、交感神経が優位になって寝つきが悪くなるのを防ぐ効果も期待できます。
日頃の水分補給に
このほか、喉の渇きが気になったときなど、日頃の水分補給を白湯に置き換えてみることもおすすめです。この場合も、コップ1杯分ほどの白湯を少しずつ飲みましょう。白湯を飲むと、胃腸が温まることによって副交感神経が優位となり、緊張をほぐす効果が期待できます。仕事や家事の合間のリラックスにもぴったりです。
5. 白湯の飲みすぎには注意が必要
白湯のうれしい効果を知ると、たくさん飲んだ方がいいように感じるかもしれません。しかし、実は飲み過ぎには注意が必要なんです。
1日分の適量を守って飲む
白湯の1日の推奨摂取量には諸説ありますが、おおよそ600ml〜800ml程度といわれています。また、一度にこの推奨量を飲むと、胃液を薄めて食べ物の消化や吸収が阻害される可能性があることから、コップ一杯程度を1回分として、数回に分けて飲むことが大切です。
摂取量を制限しなければいけない場合もある
いくら白湯が健康や美容に良いとはいっても、人によって体質や抱えている疾患は異なります。日頃からむくみがひどい人や腎臓に疾患を抱えている人などは医師に相談し、推奨される摂取方法や摂取量などに従いながら飲み始めてください。
6. まとめ
白湯には、冷え性を改善する効果やダイエット効果、美肌効果、デトックス効果、免疫力を高める効果などがあるといわれています。その作り方は簡単で、ミネラルウォーターなら電子レンジやポットで50℃前後になるまで温めれば完成です。一方、水道水から作る場合には、残留塩素などの不純物を取り除くため10分以上煮沸消毒する必要があります。
適切な量や飲むのにベストなタイミングなど、ここでご紹介した内容をもとに、ぜひ生活に白湯を取り入れて健康な身体を維持していきましょう。