- わたしのうつろいゆくものと、一生もの。Vol.03
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変わることを恐れない。変化を楽しむ、一生ものの自分の器の整え方
PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI
シェフパティシエール 岩柳 麻子さん
- ディレクション:MCS
- 写真:松木宏祐
- 執筆:高野瞳
- 編集:花沢亜衣

心とからだと肌は、ひとつ。かけがえのない「一生もの」
人生の中で、変化してきたもの、変わらず大切にしてきたものは人それぞれ。
さまざまなジャンルで活躍している女性たちが、ライフステージの「変化」を機に、からだや肌、自分自身とどのように向き合ったのか。そのなかで出合う葛藤や気づきについて伺います。
今回お話を伺ったのは、フルーツを主役に作る宝石のようなパフェが人気のシェフパティシエール岩柳麻子さん。東京・等々力に店舗を構えるパティスリー「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」には近所はもちろん遠方からもファンが集まります。テキスタイルの世界からパティシエールに転身という異色の経歴を持つ岩柳さんは今年でお店をオープンして10年。お客さまの喜ぶ顔を思い描きながら、ひたむきにケーキを作り続けています。
Profile

岩柳 麻子さん
専門学校でテキスタイルを学び、卒業後は染色家として活動する傍ら、独学で経験を積みパティシエールに転身。2005年武蔵小山にパティスリィー「pâtisserie de bon coeur」をオープン。2015年に独立し、自身の名前を冠した「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」をオープン。2018年には「ASAKO IWAYANAGI PLUS」を、2021年には「ASAKO IWAYANAGI SALON DE THÉ」をオープン。
目の前のお客さまを喜ばせたい。地域に求められるお店に

―「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」のお店をオープンして10年ということですが、この10年どんな思いでお店を続けてきたのか教えてください。
お店を開くとき、「なぜケーキを作り続けるのか」と改めて考えました。辿り着いたのは、「目の前のお客さまを喜ばせたい」というシンプルな思いです。地域の方や通りすがりの方が、この場所があることで嬉しくなるようなお店にしたいと思ったんです。
もともとケーキ作りを始める前は、テキスタイルを学んでいました。でもなかなか芽が出なくて。自分には続ける意味を見出せなかったんです。一方で、アルバイト先の飲食店ではお惣菜が次々と売れていく。「私もみんなに求められて、喜ばれるものを作りたい」と思うようになりました。それが今の思いにもつながっています。
オープンしてから、当初の予定にはなかったイートインスペースを設けたり、ケーキ教室を開催したりしていますが、どれもお客さまのリクエストに応えていく中で生まれたこと。求められることに応えながら積み重ねていたら、気づけば10年が経っていました。
「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」というと“パフェ”のイメージが強いかもしれませんが、これも求められることで生まれたもの。雑誌の企画で「宝石のようなお菓子を」と依頼されて、それを表現するためにガラスの器を使ったのがはじまりでした。透き通った器の中でお菓子の層が輝くことで、より美しく見えるだろうと思って生まれたのが宝石の名を冠した「パルフェビジュー®」です。
変わることを恐れない。変わることに柔軟でいたい

―10年を振り返って、変わったこと、逆に変わらずに大切に守り続けていることはありますか?
「変わらないでいよう」とは思っていないんです。むしろ、変わることに柔軟でありたい。私自身若い頃においしいと感じた味と今求めるものは変わっています。お客さまや時代が求める味も同じように変化していると思うんです。軽やかなものが好まれる時代もあれば、濃厚な味わいが求められる時代もある。そうした変化に敏感でいたいし、恐れずに取り入れたいと思っています。
だから、あえて長年出していた定番のケーキをやめることもあります。もちろん、変えないことの素晴らしさもあるけれど、私は時代とともに変わっていくことを大切にしたいんです。そもそも、「どうしてもこれがやりたい!」という強いこだわりがあるわけではないので、「何が必要とされているか」を軸に動いています。私は求められることでエネルギーが湧いてくるんです。
その結果、ケーキ屋として始めたのにいつの間にか「パフェ屋さん」みたいになったときはちょっと驚きました(笑)。ただ形はさまざまに変化しても、ケーキ作りに対する思いは変わりません。住宅街にあるお店だからこそ、誕生日や季節のイベントを彩るケーキを提供することは大切にしていきたい。パフェもケーキもどちらも大切な存在です。

―ケーキ作りを続けていく秘訣ってなんでしょうか?
最近は自身が続けていくために、積極的に変化したいと考えています。アジア圏など海外でパフェなどの監修をする機会も増えており、海外ならではのものを取り入れることで、いつまでもケーキ作りができるように意識しています。
同時に私が海外に行くだけでなく、自店舗に様々な国の人たちが働ける環境を作れたらと思っています。私だけでなくお互いに刺激を受け、柔軟に変化できればと思っています。次世代が「ここで働くことで学べる」と思える環境を整えていくことが、私のこれからの目標です。
レシピも同じように、「秘伝のレシピを守る」ことにもあまりこだわっていません。パフェの構成の考え方だけお伝えして、あとは作る人に表現してもらえたらいいなと思っています。土地によって素材もさまざまだと思うので、そこでしか作れないその場所らしさを引き出したパフェになるとおもしろいですよね。
今、近所に新店オープンの計画もあるんです。パフェやケーキ作りの副原料として使う塩や醤油、味噌、粉、バターなど、私たちのケーキ作りを支えてくれている大切な食材のことも知ってもらえるような物販のお店です。お客様から求められていることへ柔軟に変化しながら、今の店舗ではできないことを形にしていけたらと思っています。

―今日はお店にお伺いさせていただきましたが、朝からたくさんのケーキが作られている様子に驚きました。普段はどんな1日を過ごしていますか?
夜遅くまで仕事をすることが多いので、朝はあまり早くありません。子どもが8時ごろに家を出るのに合わせて私も出勤し、自転車で20〜30分かけてお店に到着します。それから14時ごろまでケーキ作りや打ち合わせなどの作業をしたら、お昼はお弁当を食べています。そこから22時ごろまで仕事をして帰宅します。
今、40代後半なので、これまでも自分が調子よく過ごすための方法をいろいろと試してきました。最近は、朝、エネルギー補給を大切にしていて、マヌカハニーを舐めてミネラルドリンクを飲んでいます。続けていると元気に過ごせるような気がします。
あと、夜はどんなに疲れていても酔っぱらっていても(笑)、必ずお風呂に入ります。お風呂に入らないと疲れが取れないタイプなんです。湯船に浸かることで内臓が温まり、血流が良くなると聞いてから欠かさなくなりました。寝る前にはマルチビタミンのサプリメントを飲むのも習慣です。

―肌のケアで気をつけていることはありますか?
正直、普段はほとんど気にしていません。見ないようにしています(笑)。美容に関しては疎くて……「もっと日焼け止めをちゃんと塗っておけばよかった…」と後悔することもありますが、今は洗顔後やお風呂上がりの保湿だけは欠かさないようにしています。普段は余力がなくて、シンプルなケアで済ませてしまいますが、出張時など朝晩に自分の時間が取れるときは、いつもより少し丁寧にケアするようにしています。
“自分の器”を整えておかないと、ケーキを作り続けられない。

―岩柳さんにとっての理想、一生ものとは?
私はずっとケーキを作ってきたから、私自身はケーキ作り以外のことが考えられないんです(笑)。これからも一生ケーキ作りを行っていくために健康でいることや体を整えることの重要性に気がつきました。
昔はジャンクフードやインスタント食品を頻繁に食べるような生活をしていましたし、シャワーだけで済ませることも多かったです。若い頃はそれでも平気でしたが、30代後半頃からなんとなく疲れを感じることも増えて、元気な日の方が少ないくらい。
逆に夫はいつも元気で、ほとんど病院にも行ったことがないほど。義両親もそうなんです。彼らの生活習慣を見ていると、どうやら免疫が関係しているんじゃないかなと気づいて。それで私も免疫を維持するために生活習慣を見直すようになりました。
そうした健康や体のことを考えるきっかけになったのは、通っているピラティスの先生から「“自分の器”を整えておかないと、ケーキを作り続けられないよ」と言われてハッとしたからです。確かに身体が健康だからこそ、やりたいことができるわけで、最近は鍛えたりバランスの良い食事やサプリメントを摂ったりしています。
これからも色々なものを学び、変化する柔軟性を持ちながら自分という器を整え、一生ケーキ作りをしていきたいと思っています。
肌の調子がいい。からだの調子がいい。
そんな毎日を続けることが、一生ものの健やかさと美しさにつながっていく。
ファンケルは変化に柔軟に対応しながら、美しく美味しいケーキを生み出し続ける岩柳さんを応援していきます。
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- ディレクション:MCS
- 写真:松木宏祐
- 執筆:高野瞳
- 編集:花沢亜衣