ダイエット停滞期が来た? 体重が減らない原因と抜け出すコツ
ダイエットを続けているのに、ある時期から体重がなかなか減らなくなることがあります。食事に気をつけたり、運動を続けたりと努力しているのに体重が変わらないと、「このまま続けても意味があるのだろうか」と心が折れそうになることもあるかもしれません。しかし、このような時期は、ダイエットがうまくいっていないわけではなく、順調に進んでいる証といわれることもあります。
この記事では、なぜ停滞期が起こるのか、発生期間の目安や停滞期を上手に乗り越えるためのポイントについてわかりやすく解説します。
1. ダイエットの停滞期とは?
ダイエットを続けていると、多くの人が「体重がなかなか減らない時期」に直面します。これは一般的に「停滞期」と呼ばれるもので、誰にでも起こりうる現象です。停滞期には、体が状態を一定に保とうとする「ホメオスタシス(恒常性)」という調整機能が関係しています。
人間の体には急激な変化から身を守ろうとする働きがあります。そのため、ダイエットによって体重が急激に減ると、「エネルギー不足(飢餓状態)」と判断し、エネルギーの消費を抑えようとします。その結果、それまでと同じ食事量や運動量を続けていても、体重が一時的に落ちにくくなることがあります。
ただし、体重の変化が止まったからといって、ダイエットが失敗したわけではありません。停滞期は、体が新しい状態に適応しようとしている過程ともいえます。また、体重が変わらない場合でも、体脂肪が減っていないとは限りません。停滞期は多くの人が経験する一時的な現象のため、焦らず生活習慣を整えながら継続していくことが大切です。
停滞期の期間の目安
停滞期は、ダイエットを始めてから1ヵ月ほど経った頃や、体重が2〜3kgほど減ったタイミングであらわれることが多いとされています。期間には個人差がありますが、一般的には2週間〜1ヵ月程度が目安です。体重の変化がゆるやかになる人もいれば、ほとんど変わらない状態が続く人もいますが、体が新しい体重に慣れてくると再び少しずつ変化が見られるようになります。
これって停滞期? 見わけるポイント

体重が思うように減らないときは、まず今の状況を確認してみましょう。次のような状態が続いている場合は停滞期の可能性があると考えられます。
● 食事管理や運動習慣をこれまでと同じように続けている
● 食事量はいつもと変わらない
● 2週間以上、体重の変化がほとんど見られていない
一方で、間食が増えている、運動量が減っているなど生活習慣に変化がある場合は、停滞期ではなく食事や運動内容を見直す必要がある可能性もあります。停滞期と考えられる場合は、焦って新しい方法を取り入れる必要はありません。これまで続けてきた食事管理や運動習慣を、そのまま継続することが大切です。
2. ダイエット停滞期にやってはいけないNG行動
順調だったダイエットが突然止まってしまう「停滞期」は、誰しも焦りを感じるものです。しかし、この時期に焦って無理な対策をとることは、これまでの努力を無駄にするだけでなく、痩せにくい体質をまねくリスクもあります。停滞期をすこやかに乗り越え、再び減少期へとつなげるために、避けるべき5つの行動を確認しておきましょう。
極端に食事量を減らす
体重が落ちないからといって食事量を大幅に減らすと、体調を維持するために必要な栄養が不足し、体調を崩す原因になります。さらに、短期間で結果を出そうとする過度な制限は生活リズムの乱れにもつながりやすく、ダイエットが思うように進まなくなったり、その後のリバウンドにつながりやすくなる可能性があります。
特定の食品や栄養素を過度に制限する

特定の食品や栄養素を過度に制限することは、体のバランスを大きく崩す原因になります。
例えば、次のような方法が挙げられます。
● 糖質をいっさいとらない
● 特定の食品だけを食べ続ける
このような制限を行うと、体を動かすためのエネルギーや栄養が不足し、体の働きが十分に保てなくなる可能性があります。
また、代謝を支えるビタミンやミネラルも不足しやすくなり、エネルギーを効率よく利用できなくなることもあります。その結果、体がエネルギー消費を抑えようとして、体重が落ちにくくなるのです。
運動量を急に増やす
体重が減らない焦りから運動量を一気に増やすと、体力が追いつかず疲労がたまりやすくなります。過度な疲労は日中の活動量を低下させ、結果的に総エネルギー消費を増やせない原因になります。また、こうした無理な計画は精神的な負担にもなり、長続きしません。
毎日体重に一喜一憂する
体重は1日の中でも水分量や食事のタイミングによって変動するため、短い間隔で何度も計測して数値の変化に振り回されるのは禁物です。わずかな増減に一喜一憂すると精神的なストレスが溜まりやすく、ダイエットの挫折をまねく原因にもなりかねません。
短期間で方法を次々変える
結果が出ない焦りから新しいダイエット法を次々と試すと、どの方法が自分に合っているのか、体にどのような変化が起きているのかを判断しにくくなります。体が新しい習慣に適応し、効果があらわれるまでには一定の期間が必要となるため、短期間で方法を変えてしまうことはかえって遠まわりになりかねません。
3. ダイエット停滞期の正しい対処法
停滞期に入ると、体重が思うように変化せず不安に感じることもあるかもしれません。しかし、日々の取り組みを少し見直すだけでも、停滞期を乗り越えるきっかけにつながることがあります。
ここでは、ダイエットを無理なく続けるために意識したいおすすめのポイントを6つご紹介します。
摂取カロリーを減らしすぎない
前述でも触れたように、停滞期に入ると「食事量をさらに減らせば体重が減るのでは」と考えてしまいがちですが、極端に摂取カロリーを減らすと、必要な栄養が不足し体調に影響を及ぼす可能性があります。ダイエット中は、無理な食事制限をするのではなく、栄養バランスを意識した食事を続けることが大切です。
1日3食を基本として欠食せずに、できるだけ決まった時間に食事をとることで生活リズムを整えていきましょう。また、主食・主菜・副菜を組み合わせて必要な栄養を確保することが重要です。過度な食事制限は栄養不足につながる可能性があるため避け、無理のない食事管理を心がけましょう。
たんぱく質を意識する

筋肉の材料となるたんぱく質を不足させないことは、基礎代謝を維持し、すこやかにダイエットを続けるうえで非常に重要です。効率よく筋肉の維持をサポートするために、たんぱく質は一度に吸収できる量に限りがあることを踏まえ、朝・昼・晩と3食にわけて毎食少しずつ補うようにしましょう。その際、肉、魚、卵、大豆製品など、多様な食品からさまざまなたんぱく質源をバランスよく組み合わせて取り入れることが大切です。
厚生労働省が定める成人の摂取推奨量は、男性約65g、女性約50gです。これは健康を維持するためのベースラインですが、ダイエットやボディメイクで理想の体型を目指すなら、さらに一歩踏み込んだ目標設定がおすすめです。国際スポーツ栄養学会(ISSN)などの知見では、運動習慣がある方の目安を「体重1kgあたり1.4~2.0g」としています。
● 目標量の例(体重50kgの場合)1日あたり70~100g程度
このように自分の体重に合わせて「パーソナルな目標」を立てることで、筋肉をいたわりながら、効率よく体を引き締めることができます。日々の食事でこの目標を満たすために、まずは身近な食品に含まれるたんぱく質量を把握しておきましょう。
■ 主なたんぱく質量の例(可食部100g当たり)
| 肉類 |
豚ヒレ 赤肉(焼き) |
39.3g |
|
鶏むね肉(皮なし・焼き) |
38.8g |
|
| 魚介類 |
まいわし(丸干し) |
32.8g |
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しろさけ(焼き) |
29.1g |
|
| 豆類 |
油揚げ(生) |
23.4g |
|
挽きわり納豆 |
16.6g |
|
| 乳類 |
プロセスチーズ |
22.7g |
|
モッツァレラチーズ |
18.4g |
|
| 卵類 |
鶏卵 全卵(生) |
12.2g |
|
鶏卵 全卵(ゆで) |
12.5g |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の概要」
軽い筋トレを取り入れる
停滞期には、激しい運動を急に増やすよりも、継続しやすいように軽い筋トレを取り入れる方法がおすすめです。筋肉を動かす習慣をつくることで、活動量を維持しやすくなるため、日常生活の中でも取り入れやすい筋トレを行ってみましょう。
● スクワット(下半身)

太ももやお尻など大きな筋肉を鍛えられる基本的なトレーニングです。足を肩幅に開いて立ち、背すじを伸ばしたままゆっくり腰を下ろし、立ち上がって元の姿勢に戻ります。
10〜15回を目安に行ってみましょう。
● プッシュアップ(腕・胸)
腕や胸の筋肉を鍛える運動です。両手を肩幅程度に開いて床につき、つま先と手で体を支える姿勢で体を一直線に保ち、ゆっくり腕を曲げ伸ばします。
10〜15回を目安に行ってみましょう。
● プランク(体幹)

腹筋や背すじなど体幹を鍛えるトレーニングです。うつ伏せでひじを床につけ、体を一直線にした状態を20〜30秒キープします。
● ヒップリフト(お尻)

お尻や体幹を鍛える運動です。あおむけに寝てひざを立て、足の裏を床につけた状態でお尻を持ち上げて数秒キープします。
10~15回を目安に行ってみましょう。
無理のない回数から始め、週2〜3回を目安に継続することが大切です。なお、これらの運動は1回でまとめて行う必要はなく、1日の中で数回に分けても問題ありません。
生活リズムを整える
睡眠不足や生活リズムの乱れは、食欲を増進させるホルモンの分泌や日中の活動量に影響を及ぼし、ダイエットの継続を難しくする大きな要因となります。そもそもダイエット自体が心身に負担をかける行為であり、思うように結果が出ない停滞期は、そのストレスがより一層高まりやすくなっています。
無理な対策をするのではなく、心身の土台を整えるために就寝・起床時刻をできるだけ一定に保つことを意識しましょう。規則正しい生活で自律神経を整えることは、溜まりがちなストレスを和らげ、代謝をスムーズにする助けとなります。
また、十分な休養と睡眠をとることを優先し、食欲をコントロールするホルモンのバランスを良好に保ち、「食べすぎ」を防ぐことが大切です。
体重ではなく体脂肪率を意識する

ダイエット中は体重の数値に注目しがちですが、体の変化は体重だけで判断できるとは限りません。体脂肪が減少していても、水分量や筋肉量の変化によって体重が大きく変わらない場合があるためです。そのため、体重だけにとらわれず、体脂肪率(男性10〜19%、女性20〜29%が目安)やウエスト(男性85cm未満、女性90cm未満が目安)などの数値、さらに鏡に映る体のラインや服のゆとりといった見た目の変化も含めて確認することで、体の変化を把握しやすくなります。
また、家庭用の体組成計は、測定する時間帯や体内の水分量などによって数値が変動しやすく精度にも限界があります。数値にこだわるのではなく「目安」として捉え、同じ機器を使用して、できるだけ同じ時間帯・条件で測定した結果を継続的に比較することが大切です。
体重や体脂肪率は日々変動するため、1日ごとの短期的な数値だけで判断するのではなく、2週間程度の長期的な視点で体重の推移を確認しながら、中長期の変化として体の変化を捉えましょう。
変化を感じにくいときは調整を試みる
体重の変化を感じにくいときは、ダイエット方法を大きく変えるのではなく、食事内容や生活リズムを一時的に調整するという考え方もあります。
例えば、食べすぎた後の対処法としては48時間以内に調整する「48時間リセット術」といった方法があります。これは、摂取した食事が消化・吸収され体外へ排出されるまでの時間に着目した考え方です。
一般的に、摂取した食事が消化・吸収され体外へ排出されるまでには24〜48時間程度かかるとされており、翌日に体重が増えていても脂肪が増えたとは限りません。食べすぎた場合には48時間以内に調整することを心がけ、翌日から1〜2日程度、食事量をやや控えめにして摂取エネルギーのバランスを整えましょう。その際、食事を抜かず量を調整することを意識し、食事回数を減らすのではなく、1日3食を基本としながら全体量を抑えることが大切です。
4. ダイエットの停滞期に関するよくある質問
正しく取り組んでいるつもりでも、ふとした瞬間に「これで本当に合っているのかな?」と不安がよぎるのが停滞期の難しいところです。ここでは、ダイエットの停滞期中によくある疑問についてお答えします。
停滞期に体重が増えることはありますか?
停滞期には、体重が一時的に増えることもあります。体重は体脂肪の増減だけで決まるものではなく、体内の水分量や食事内容、便通の状態などによって日々変動するためです。
特に、塩分の多い食事やホルモンバランスの影響により体に水分が溜まりやすくなると、むくみによって体重が増えることがあります。
このような短期間の増減は必ずしも脂肪の増加を意味するものではないため、数日の変化だけで判断せず、少なくとも2週間程度の長期的な視点で体重の推移を確認することが大切です。
ダイエットにチートデイは必要ですか?

チートデイはダイエットにおいて必須ではありません。体重管理の基本は、栄養バランスの整った食事や適度な運動など、無理のない生活習慣を継続することです。
ただし、厳しい食事制限によって継続が難しくなっている場合には、食事量を見直すきっかけとして取り入れるという考え方もあります。あくまで基本となる生活習慣を整えることを優先し、その維持が困難な場合の選択肢の一つとして検討すると良いでしょう。
5. まとめ
ダイエットの停滞期は、努力の結果が目に見えにくく、つらい時期でもあります。しかし、それは決して「失敗」ではなく、体が新しい状態に馴染もうとしている順調なサインでもあります。体重計の数値が思うように動かなくても、短期的な増減に一喜一憂せず、まずは今の状態をありのままに受け入れてみましょう。
こうした時期に大切なのは、焦って極端に食事を制限したり、新しいダイエット法を試したりすることではありません。今までどおりの健康的な習慣を続けていくことが、理想の自分に近づくための近道です。停滞期だからといって焦らず、心身の健康を最優先にしながら、日々のていねいな一歩を積み重ねていきましょう。










