FANCL ONLINEFANCL ONLINE

GOODISHGOODISH

愛犬とのより良い暮らしのために役立つ情報をお届けします愛犬とのより良い暮らしのために役立つ情報をお届けします

からだのこと

犬の毛並みをよくする方法は?健康な皮膚や被毛に必要な栄養素を解説

愛犬の毛並みがパサパサ・ゴワゴワしている、毛艶が足りないとお悩みの飼い主さんもいるでしょう。じつは食事を見直せば、犬の毛並みにツヤが出やすくなります。この記事では犬の健康な皮膚や被毛に必要な栄養素や、毛並みをよくする方法をご紹介します。

犬の毛並みや毛艶が悪い原因は?

犬の毛並みや毛艶がよくないと感じたら、栄養不足や栄養バランスの偏りが原因かもしれません。必要な栄養素が足りないと、被毛の光沢がない、切れやすい、色が薄くなる、脱毛するなどのトラブルを招きやすくなります。また、皮膚のフケが増える、ベタベタする、乾燥してカサカサするといった状態になることもあります。そのほか、加齢による新陳代謝の低下によって、毛並みや毛艶がよくないと感じることも。

犬の健康な皮膚や被毛にはたんぱく質が必要

皮膚や被毛を作る栄養素の代表格といえば、たんぱく質です。たんぱく質は筋肉を作るだけでなく、美しい皮膚や被毛をキープするのにも役立ちます。ほかには血液・臓器などを作るのにも欠かせないので、愛犬には良質なたんぱく質がバランスよく含まれた食事を与えましょう。

美しい皮膚や被毛には脂質も欠かせない

皮膚や被毛の健康には、たんぱく質のほかに脂質も重要です。脂質は毛艶をキープするのに役立ち、脂質成分であるリノール酸(オメガ6脂肪酸)には皮膚の水分を保持する役割があります。脂質は肥満につながるイメージもありますが、脂質にはさまざまな種類があり、適切な種類の脂質を適度な量摂取することは犬の健康に必要不可欠です。
またその他の成分として、亜鉛には皮膚や被毛の健康を維持し免疫力を高める働きが、ビタミンAには新陳代謝を促進したり、粘膜を保護し被毛や爪を強くしたりする働きがあるといわれています。

たんぱく質や脂質を犬の食事に取り入れるには?

愛犬の皮膚や被毛を健康に保つには、良質なたんぱく質とオメガ6脂肪酸をバランスよく含む総合栄養食のドッグフードを与えることが大切です。
もしくは、市販のドッグフードにたんぱく質をトッピングしたり、大豆油・コーン油・サフラワー油などのオイルを少量垂らしたりする方法もあります。手作り食の場合、最も不足しがちなのは亜鉛です。亜鉛を多く含む総合栄養食のフードと併用しましょう。
ただし、飼い主さんの自己判断でのトッピングや手作り食は、個体によって体調を変化させる要因になることもあるため、獣医師に相談のうえ行ってください。

まとめ

愛犬の毛並みや皮膚のカサつきが気になるなら、たんぱく質や脂質(オメガ6脂肪酸)を含む食事でケアすることが大切。適量をバランスよく摂らせて、皮膚や被毛の健康を目指してください。
ただし、犬種や年齢、環境などによっても皮膚や被毛の状態は変わってきます。皮膚の病気やほかの疾患などが原因で毛並みが悪くなることもありますので、愛犬の皮膚や被毛に関して気になることがある場合には、一度獣医師に診てもらうようにしましょう。

獣医師からのアドバイス

皮膚や被毛に必要な成分は、実は熱に弱いものも多いようです。
たんぱく質;高温で加熱すると変性して消化率が悪くなる。
ビタミンA;加熱により分解してしまう。
オメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸;加熱により酸化が進んでしまう。
特に毛並みが気になるとか、皮膚に疾患のある犬は、これらの成分がしっかりと機能するように、フリーズドライなどの高熱をかけない製法で作られたフードを選ぶと良いでしょう。

左向 敏紀 先生

日本獣医生命科学大学 名誉教授
一般社団法人 日本ペット栄養学会会長

・画像/Getty

GOODISH