アレルギー
犬アトピー性皮膚炎の対処に役立つ?気になるフードの成分をご紹介
この記事では、犬アトピー性皮膚炎に対処するために知っておきたい、フードの成分をご紹介します。犬アトピー性皮膚炎は、食事などによって体内からケアすることも大切です。ぜひ参考にしてみてください。
犬アトピー性皮膚炎に対処するために知っておきたいフードの成分(1)
皮膚のバリア機能を高める成分
バリア機能とは、ハウスダストや花粉、乾燥といった外部の刺激から体を守る皮膚の働きのことです。犬アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下が原因のひとつと考えられているため、外部からの刺激を入りにくくするようバリア機能を高めることが大切です。
皮膚のバリア機能を高めるには、オメガ6脂肪酸、ビタミンAがおすすめです。オメガ6脂肪酸はバリア機能の役割を担うセラミドを構成する成分であり、ビタミンAは天然保湿因子(NMF)の合成を促す働きがあります。
犬アトピー性皮膚炎に対処するために知っておきたいフードの成分(2)
免疫力のバランスを整える成分
犬の体を細菌やウイルスなどから守る働きをするのが免疫です。免疫を担う細胞にはいくつかの種類があり、犬アトピー性皮膚炎が悪化してしまう要因の一つとして、ある種の免疫細胞の免疫力低下も大きく関係していると考えられています。
犬の免疫力のバランスを整えるには、腸内環境を整えてあげるとよいでしょう。犬の腸内環境を整える成分としては、乳酸菌や食物繊維などが挙げられます。
犬アトピー性皮膚炎に対処するために知っておきたいフードの成分(3)
皮膚の炎症を抑える成分
皮膚の炎症を抑える作用が期待できる成分としては、EPA、DHAなどのオメガ3系不飽和脂肪酸がよく知られています。皮膚病の治療の補助として獣医師にも使用されています。
まとめ
犬の体質には個体差があります。また、犬の食事で大切なのは栄養バランスですので、ご紹介した成分をフードなどから取り入れる場合は、必ず獣医師に相談するようにしてください。
獣医師からのアドバイス
オメガ6脂肪酸は、皮膚のバリア機能を高める成分ですが、摂り過ぎると炎症を促進してしまいます。それを抑えるのがオメガ3脂肪酸。この皮膚に重要な2種類の脂肪酸は、バランスよく摂ることがとても大切です。ただし、これらの脂肪酸はとても酸化されやすい油のため、常に空気にさらされているようなドッグフードには多く入れることができません。これらの脂肪酸を多く摂りたい場合は、なるべく小袋で、開封後すぐに食べきれるものを選びましょう。
左向 敏紀 先生
日本獣医生命科学大学 名誉教授
一般社団法人 日本ペット栄養学会会長
・画像/Getty