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食欲の秋は犬も肥満に要注意!「健康寿命」に与える肥満のリスク
暑さがやわらぎ、過ごしやすくなる秋。消化能力が夏や冬に比べて上がるので、食が進みやすくなる犬もいるでしょう。そのため、犬に与える食事量をきちんと管理し、体重増加に気をつけることも大切。肥満が「健康寿命」に与えるリスクをご紹介します。
肥満が犬に与えるリスク
・命にかかわる病気のきっかけに
肥満になると、体のさまざまな部分に絶えず炎症が起こります。最近の研究では、その炎症が免疫機能やホルモンに影響を与えて、がんや糖尿病など、危険な病気を引き起こしている可能性があるとされています。「肥満は万病のもと」ということは、科学的にも証明されているのです。
・治療が長引く病気になりやすい
糖尿病、関節炎、膵炎(すいえん)、がんなどは肥満が一因となる可能性がある病気です。こうした病気は長期の治療が必要となるケースが多く、痛みやストレスなどの蓄積によって健康寿命を縮めてしまうことにもなるでしょう。
犬を肥満にさせないためにできること
・食事の管理
肥満の原因は、飼い主さんが食べ物を与えすぎているケースがほとんどです。かわいくて、つい与えてしまいたくなる気持ちは抑えて、フードやおやつは愛犬の体に適した摂取カロリー内に収めるようにしましょう。
・適度な運動で腸内環境を整える
食事や睡眠などのほか、肥満予防には腸内環境を整えることも重要です。腸内には、脂肪をためこむ働きのある細菌が存在していて、腸内で悪玉菌が優勢になるとその菌が増え、太りやすい体質になってしまうといわれています。散歩などの適度な運動は腸内細菌のバランスを整え、脂肪をためこむ働きのある菌の数を抑える効果があるとされています。
食事量が適切でも太る場合は病気のおそれも
肥満のほとんどの原因は、飼い主さんのフードやおやつの与えすぎによるものです。しかし、甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)やクッシング症候群などの病気があると、代謝が下がるなどの影響で太りやすくなります。食事量が変わらないにもかかわらず、急に体重が増加してくる場合には、獣医師に相談しましょう。
まとめ
肥満は愛犬の健康寿命をおびやかす万病のもとです。ふだんの食事量の管理と適度な運動で、愛犬の健康を守りましょう。なかには食事量が原因でない場合もあるので、気になることがあればすぐに獣医師に相談するとよいでしょう。
・画像/Getty