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食事

犬に必要な栄養素であるたんぱく質 どのように消化される?

犬の成長に欠かせない栄養素であるたんぱく質は、犬の体内でどのように消化・吸収されるのかを解説します。

たんぱく質とは

たんぱく質とは、アミノ酸が鎖のようにつながってできた高分子化合物です。体内で働くアミノ酸は約20種類あり、これらがさまざまな組み合わせで配列することで皮膚や筋肉、ホルモン、抗体などになります。

犬に適したたんぱく質とは

たんぱく質は、「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」に分かれます。

  • ・動物性たんぱく質が含まれる食材
    肉類(鶏肉、豚肉、羊肉など)、魚類、卵などの動物由来の食材
  • ・植物性たんぱく質が含まれる食材
    大豆、小麦、コーンなどの植物由来の食材

犬は、植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質のほうが消化・吸収が得意です。食品加工技術が進んだ現在は、植物性たんぱく質でも十分に消化・吸収できるといわれています。ただし、アミノ酸スコア(※)の観点では、動物性たんぱく質はすべて100ですが(貝、イカ、エビなどは除く)、植物性たんぱく質では、アミノ酸スコア100は大豆のみです。

※アミノ酸スコアとは、その食品のたんぱく質を構成しているアミノ酸のバランスを数値化したものです。100が最大の数値であり、スコアが高いほど、必須アミノ酸を体内で効率的に利用できる良質なたんぱく質といえます。

たんぱく質は犬の体内でどのように消化・吸収される?

たんぱく質は、胃や小腸から分泌される消化酵素の働きにより、鎖状になっていたアミノ酸がバラバラに分解されます。犬は野生であった時代のなごりから、たんぱく質を最初に分解する胃酸が強いため、人に比べてたんぱく質の消化が得意です。

バラバラになったアミノ酸は、小腸から体内に吸収され、その後、肝臓へと運ばれ、体内で利用されます。このとき、体に必要な分は体の一部に合成されたり、エネルギー源となったりしますが、余って不要になった分は老廃物となり、肝臓で代謝されて、腎臓から排泄されます。

まとめ

たんぱく質の消化・吸収を得意とする犬の体。愛犬の健康を維持するためには、動物性たんぱく質や植物性たんぱく質をバランスよく取り入れ、体に必要なアミノ酸をきちんと摂取することが大切です。

獣医師からのアドバイス

たんぱく質は、鎖状につながったアミノ酸がところどころ結合して立体的な構造をとっています。加熱すると、この結合が切れて消化酵素が働きやすくなるため、消化しやすくなるのです。ところが加熱をし過ぎると変性を起こしてしまい、消化酵素が作用しにくくなるため、消化が悪くなってしまいます。たんぱく質の消化性は、加熱方法に大きく左右されます。見た目だけでは消化の良い悪いはわかりませんので、どのような加工方法にこだわって製造されているかを見てフードを選ぶと良いですね。

左向 敏紀 先生

日本獣医生命科学大学 名誉教授
一般社団法人 日本ペット栄養学会会長

・画像/Getty

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