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食事

犬はたんぱく質を消化できても炭水化物の消化は苦手?

犬の必須栄養素は、たんぱく質や炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルがあります。そのうち体を作る大切な栄養素として、たんぱく質と炭水化物があります。雑食動物といわれている犬ですが、肉食動物が祖先のため、たんぱく質の消化はできても、炭水化物の消化は苦手だといわれることがあります。今回は、犬が本当に炭水化物を消化しづらいのかどうかを解説します。

炭水化物とは

炭水化物は主に、雑穀類、いも類、果物類などに多く含まれています。炭水化物は、消化酵素の働きで分解される「糖質」と、分解されない「繊維質」に分けられます。糖質は生命活動に必要とされるエネルギーを供給する栄養素です。犬用のフードでは、ドライフードで30~60%が含まれています。

エネルギー源として使用されなかった糖質は、主に脂肪となって体に蓄積されていくため、過度に摂取して肥満にならないよう注意する必要があります。

犬は炭水化物の消化が苦手といわれているのはなぜ?

犬の祖先は肉食のオオカミだと考えられていることや、炭水化物の主成分であるデンプンを分解し、消化しやすくする酵素のアミラーゼが犬の唾液に含まれていないことが、犬が炭水化物の消化が苦手とされてきた原因に挙げられます。オオカミたちの食べていた炭水化物は熱が加えられていない様な吸収しにくいデンプンです。われわれ人間も生のじゃがいもや米、小麦は消化できません。

また、肉食傾向が強い犬は、腸が人に比べて短いことも、炭水化物の消化・吸収が苦手とされてきた原因でしょう。

ドッグフードに含まれる炭水化物は消化できる?

市販されているドッグフードの炭水化物は、大部分が小麦やとうもろこしなどの炭水化物、また穀物不使用フードでは豆類の炭水化物で構成されています。消化しづらい炭水化物が多く含まれていることで心配になる飼い主さんもいるかもしれません。実はドッグフード中の炭水化物は「生」の状態では無く、消化・吸収しやすいように調理されています。さらには、2013年にスウェーデンの大学で行われた研究によると、犬の唾液にアミラーゼは含まれないものの、すい臓から分泌されるアミラーゼはオオカミの約28倍あり、小腸では草食動物がもっている消化酵素が働いていることがわかっています。

つまり、犬は炭水化物を消化できないわけではありませんが、肉や魚などのたんぱく質に比べると消化にやや時間がかかる傾向にあるようです。また、腸が短いため十分に消化できない可能性があるでしょう。

まとめ

犬にとって炭水化物も大事な栄養素のひとつです。人間とともに暮らしている犬たちは炭水化物をエネルギー源の中心として利用していますが、年齢や栄養状態によってはエネルギー源の割合を変える必要がある場合もありますので、その犬にあったフードを選ぶようにしましょう。

獣医師からのアドバイス

犬が炭水化物の消化が苦手と言われているのは、エネルギー源となる「糖質」が消化できないのではなく、「食物繊維」が消化できないためです。実は食物繊維はどの動物も自分では消化できず、消化管内に生息する微生物が分解をしています。そのため、消化管の容量によって、どのくらい食物繊維が消化できるかが決まります。雑食動物の中でも腸の短い犬は、食物繊維が多く含まれる穀類の消化が苦手なのです。一方で、たんぱく質を分解する酵素を含む胃酸が強い犬は、雑食動物の中ではたんぱく質の消化が得意です。犬の食性にあったごはんを与えてあげるのもいいですね。

左向 敏紀 先生

日本獣医生命科学大学 名誉教授
一般社団法人 日本ペット栄養学会会長

・画像/Getty

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