アニメーター 菅原 美佳さん

キャラを演じるように描き、 作品に、命を吹き込む

#03

アニメーター 菅原 美佳 さん

心理描写も含めたキャラクターの演技を、丁寧につくり上げてる菅原さん。TVアニメ『薬屋のひとりごと』でアニメーターを務めるなかで、印象的なカットに込めたこだわりや作品への愛、そしてTVアニメ第3期に向けた思いを語っていただきました。

※本記事には、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第1期・第2期の内容が含まれます。未視聴の方はご注意ください。

アニメーター 菅原 美佳さん

株式会社オー・エル・エム

Interview 01

名もなき人物まで描き切り、 シーンに命を吹き込む

第1期、第2期の中で、特に印象的なシーンは?

第2期の第32話で、子翠(シスイ)が草むらから飛び出して、猫猫(マオマオ)の頭上に乗った鈴虫を潰してしまうシーンです。

子翠が、鈴虫を追いかけて地面をぴょこぴょこ跳ねるのですが、コミカルな動きではなく、リアルな表現で、動きとしてイキイキと見えるようにしました。子翠だけでなく、鈴虫の動きも細かく表現するため、演出さんとやりとりを重ねました。

『薬屋のひとりごと』の制作で、作画として大切にしていることは?

画面に映るキャラクターがそこにいる理由や目的、また、各キャラクターの生活感など、見えないところまでを想像して「キャラクターが生きている」説得力を大切にしています。作画の際は、他の作品よりもアニメらしい派手な動きを抑え、リアルさを追求し、たとえば、キャラクターが視線を変える時は瞬きをしない、ポップな動きはしない、ギャグめいた表現を多用しないなど、表現が細かく決まっています。また、メインで映るキャラクターだけでなく、モブと呼ばれる群衆も服装から表情まで全て細かく手描きで表現します。群衆の表情を簡略化すると、魂が抜けたような絵になるんです。絵の難易度は上がりますが、画面の端の方の人物を見ても世界観が伝わるように、時間をかけて丁寧に描いています。

Interview 02

作品を愛し、 キャラクターを理解する その先で息づくような 演技が生まれる

『薬屋のひとりごと』の制作で菅原さんの担当する「アニメーター」とは?

「アニメーター」は、「原画マン」といわれキャラクターや背景などの"動きのキー"となる絵を設計・作画します。監督の用意した絵コンテから、キャラクターに演技をつけていく原画を描き起こし「動画マン」へ渡し、動作の指示や調整も行っています。

原画マンとして特に大切にしている表現の向き合い方とは?

まず、キャラクターを深く知ることです。『薬屋のひとりごと』は第1期の途中からの参加でしたが、当初は、それまでの展開やキャラクターの性格を、自分の中に十分には落とし込めていなかったように思います。その後、作品を改めて見返す中で、どんどん作品を好きになり、話の面白さ、キャラクターの性格の奥深さ、繊細な絵の表現など、その世界観にますます興味が湧きました。

すると、キャラクターの話し方やリアクションを自然と想像できるようになり、ラフを描く段階からセリフのテンポや、感情の乗せ方までをイメージできるようになっていきました。頭の中の完成形を目指して描ける流れが構築できた時、キャラクターを知ることの大事さを改めて感じましたね。

「アニメーター」をひとことで表すなら、どんな存在ですか?

「役者」です。そのキャラクターの自然な演技を追及する、一番大切なことです。表面上だけ上手く描いても、どこか浅い演技になったり、動きがチグハグになったりする。キャラクターの背景や話の流れを理解し、キャラクターになりきることで、ほんの少しの動作にも複雑な感情を乗せられるという思いで、描いています。

Interview 03

"あの伏線"は 回収されるのか? 第3期の必見ポイントとは

これから始まる、TVアニメの第3期の見どころは?

一番注目してほしいのは、猫猫と壬氏(ジンシ)の噛み合っているようで、全く噛み合わない不思議な関係です。ここは、引き続き面白いところだと思います。

また、『薬屋のひとりごと』は世界観が完成されている作品。第2期までで一区切りついたように見えても、第3期につながる要素が数多く散りばめられています。それが第3期で展開していく部分もあるので、私も次の絵コンテを早く読みたいと思うほど、続きが気になっています(笑)。

私が描いたシーンの中にも「実は……」という場面があるので、これまでのお話も思い返しながら見ていただけると、ますます楽しめると思います。

楽しみですね! では、菅原さんの今後の展望を教えてください。

目標は、キャラクターデザイナーと総作画監督になることです。その上で、プロを目指している人たちに憧れてもらえる存在になりたいですね。アニメーターに憧れていた私が、その憧れの職業に就くことができた。次は、「このシーンを描いたのは、あの人か!」と思ってもらえるような存在になりたいです。

日々、書き続けるための目のケアとは?

仕事、趣味の絵や勉強などを含めると、1日10時間以上は画面と向き合っていますが、描くのが好きですし、スキルが上達していくのがとにかく楽しいので、自然とこの生活になっています。

目のケアについては、できるだけ目を温めるようにしていますね。今後は、もっとたくさん絵を描いて上手くなりたいので、サプリメントでも目のケアはじめて、目を大切にしていきたいと思います。

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