大人の食べ癖見直しダイエット

監修
青木 晃(あおき あきら)先生

横浜クリニック院長。日本抗加齢医学会専門医。
健康長寿という視点から予防医療を唱えるアンチエイジングとダイエットの第一人者。主な著書に『「いい眠り」は体を引き締める 睡眠ダイエット』(新講社)など。

教えてドクター! 大人になるとなぜ太る?

中年太りは老化現象のひとつ

大人がぽっちゃり体型になるのは、年齢を重ねると白髪が生え、シミやシワが増えるのと同じこと。
個人差はあるものの、30代後半になると、若い頃と変わらない生活をしていても体に脂肪がつきやすくなり、一度太るとやせにくくなります。

30代後半を迎えると太る原因は倍になる!

この年代が太りやすいのは、もともとの太る原因である1食べ過ぎ、2運動不足に、加齢による3代謝の低下、4自律神経・ホルモンの乱れが追加されるから。
加齢とともに筋肉が減ると代謝が下がり、さらに脂肪は燃えにくくなります。また、不規則な生活や環境ホルモンの影響などで自律神経・ホルモンが乱れると、交感神経の働きが低下→脂肪分解・燃焼が起こりにくくなり太る、というわけです。

若いときとは、ここが違う!30代後半からのやせるコツ

大人のダイエットは、加齢とともに低下する「代謝」と「自律神経の働き」をケアすることが大切。そのとき必要なのが、基本の「食事」・「運動」の見直しです。
食事は量を減らすより、質を上げて、食べることを楽しみながら代謝の低下を防ぎましょう。また、適度な運動も、自律神経を整えるためには必須。少しでも歩く時間を増やすことが有効です。

おいしく食べてOK!大人の賢い食べ方にスイッチ

話題の“ベジ・ファースト”に酢をプラスして効果アップ

食べる順番を「野菜(食物繊維)→たんぱく質→糖質」にすることで、血糖値の急上昇を抑え、肥満ホルモンと呼ばれるインスリンの分泌をゆるやかにできるベジ・ファースト。
その効果をさらに高めるのが、野菜と同じく血糖値の上昇を抑える働きを持つ調味料、お酢。食事の最初に、たっぷりの海藻(食物繊維)を酢であえた、もずく酢などを食べるのがおすすめです。

たんぱく質不足を解消し、体の脂肪を燃やしやすく!

体の脂肪燃焼に必要な筋肉量は20歳頃をピークに減り続け、50歳以降は急激に減少。ダイエット中は肉類を控える傾向が強いので、たんぱく質不足になり、筋肉量の減少が加速します。
筋肉の原料となるアミノ酸をバランス良く摂るには、魚や肉を中心に、卵、大豆製品といったたんぱく源を多品目食べるのがポイントです。
手軽に補うなら一口サイズのチーズやかまぼこがおすすめ。サプリメントも上手に活用しましょう。

1日に必要なたんぱく質※食品にすると、このぐらい! 魚などを50g食べれば50gのたんぱく質が摂れるわけではありません。食品の可食部(食べられる部分)に含まれるたんぱく質は意外に少ないという事実があります。 ※厚生労働省発表「日本人の食事摂取基準(2015年版)」が推奨する1日当たりのたんぱく質摂取量は、18歳以上の男性60g、18歳以上の女性50g

ワンポイントアドバイス

ゆっくり食べて、満腹ホルモンを出そう!

満腹ホルモンが脳を刺激しておなかがいっぱいになったと感じるまでには、食べ始めてから約20分かかります。
食事中は家族や友人と会話を楽しみながら、満腹ホルモンの分泌を待ちましょう。リラックスして食べると、幸せホルモンとも呼ばれる“セロトニン”が分泌されるので、満足感がさらにアップ。

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